黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

† 新刊情報(13/02) †

2013-02-28 | 新刊情報
<2月>
2/9
菅野彰『女に生まれてみたものの。』新書館(文庫:ウィングス) 

菅野彰・立花実枝子『あなたの町の生きてるか死んでるかわからない店探訪します』新書館(文庫:ウィングス) 

2/中
小路幸也『蜂蜜秘密』文藝春秋

2/18
大山淳子『猫弁と指輪物語』講談社 

2/19
日明恩『やがて、警官は微睡る』双葉社 

高野史緒『ヴェネツィアの恋人』河出書房新社 

2/20
宮木あや子『太陽の庭』集英社(文庫) 

2/21
大倉崇裕『福家警部補の報告』東京創元社 

2/22
三木笙子『竜の雨降る探偵社』PHP研究所 

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~』アスキー・メディアワークス(文庫)  

2/25
三崎亜記『玉磨き』幻冬舎  

2/28
川上弘美『なめらかで熱くて甘苦しくて』 新潮社 

2/下
吉田篤弘『なにごともなく、晴天。』毎日新聞社 



『飛行士と東京の雨の森』西崎憲(筑摩書房)

2013-02-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
音楽ディレクター・下川の事務所に、六国という男がやってきた。
去年の秋、ビルの屋上から飛び降り自殺したという自分の娘の為に、彼女が好きだったものをモチーフとしたプライベートCDを作って欲しいという。二千万という多額の報酬で依頼で引き受けた下川。
彼から提示されたのは、10個の条件……
彼女が昔住んでいたという父方の親戚のある<美野>という村。
祖母から引き継がれた古いワンピース。
ドイツの教会のステンドグラスの前で写る彼女自身の写真。
母の実家の窓のステンドグラスの欠片。
小学生の頃。伝染病で隔離されていた折に看護婦から貰ったインディアン娘の像。
可愛がっていた文鳥の羽根。
亡くなる際、揃えた靴の上に置かれていたオルゴールのシリンダー。
シモーヌ・ヴェイユの『重力と恩寵』。
写真集『理想的な月の写真』。
そして、死の寸前まで恐怖に駆られていたらしい彼女へ、「怖いものなど何もない」ということを示すものを。
それらの意味を探るため、彼女の軌跡を辿り、音楽を作り上げてゆく下川……“理想的な月の写真”、
ぼくが手に入れた『威爾斯航空史』という、ウェールズの航空史を著した一冊の本。著者の安藤一助という名から、大学時代の友人・安藤一太の名を想起したぼく。それから一年以上過ぎた頃、久々に合う機会があった安藤から、安藤家にまつわる話を聞く。
日本人を父に持つウィールズに生まれた娘・ノーナ。4歳の時、仕事で日本に戻っている時に事故で父は亡くなり、母アウェラに育てられたが、母も14歳の時に病で亡くなってしまった。おばの家に引き取られたノーナ。
そんなある日、母宛に日本から届いたはがき。イッセイアンドオという人物からで、父の血縁者であるらしい。
日本へと思いを馳せるようになったノーナは……“飛行士と東京の雨の森”、
ある男と女の話。ある一夜。高速道路である。
男はいま都市に向かっている。時速108キロ。女はいま郊外に向かっている。時速105キロ
三年後出会い、十一年後離婚するふたり……“都市と郊外”、
両親を亡くした後、体調不良により休職しているテツオ。
カメラを手にし、写す光景は、どこか淋しさを感じるものばかりだった……“淋しい場所”、
友人の村内から聞いた、繰り返し思い出す光景のこと。それは天井からぶら下がっている白い紐だという……“紐”、
かつて高校時代の友人・越智直己(ナイキ)と、<モートスプーン>というバンドでメジャーデビューをしていたが、音楽を楽しめなくなり脱退。今は書店で働いているイケ。
ある日、姉が子宮筋腫の手術を受けることになり、その間、小学三年の娘・モナミの絵画教室への付き添いを頼まれた。
ひょんなことから、その教室の先生・時田町子が音楽をやっていることを知ったイケ。彼女がやっているユニットでギターを弾いて欲しいと頼まれ……“ソフトロック熱”、
義母が亡くなって五箇月ほど経った頃、家の中で不便を感じ、良家の夫人・芙巳子は奴隷を買うことを思いついた。
夫の聡の賛同も得、あちこちあたる中、大手町の奴隷市場で、彼女が理想とする若い男の奴隷を手に入れることができたが……“奴隷”の7編収録。

『理想的な~』が中編。他は短編。どれも淡々と語られ、どこかひんやりとした手触りと静謐さを感じる作品。
『理想的~』は、既にいない人、という閉じられた匣の中を推理するような趣。このCD、ちょっと聴いてみたいかも…。
『奴隷』は、合法的に奴隷が売り買いされる世界での話。あたかもペットやモノのように表現されてるのが衝撃的ですが(しかも淡々とした口調で)、かつての奴隷制度が生きていた時代の上流階級の感覚というのはこんな感じだったのかも。

<13/2/27,28>

『東京の空の下オムレツのにおいは流れる』石井好子(河出書房新社)

2013-02-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
世界中で愛されるロールキャベツ。「好子はおいしそうにたべる」と語っていた父。食いしん坊だからと料理の随筆を書いてはどうかと勧められ、ベストセラーになった著書『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』にまつわるあれこれ。スペインの浜辺でパエリャに舌鼓。カポーティのベイクドポテトに想いを馳せ、なべ料理に亡き夫を思い出す……食にまつわるエッセイ集。

『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』の姉妹編。
食を楽しむ石井さんの様子が、いきいきと描かれていて素敵。
出てくるお料理がどれも美味しそうでした~♪

<13/2/25,26>

『あかにんじゃ』穂村弘(岩崎書店)

2013-02-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
おしろにあるひみつのまきものをねらってしのびこんだあかにんじゃ。
しかしさむらいたちにあっというまにみつかり、おいつめられたところで、どろんどろーんとかわりみのじゅつ。からす、ちょうちょ、おじさん、そして……

なにしろ真っ赤なので目立ちまくりな、あかにんじゃ。おっかけられて、次々に違うものに変身していくというおはなし。でもみんな赤い、という(笑)。
オチが素敵♪

<13/2/26>

『坂木司リクエスト!和菓子のアンソロジー』小川一水ほか(光文社)

2013-02-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
デパ地下に入っている和菓子屋で店員をしている、梅本杏子。
ある日、母に誘われ出かけた別のデパートの全国駅弁大会。同時開催だった和菓子のフェアに出ていた金沢の和菓子屋のところに、クレーマーめいた男性客がいるのを見かける。その客の呟いた<飴細工の鳥>という言葉の真意とは……坂木司『空の春告鳥』、
警察官ながら特別な任務を負う、財務捜査官・宇佐見圭は、藤吉という和菓子屋の月替わりでフルーツが替わるどら焼きに惚れ込み、たびたび通っていた。
やがて店主の妻・妙子に話しかけられ、警察官だということを明かすと、相談に乗って欲しいことがあると、詰め寄られた。店主には家業を手伝う長女の文子の他に、別の職についている次女の里香がいるのだが、その里香が、バーの韓国人のウェイターに入れあげて、金をつぎ込んでいるのだという……日明恩『トマどら』、
かつて日本料理店を営んでいた父。性格に軽薄なところがあり、そりが合わず、疎遠だった<ぼく>。やがて父は病で亡くなり、店を畳んだ。
ぼくは昔の友人にだまされて、多額の借金を負い、妻や高校生の息子も家を出てしまった
首を吊ろうと、今は人手に渡った父の店にやってきたところ、そこで父の幽霊に遭遇してしまい……牧野修『チチとクズの国』、
働きづめの日常に疲れ、モロッコへとやってきた<わたし>。
そこで、子供の頃一時期預けられていた、美しかった京都の祖母のことをよく思い出していた。
そんな中、道に迷った日本人森崎夫妻と遭遇して助けたわたし。その後、彼らから貰った和菓子は、子供の頃に食べた懐かしい和菓子・松露で……近藤史恵『迷宮の松露』、
百合が原高原で、カフェSon de ventを営む奈穂。
ある日、リリーフィールド・ホテルの場所を訊く美人が通りかかり、道を教えたが、その後、彼女がテレビで活躍する経済評論家の安西美砂だと知る。
そんな中、奈穂の店によく来る村岡涼介と、一緒にやってきた彼の先輩・井村。井村の実家は老舗の和菓子屋で、淡雪羹に懐かしい思い出があるという……柴田よしき『融雪』、
母親に連れられ、病院の精神科のひきこもり相談室にやってきた、引きこもり男・森田裕樹。
母にいらつき、駆け出したが敷地内で迷ってしまった森田。そこで出会ったのは、彼が憧れていた元アイドル・鴻島りりだった。彼女とその仲間たちと共に和菓子を作ることになり……木地雅映子『糖質な彼女』、
北の町で和菓子屋をしていた菓子職人父と共に、千二百年の王城の地・和菓子の宮古を目指して、途中で菓子づくりをしつつ旅をしていた工次。
やがてひとりの少女・チョコと遭遇。彼女も旅に加わるが……小川一水『時じくの実の宮古へ』、
戦地でたまたま遭遇した七尾と杉本。逃げ回りながら食べ物について語り合った。
杉本は、かつて長門渓谷に釣りに出かけた折に出会った、古入道という自然現象めいた不思議な妖怪と、世話になった老婆からご馳走になった夜船(おはぎ)の話を語る。
その後、会う事はなかった二人。生き残った七尾は……恒川光太郎『古入道きたりて』、
作家である<わたし>が世話になっている編集者・向井美菜子は、数年前に病で、高校の国語教師だった夫を亡くしていた。
新刊にサインする為、出版社に出かけた折の雑談の中で、その夫が病床で両親が好きだったという葛ざくらと黄身しぐれを所望したが、その包み紙に「しりとりや 駅に かな」と書き、空白部分に黄身しぐれを置いたのだという話を聞いた。夫の謎掛けの意味とは……北村薫『しりとり』、
新婚の伊藤と百絵のマンションに、大学時代からの仲間である友人たち…緒方、森、大塚が集まった。
同じく仲間だったが、しばらく疎遠になっている御岳智則から、伊藤の元に久しぶりに連絡が入った話をする。顔がよくて背も高く裕福な家に生まれた御岳。頭も良くて、今はある企業の研究職に就いているのだが、そんな彼に結婚を考える女性が現われたというのだ。相手は同僚の橘という女性。
試験も兼ねた婉曲な求婚方法として、上菓子七品(すすき・女郎花・蓮・萩・桔梗・撫子・菊)を贈ったが、彼女からの返事は、麦縄菓子と時雨羹、花のような上菓子二品だったという。その意味がわからずに悩んでいるという御岳から、一方的に謎解きを頼まれた伊藤は、それを皆に相談する……畠中恵『甘き織姫』の10編収録。

和菓子をテーマにしたという珍しいアンソロジー。
坂木さんが自分が書いて欲しいと思った作家さんをリクエストして、実現した企画だとか。
いろんな舞台で登場する和菓子が面白いです。松露がちょっと食べてみたい…(笑)。

<13/2/23,24>

本なお茶会・その21@古書真昼造船

2013-02-24 | おでかけ
 前回同様、ちょー悪天候(笑)。
 今回のテーマは「寒い日は、赤い本を持って集まろう」ということで、あらゆる意味において赤い本を持ち寄りました。参加人数は7名。

 ビジュアル的には絵本、怪談本、人形写真集など、内容的には革命本、吸血鬼本などなど。バラエティに富んだ内容でした。
 時間切れで途中で帰りましたが、その後1時間ほど続いたとか(笑)。


 わたしは『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ』(浅倉卓弥)、『薔薇の葬儀』(マンディアルグ)、『アナ・トレントの鞄』(クラフト・エヴィング商會)の3冊。ストレートに見たまま、真っ赤な装丁の本ばかり。

 おやつは、トゥジュールさんのなんらかのムース(おそらくフランボワーズ等ベリー系とバニラですが/笑)。