黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

† 新刊情報(09/07) †

2009-07-31 | 新刊情報
<7月>
7/1
清家未森『身代わり伯爵の失恋』角川書店(文庫:ビーンズ) 

今野緒雪『マリア様がみてる リトル ホラーズ』集英社(文庫:コバルト)
 
7/3
森見登美彦『宵山万華鏡』集英社

7/8
瀬尾まいこ『図書館の神様』筑摩書房(文庫)

7/9
三浦しをん『星間商事株式会社社史編纂室』筑摩書房

7/10
村山早紀『コンビニたそがれ堂 ~奇跡の招待状』ジャイブ(文庫:ピュアフル)

楡井亜木子『世界が終わる夜に奏でられる音楽』ジャイブ(文庫:ピュアフル)  

7/11
森谷明子『矢上教授の午後』祥伝社

三崎亜記『刻まれない明日』祥伝社

7/16
五條瑛『愛罪 “Uxoricide”―R/EVOLUTION 5th Mission 』双葉社(文庫)

7/17
柴田よしき『ドント・ストップ・ザ・ダンス』実業之日本社

門井慶喜『おさがしの本は』光文社

7/中
加藤実秋・野村美月・谷原秋桜子『TEENS' ENTERTAINMENT 97day's wonder 紅桃寮の7日間』ポプラ社

7/23
竹内真『文化祭オクロック』東京創元社

7/25
茅田砂胡『クラッシュ・ブレイズ 逆転のクレヴァス』中央公論新社(ノベルス)

西澤保彦『動機、そして沈黙』中央公論新社

7/26
高村薫『太陽を曳く馬 上・下』新潮社

7/30
海堂尊『外科医 須磨久善』講談社  

7/31
前田珠子『破妖の剣 鬱金の暁闇4』集英社(文庫:コバルト) 
 
7/下
誉田哲也『武士道エイティーン』文藝春秋

須賀しのぶ『神の棘』早川書房 →延期?




『刻まれない明日』三崎亜記(祥伝社)

2009-07-31 | 読了本(小説、エッセイ等)
10年前、街の中心部にあるその場所から理由もなく、3095人の人間が消え去った。その地域は『開発保留地区』と呼ばれ、今でも街はあたかも彼らが存在するように生活を営んでいる。
10年前の事件で消え残り、その時の記憶を失ってずっと町から離れていた沙弓は、久しぶりに帰って来た。そこで、歩行技師に出会った彼女は、一緒に歩かせて欲しいと申し出て……“序章 歩く人”、
外部から越してきたばかりの図書館員・藤森は、第五分館という図書館の存在と、その利用状況を知らせる“第五分館だより”というお知らせが発行されていると知る。
そんな中、人々から“担当者”と呼ばれている西山係長の手伝いをすることになったが……“第一章 第五分館だより”、
10年前に父をなくした16歳の少年・駿には、かつて人々に聞こえないはずの鐘の音が聞こえていた。
そんな彼は、ある日、異邦郭からやってきた少女・鈴と出逢う。共鳴士である彼女は音の歪みを直す役目を負っていた……“第二章 隔ての鐘”、
40歳の誕生日の夜、マンションの屋上で紙ひこうきを飛ばす女性・持田に出逢った坂口。
左手が不自由な彼女は、かつてバスの運転士であったが、今では遠くからバスの光を眺めているのだという。
そのバスとは、ターミナル12番乗り場から出る、23時40分発、開発保留地地区行きのバス。誰も出発する姿を見たことがないが、遠く離れた場所から光だけが見える幻のバスだという……“第三章 紙ひこうき”、
壁に描かれた蝶が、次々と消え始めていた。
裏通りの片隅で奏琴を奏でる宏至の元に、ラジオ局・ひかりラジオで働き始めた沙弓が訪れ、消え始めた蝶の代わりに皆に蝶を描いてもらい、それで街の交流センターを彩りたいという。その提案に反対する宏至は、蝶を描いた<彼女>について語る……“第四章 飛蝶”、
供給管理公社の分局で働く黒田と後輩の梨田。
10年前、異質化した気化思念の漏出を食い止める為、危険を冒してバルブを閉めにいった黒田は、その<後遺症>により、人の記憶に留まれない顔になってしまった。
そんな彼は、事件で失った妻と廃屋で今も逢瀬を続けていたが……“第五章 光のしるべ”、
2年ぶりにこの街に戻ってきた、歩行技師の幡谷。
新たに<ひかり大通り>という道が作られ、その開通前日……“新たな序章 つながる道”を収録。
  
3095人の人間が消えた事件。しかし消えた後も、図書館から本が貸し出され、ラジオ局にはハガキが届いている。それから10年が過ぎ、そんな日々が終わりを告げようとしていた。残された人々の心の再生の物語。
『失われた町』の姉妹編(?)。短編『七階闘争』と同じ世界でもあるっぽい(第三章に出てくるマンションには7階がない)。
それぞれに心の整理をつけ、前に向かって歩いていこうとする姿が良い感じです。

<09/7/30,31>

『少年舞妓・千代菊がゆく! プリンセスの招待状』奈波はるか(集英社)

2009-07-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
舞妓を続けて1年になる千代菊。
誕生日プレゼントという名目で、贔屓の客・楡崎から海外旅行に誘われたが、パスポートで正体がばれてしまう為、一緒に旅行に行く事はできない…とはいうものの、あまり断ってばかりいては、楡崎に失礼だし、と頭を悩ませているところへ、千代菊にロンドン出張の話が舞い込んだ。
それを口実に楡崎との旅行を断った千代菊だったが、結局楡崎は、自分の出張予定を変更してロンドンに追って来た。
そんな中、千代菊が披露する京舞で着るはずだった、伊織からプレゼントされたアネハヅルの振袖が、行方不明に。
前日、千代菊にその振袖のことで話しかけて来た不審な男が怪しいとにらみ、その正体をさぐるが……

ロンドンに出張した千代菊の着物が盗難に…というお話。
犯人の某氏は、自分の作ったドレスが盗まれて、思い余って似た柄の千代菊の着物を盗んでますが(盗む前に、事情を話して頼み込む、という選択肢を選ばないあたり、人としてどうかと…)、結局何だかその辺が有耶無耶になった形になってるのは微妙…。

<09/7/29>


『星間商事株式会社社史編纂室』三浦しをん(筑摩書房)

2009-07-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
1964年に創立した中規模商社である、星間商事に勤める川田幸代は29歳…友人・英里子と実咲と共に創作JUNE系のサークル<月間商事>で、同人誌制作&販売するのが趣味である。
そんなプライベートを充実させるべく、あえてエリートコースから外れた彼女が配属されたのは、実質的には左遷部署である<社史編纂室>。
そのメンバーは、定年間際の本間課長、合コン大好きな先輩・矢田、後輩のみっこと、誰もその姿を見たことがない幽霊部長の計5人。
60周年記念社史となるはずだったものの、結局創立60周年を過ぎた今も完成されていない。それでも取材を続ける幸代たちだったが、そこに何故か妨害が。
そんな中、会社のコピー機でコピー誌を印刷している所を、課長にうっかり見つかってしまった幸代。おまけに彼が同人活動に興味津々で、編纂室でも同人誌を作ると言い出して……

いわゆる腐女子の幸代が、社史を編纂するという地味な部署の中で思いがけず会社の秘密となっている部分に行き当たってしまって、それをある方法で明るみに出そうと部署の皆で盛り上がる展開の中に、実咲が結婚を機に同人活動の進退を迫られ友情関係が微妙になったり、幸代が同棲中の放浪癖のある恋人との仲も微妙になったりする話の他、作中作で幸代の同人原稿(リーマンBL)が入ったり、サリメニ国で昔書かれたロマンチック小説の原稿(偽者)が入ったり、いろいろ楽しい感じ(笑)。
……職場の人に同人活動が知られるって、想像するだにちょっと怖すぎですが(笑)。

<09/7/28>

『芙蓉千里』須賀しのぶ(角川書店)

2009-07-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
明治40年。辻芸人だった親に捨てられた少女・フミは、大陸一の女郎になるという太志を抱き、自ら人買いの後について、日本から遠く離れた、露西亜の哈爾濱へとやってきた。
中国人街・傳家甸にある娼館『酔芙蓉』で働き始めた彼女は、身につけた角兵衛獅子の技と天性の踊りのセンスから、一緒に店にやってきたタエの願いを受け、芸妓の道を歩むことに。
そんな彼女は、たまたま出逢った山村という男に惹かれながらも、彼女を水揚げした男爵の次男である黒谷貴文とも関わることに……

女郎になるべく露西亜に渡った少女フミのお話。
女郎たちのお話ですが、宮木さんのお話ほど生々しさはないかも。
激動の時代の中で、これから彼女がどんな人生を歩むことになるのか、続編も楽しみです♪

<09/7/26,27>


『白雪堂』瀧羽麻子(角川書店)

2009-07-25 | 読了本(小説、エッセイ等)
基礎化粧品ライン<シラツユ>が看板ブランドの中堅化粧品会社・白雪堂。自らも愛用し、憧れていたその会社に新卒で就職した峰村幸子。
しかし不況の影響で、看板商品の売れ行きは先細る一方。そんな中、ブランドの若返りを図るプロジェクトに抜擢された彼女は、あれこれ策を提案するもマダムを始めとする上層部は、なかなか頭が固い。
やがて、シラツユに妹ブランドを作る、というプランを立ち上げた幸子たち。ところがそれが軌道に乗り出した矢先、イメージガールとして起用しようとしていた女優が、大手化粧品会社に横取りされて……

乙女系経済小説、らしい(笑)。
ちょっと書き込みが足りない感があるので、中途半端かなぁ;
せっかくだからもうちょっといろいろ突っ込んで書いて欲しかったかも…。

<09/7/25>

『人生問題集』春日武彦、穂村弘(角川書店)

2009-07-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
片や、屈託と疎外感をチャーミングの域に押し上げ、全国の女子に絶大な支持を得てしまった歌人・穂村弘氏、片や、自慢じゃないが私も充分おかしいと胸を張る辣腕精神科医・春日武彦氏。
そんな2人が、『愛』『孤独』『友情』『家族』等々のテーマについてあれこれ語る対談集。

真面目に語っているはずなのに、2人が2人なので(似た者同士/笑)ちょっと異色な人生論が楽しいです。

<09/7/23,24>