黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『東京奇譚集』村上春樹(新潮社)

2005-11-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
ゲイのピアノ調律師が語る彼に起きた出来事。学生の時に、姉の婚約者に彼の性癖がバレたことが原因で、姉と仲違いし、以降交流の途絶えたという2人。
そんなある日、彼はある人妻と知り合ったことから、数年ぶりに姉へ連絡をとろうと思い立つが……『偶然の旅人』、
鮫に襲われ、サーファーの息子を亡くしたピアニスト・ハナ。その後何度となく彼の亡くなったハワイを訪れるようになった彼女は、そこで2人組の日本人青年と知り合うが……『ハナレイ・ベイ』、
高層マンションの階段で忽然と姿を消した夫。そんな彼を探してほしいという妻の依頼を受けた男は、件の階段を何度も往復し……『どこであれそれが見つかりそうな場所で』、
あるパーティで謎の女性に出会った若き作家。彼は自分の書いている小説について語るが、彼女は自分のことをあまり語ろうとはせず……『日々移動する腎臓のかたちをした石』、
安藤みずきは、自分の名前を忘れるという症状に見舞われるようになった。彼女の住む品川区で“心の悩み相談室"が設けられていることを知り、その症状について相談に行くが……『品川猿』の5編収録。

『品川猿』だけは、いきなり非現実的(というかファンタジック)な展開になってますが……まあ奇譚集だし(笑)。

<05/11/30>

『つきのふね』森絵都(角川書店)

2005-11-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
ある事件から、心ならずも親友・梨利を裏切ってしまった中学生・さくら。気まずい雰囲気が漂う2人の理由を知ろうと、梨利に思いを寄せる勝田が、さくらをしつこく追い回しはじめた。
それに加え、進路や万引きグループとの確執に悩む孤独な日々の中での唯一の心の拠り所は、以前彼女を救ってくれたスーパーの店員・智。彼は、人類を救う為の宇宙船の設計に勤しんでいたのだが、静かに精神を病んでいく。さくらと同じように彼のアパートに入り浸るようになった勝田と共に、彼を救おうと奔走するのだが……。

最初に思い描いていた内容とは大分違っていたのですが、とてもよかったです♪(特にラスト)
できれば主人公たちと同じ年代の子たちに読んで欲しいお話かも。

<05/11/29>

『うさしくん 2』南野ましろ(新書館)

2005-11-29 | 読了本(漫画)
まっしろいうさぎのうさしくん。
丘の上にあるちいさな家で、ともだちみんなで住んでます。たかーい空をめざしたり、ショードーをおさえたり……そんなうさしくんたちの毎日を描くほのぼのショートストーリィ。

やっぱり、(猫の)にゃみの『ぴるぴる』が可愛いです~~っvv
あと寝相が悪くて、何故か何度戻しても、寝てる(犬の)わんとの上に乗っかってるところとかが結構微笑ましくってツボでした。
新キャラのかっぱも楽しいです……川流れてるし(笑)。

<05/11/29>

『陰陽師 瀧夜叉姫 下』夢枕獏(文藝春秋)

2005-11-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
晴明と博雅は、俵藤太や賀茂保憲らとともに、20年前の平将門の乱により斬首された彼にまつわる謎を追ううちに、彼の首を焼いた遺灰を一部盗んだ者がいることを知る。
一方、将門の娘・滝子を擁した興世王は、貞盛の身体から復活を遂げた将門の首を、20年前斬られた身体に繋ぎ、京を掌握せんと画策する。
裏で暗躍する興世王の正体とは……。

物語としてはおもしろかったですが、滝子はタイトル(『瀧夜叉姫』)になるほどの存在感を発揮してなかったような気が。将門とか俵藤太あたりの方が存在感が大きいですね。……若干、博雅の影も薄いような気もするのですが(笑)。
道満のジョーカー的なキャラクタが遺憾無く発揮されたあたりが、ちょっとおもしろかったです。

<05/11/27,28>

『陰陽師 瀧夜叉姫 上』夢枕獏(文藝春秋)

2005-11-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
参議・小野好古の屋敷に、おかしな盗賊が現れたという……雲居寺からあずかったものを出せというのだが、彼には何の心あたりもない。
一方、平貞盛が顔の半分を覆うほどの酷い瘡を煩っているという。それはある刀傷を中心に広がっていた。
京を覆う不穏な闇。その陰には、平将門の復活を目論む者達が。そして、それらに関わることになった晴明たちは……。

陰陽師シリーズ長編。
マンガ版はどこまで読んだかわからなくなってしまったので挫折してますが(笑)、読んでいるときのヴィジュアルイメージは実写版ではなくて、何となくマンガ版(笑)。

<05/11/27>

『クラッシュ・ブレイズ パンドラの檻』茅田砂胡(中央公論新社)

2005-11-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
連邦大学惑星にいたケリーは、刑事から自分が告発されていることを知らされる……製薬会社の女性を乱暴し逃亡した産業スパイが、彼の名を騙り、同じ顔をしているというのだ。
その疑いを晴らすべく警察に出向いたケリーだったが、やがてその事実をジャスミンに知られ、大騒ぎ。
鑑定の結果、潔白を証明されたケリーだったが、問題の製薬会社に拉致されてしまう。どうやら目的は彼の過去にあるようで……。

今回は、ジャスミンと『いっぺん死んだ組』(笑)が大活躍なお話。敵役の最期がちょっとあっけなかったかなぁという気がしなくもなかったり;
挟み込みチラシの『とてもかたよった人物紹介』にちょっと笑ってしまいました。

<05/11/26>

『手折られた青い百合 歓楽の都』駒崎優(角川書店)

2005-11-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
ロンドンの自治地区レーンは『歓楽の都』。そこの住人であるショウは、美しくも誇り高いトップクラスの『宝石』の少年。
ある日、レーンに新しい医師レイがやってきた。貴族出身らしい穏やかなその青年と、しだいに親しくなっていくショウ。
そんな中、レーンに媚薬と称する怪しげな薬が持ち込まれ、宝石たちの間にも被害者が相次ぐ。ショウはレイと共に、薬物の密売ルートを暴く為、調査を開始するが……。

先日古本屋で購入。
ショウがちょっと乙女(笑)でかわいかったです(笑)。
今後の展開に期待……な感じでしょうか?

<05/11/26>

『妖怪アパートの幽雅な日常 3』香月日輪(講談社)

2005-11-25 | 読了本(小説、エッセイ等)
妖怪アパートで暮らし始めて2年目。高校2年生になった稲葉夕士は、手に入れた魔導書『小ヒエロゾイコン』を使いこなすべく、修業の日々。
そんな中、彼の通う高校の講堂の倉庫に幽霊が出るという噂が。そして新任の教師・三浦の様子がおかしい。
確かめにいった倉庫で、友人の田代らと共に見たものとは……。

うっかり読み忘れていた3巻を読みました(笑)。
今回の名言は“本当に尊敬できる大人は少ない。『年を食っただけの奴』はたくさんいるが、それは『大人』ではない"かなぁ。ホントに……ねぇ;

<05/11/25>

『此処彼処』川上弘美(日本経済新聞社)

2005-11-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
近所の川べりからマダガスカルの森まで……。『場所』にまつわる思いを綴るエッセイ集。

『東京日記~』に続いてのエッセイでしたが、前作とは趣向の異なった感じで楽しめました。
この2冊で、これまで知る機会のなかった川上さんのお家の様子なども垣間見えて微笑ましかったです。
個人的に、文中に登場した“作家になった後輩”が誰なのかが、ちょっと気になっていたり(笑)。

<05/11/24>

『それゆけ、ジーヴス』P・G・ウッドハウス(国書刊行会)

2005-11-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
ジーヴスの初登場作品『ジーヴス登場』、画家志望のコーキーが婚約者を保護者である叔父に紹介するのに力を貸す『コーキーの芸術家稼業』、レディ・マルヴァーンから息子を預けられる『ジーヴスと招かれざる客』、友人が伯父に小遣いを止められそうになるのを助ける『ジーヴスとケチンボ公爵』、 伯母に頼まれニューヨークの様子を書き綴ることになった友人に手を貸す『伯母さんとものぐさ詩人』、気の迷いから婚約してしまったビッフィーを助ける『旧友ビッフィーのおかしな事件』、刑務所に入った友人に代わり、彼になりすましの彼の伯母の友人宅を訪れることになる『刑の代替はこれを認めない』、婚約者にフラれ、傷心の友人フレディーの為に尽力する『フレディーの仲直り大作戦』、伯母が主宰する雑誌に掲載されることになった友人ビンゴの妻の告白文。その掲載を阻止しようとする『ビンゴ救援部隊』、ジーヴスの視点から描く『バーティー考えを改める』の10編収録。

ジーヴス視点の話が、かなり楽しいです……“雇用主は馬と同じ"って(爆笑)。

<05/11/23>