黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

† 新刊情報(12/03) †

2012-03-31 | 新刊情報
<3月>
3/1
山白朝子『エムブリヲ奇譚』メディアファクトリー

3/7
浅田次郎『降霊会の夜』朝日新聞出版

3/9
伊坂幸太郎『PK』講談社 

3/15
高田郁『夏天の虹 みをつくし料理帖』角川春樹事務所(文庫)

3/17
有栖川有栖『高原のフーダニット』徳間書店

3/19
橋本紡『今日のごちそう』講談社 

3/23
柳広司『パラダイス・ロスト』角川書店

3/25
茅田砂胡『天使たちの課外活動2 ライジャの靴下』中央公論新社(ノベルス)

3/26
山田正紀『ファイナル・オペラ』早川書房 

久世光彦『死のある風景 完全版(仮)』新人物往来社 

3/28
初野晴『千年ジュリエット』角川書店 

3/下
有川浩『三匹のおっさん ふたたび』文藝春秋 



真昼造船2周年みたいですよ会

2012-03-31 | おでかけ

 古書真昼造船さんの2周年パーティに参加してきました♪
 交流のある方々10数名が参加。女子多し…

  ルイジアナママさんの美味しい料理と、



 ケーキ♪(チョコシフォンでした)



 NHKやラジオ、ご近所話等々、さまざまな話題で盛り上がりつつも、本の話は全く出ず(笑)。

 楽しい時を過ごしました。ありがとうございました~v

 


『仙台ぐらし』伊坂幸太郎(荒蝦夷)

2012-03-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
多すぎるタクシーのこと、外で声をかけられもしかして知り合いかと悩むこと、気がつけば知っていた店が閉店し、変わる町並のこと、ずうずうしくも出入りする猫のこと、自作の映画化が続いたことについてのあれこれ、いろいろなことが心配過ぎて思い悩むこと、そして震災のこと……等々、身近な事柄について綴ったエッセイほか、震災後の石巻を舞台に移動図書館をする青年たちを描いた短編『ブックモビール』を収録。

仙台在住の伊坂さんのエッセイ+短編。荒蝦夷は仙台の出版社で、エッセイは、概ね地域誌『仙台学』に掲載されたものだとか(他、書き下ろし)。
エッセイのほとんどは震災前に書かれたもので、ちょっとほのぼの微笑ましい感じ。
『ブックモビール』は実在の人たちをモデルに書かれたそうです。

<12/3/29,30>

『エムブリヲ奇譚』山白朝子(メディアファクトリー)

2012-03-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
道が整備され、社寺参詣や湯治のため庶民は諸国を旅するようになった昨今。旅人たちは各地の案内をする道中記を手に、名所旧跡を訪ね歩くようになった。
その中の一冊『道中旅鏡』を書いている折り本作家の和泉蝋庵は、未だ紹介されていない土地の、風光明媚な温泉や古刹の噂を求めて旅をしていた。
時折その付き人を引き受けていた“私”(=耳彦)。蝋庵と一緒に旅をすると何故かまっすぐな道であっても、目的地に辿り着くのに何日もかかったり、地図にない場所へ着いて、奇妙なことに遭遇することが多かった。
ある時、奇妙な町に立ち寄った二人。小川の岸辺に、犬たちが群がり、白くて小さなものを、食べているのを目撃した私が宿に持ち帰り、蝋庵に訊ねると、その近くにあった中条流の堕胎専門の産院が、捨てた胎児…エムブリヲだろうという。
それを聞いた私は、拾ってきたものを埋めようとするがまだ生きており、予想に反してなかなか死ななかった為、米の研ぎ汁などを与えて世話をする。
そんな中、賭け事にはまり、蝋庵にもらった金も使い果たしてしまった私は、それを見世物にすることを思いつく……“エムブリヲ奇譚”、
書物問屋で働いていた十六歳の少女・輪は、乞われて蝋庵と耳彦の旅に同行することに。
道に迷い辿り着いた村で、村長である老婆のひ孫の為に、持っていた薬を分け与えた輪は、老婆から青い石をもらう。自分から死ぬことだけはしてはならない、地獄に落ちるという忠告とともに。蝋庵曰く、その石は瑠璃、つまりラピスラズリであるらしい。
その後、十八で結婚した輪は、子供も授かったが、二十七の時に長屋の火事から子供を助ける為に命を落とした。
だがその後、ラピスラズリを握って生まれ変わった輪は、多少の変更がありながらも、同じ人生を何度となく繰り返す。しかし何度生まれ変わっても、彼女を産んだ折の出血で亡くなったという母の顔を見ることはできなかった……“ラピスラズリ幻想”、
旅をしていた蝋庵と耳彦は、いつもの如く想定外の村に辿り着く。
どうやら温泉が近くにあるようだとにおいから察知したが、宿の主人から夜に行ってはいけないと忠告される。夜にその温泉に行ったものは、戻ってこられなくなるらしい。
本に載せるにあたり、危険があっては書けないからと、調べてくるように頼まれた耳彦。
やむを得ず出かけたその場所で、昔なつかしい少女の顔に出逢い……“湯煙事変”、
温泉地に向かって旅を続けていたある日。
宿場町近辺の茶屋で一休みしていた時に、雌の鶏に茶飯をやったところ懐かれた耳彦。その鶏に小豆という名をつけ、一緒に旅を続けた。
そんな中、大雨に遭い、奇妙な漁村に何日も足止めされたふたりは村人から空き家を借りたが、何か視線を感じる。蝋庵は木目が顔に見えるだけだというのだが、他にも農作物や魚、あらゆるものに人面が浮いていて何も食べる気力が沸かず、日に日に衰えてゆく耳彦は……“〆”、
道に迷い立派な刎橋を見かけたふたり。出会った老婆に訊くと、それは今はあるはずのない橋で、四十年も昔に落ちているのだが、旅の人が、夜に見て、その橋を知らずに渡って戻らないことがあるという。
その後、そこで死んだ自分の子に会いたいという老婆に頼まれ、彼女を背負って橋まで連れてゆくことになった耳彦だったが……“あるはずのない橋”、
厄介ごとにばかり巻き込まれ、今度こそ蝋庵と旅をするのをやめようと決めていた耳彦。
そんな中、立ち寄った地でたびたび喪吉と呼びかけられたり、悲鳴をあげられたりした。
話を訊くと、耳彦によく似た喪吉という大工がいたのだが、顔無し峠で川に落ち、死んだのだという。
旅籠の女中として働いている、喪吉の女房・やゑは、細部の傷にいたるまで同じ耳彦を喪吉だと思い込み、引き止めるが……“顔無し峠”、
いい温泉があると通りすがりの女から聞き、それを探していたふたりは大男に襲われた。蝋庵は逃げたが耳彦は捕まり、若い男女とともに縦穴に閉じ込められる。
男女は夫婦で余市とふじといい、彼らを捕まえた男は山賊。先に出会った女はその女房であった。
そんな中、食糧の干し肉を分けてやるのが惜しいと、三人のうちひとりを解放するという山賊。ふじを穴から脱出させることにしたが、その後女がふじの帯をしているのを見、彼女がこの世にいないことを悟った耳彦たちだったが……“地獄”、
この前の旅でひどい目に遭い、家に引き篭もっている耳彦の代わりに、付き人にした青年が死んだと語る蝋庵。
つきあいのある書店に相談し、紹介してもらった青年は、先に母を亡くしたばかりの怖い話が好きな青年だった。
最初は仲良く旅をしていたのだが、途中蝋庵の抜け毛があちこちに落ちているのが我慢ならないと別々に部屋を取ることに……“櫛を拾ってはならぬ”、
十五で村の地主の長男に嫁いだ小作人の娘。しかし自分の親の死に目にも会えないほど、彼と家族に虐げられる日々を送っていた。
そんなある日、家の土蔵に少年が通りすがりだとやってきた。その後たびたび訪れる彼は、無学な彼女に文字を教えてくれた。『庭訓往来』という手紙形式の本を使い、勉強するのが唯一の心の安らぎとなる。
だがやがてそれが家人に知れ……“「さあ、行こう」と少年が言った”の9編収録。

必ず道に迷う道中記作家・和泉蝋庵の出会った不思議な出来事を書いた怪奇譚。
彼自身の存在感は薄めで、一緒にいることの多い耳彦の受難を描いた話が多いかも(語りは概ね耳彦視点)。
ダメ人間な耳彦のせいかかなり後味の悪さ満載ですが、情を寄せても自分可愛さから容易くそれを放棄する、矛盾に満ちた感情を持つ人間の象徴が、耳彦という存在なのかも。
装丁の凝りっぷりが素敵ですv

<12/3/27,28>

くるみの麩ッキー@三条街

2012-03-27 | スイーツ
 麩を使ったクッキー。くるみ入り。
 さくさくと軽く、時々カリカリとした食感。
 甘すぎず食べやすいです。

***** ***** ***** *****
 三条街:新潟(三条)

 三条市内の五つの商店街で作ったブランド。三条の特産品を使った商品を開発していくのかな?
 対象店で購入可。

 このクッキーの製造はヤマトヤ(三条市)でしたが、他はどうなのかな?

『荻窪 シェアハウス小助川』小路幸也(新潮社)

2012-03-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
中学一年の時に父を亡くして以降、家計を支えて働く母の代わりに家事を担い、双子の弟妹の世話をしてきた、沢方佳人。
高校卒業後も、近所の酒屋でバイトをしながら家族の世話をする生活に満足していたのだが、他にやりたいことがないという彼を心配する母からある提案をされる。
母の知り合いである、建築士・相楽奈津子が、沢方家が昔から世話になっていた小助川医院のレトロな建物をリノベーションして、<シェアハウス小助川>を始めるという。
小助川医院は、二年前まで開業していたが、今は廃業し、母家ではタカ先生こと小助川鷹彦が、五十代にして一人で、隠遁生活。
タカ先生は、大家であるとともに健康面でのアドバイザーを兼ねてもらうことになり、昔から彼を知っている佳人に入居してもらい、これからやってくる入居人たちとのパイプ役を頼みたい、というのだった。
かくしてやってきたのは、五人の男女……大学に入学したばかりの女子大生・橋本恵美里、高校卒業後、書店に就職が決まった細川今日子、大学卒業後、幼稚園の先生になった三浦亜由、レストランのウエイターをしている三十代の大場大吉、そして四十代独身の歯科衛生士・柳田茉莉子。
互いに知恵を出し合いながら、快適に暮らし始めた彼らだったが、さまざまなことが明らかとなって……

家事が得意だけれど、特に目指すものがない十九歳の青年・佳人を中心に、荻窪の元医院を改築したシェアハウスに集う人々を描いたお話。
『東京バンドワゴン』とは、またちょっと違う“家”のカタチでした。
目標を見つけ歩みだした佳人を始め、彼らの今後も気になるところですが、純然たる続編とかはなさそうな感じ、かな(物語の中のシェアハウスはこのまま続くのでしょうが、メンバーが入れ替わってそうなので)。別の作品にちょこっとでもその後の彼らが垣間見れたら、嬉しいかも。

<12/3/26>

『ある一日』いしいしんじ(新潮社)

2012-03-25 | 読了本(小説、エッセイ等)
京都、鴨川にほどちかい古い町屋に暮らす四十代の夫婦・慎二と園子は、十月のある一日を迎えた。
その日は、園子の検診日であり、出産予定日でもあることから、ふたりは産院に出かける。
診てもらった後、まだしばらくかかりそうだと云われ、あちこち寄りつつ、はもを食べ、まつたけを食べた後、破水した園子はふたたび産院へと向かう。
なかなか産まれずに痛みに苦しむ園子に付き添う中で、慎二の思いは産院と西マリアナ海嶺、地球の裏側のチリの坑道まで行きつ戻りつ、彷徨する。そして「いきもの」は……

京都に暮らす四十代の夫婦(いしいさん御夫婦?)に、待望の赤ちゃんが生まれる当日を描いたお話。
出産というこれ以上にないほど現実的な場に立ち会いながらも、はもやうなぎを始めとするさまざまな生物たちに思いは飛んで、どこか幻想的な雰囲気。
最後に記された、園子が書いたバースプラン(どんなお産がしたいと考えているか、という産院に提出した要望書)に込められた思いが、いろいろ切なくて、うっかり泣きそうでした;

<12/3/25>