黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『海の底』有川浩(メディアワークス)

2005-07-31 | 読了本(小説、エッセイ等)
米軍横須賀基地の一般公開の日に行なわれる桜祭りの最中、巨大甲殻類の集団が来襲。
警察、機動隊が苦戦する中、多数の死傷者が出し、街はパニックとなる。
折りしも、米軍基地内の埠頭を借りて停泊していた海上自衛隊潜水艦『きりしお』の艦内にいた、艦長および実習幹部・夏木、冬原の3人は、逃げ惑う十数人の子供達を発見。艦内に無事誘導するが、その際に艦長は犠牲となる。
潜水艦の中に閉じ込められることになった15人、そして横須賀の運命は?

おもしろかったです~♪
前作でもそうでしたが、巨大甲殻類に襲われるというトンデモな設定なのに、ちゃんと真面目な内容になっているのがすごいです(笑)。

<05/7/31>

『アナ・トレントの鞄』クラフト・エヴィング商會(新潮社)

2005-07-31 | 読了本(小説、エッセイ等)
昔憧れた、映画『ミツバチのささやき』の主人公アナ・トレント嬢の鞄。
その鞄を仕入れるべく、古今東西、あらゆる時空へ向けての旅に出た、クラフト・エヴィング商會が見つけた『鞄』の中身に相応しい不思議な品々のカタログ。 

『おかしなレシピ』とか『マアト』とか気になります~vv
映画『ミツバチのささやき』を知らないので、機会があったらちょっと見てみたいです。

<05/7/31>

『ダウン・ツ・ヘヴン』森博嗣(中央公論新社)

2005-07-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
戦闘機乗り・草薙水素は、戦闘中怪我をし入院させられた病院で、少年・カンナミに出逢う。
その後退院した草薙だったが、ただ空で戦うことを願う彼女の心とはうらはらに、地上の人間達の思惑によりしばらく地上にとどまることに……。
そしてティーチャとの再会……。

後半で空を飛んでいる姿が、水を得た魚のように生き生きとしているだけに、地上での姿が痛々しくすら感じます。……そして、そんな心の風景を表したような、今回の装丁は曇り空。

<05/7/29,30>

『犬はどこだ』米澤穂信(東京創元社)

2005-07-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
勤めていた銀行を病気の為に辞めざるを得なかった紺屋は、犬捜し専門の調査事務所<紺屋S&R>を始めた。
ところが開業早々舞い込んだ依頼は、何故か失踪人の捜索と古文書の解読。しかも昔の後輩・ハンペーは、探偵志願で、紺屋に雇ってくれといってきて……。

いつもとは違うテイストのお話でしたが、おもしろかったです~。(帯および見返しのあらすじ文にある)『青春』かどうかは微妙な感じがしますが(笑)。
展開的にはだいたい先が読めましたが、最後の最後がちょっと意外(『間に合う』と思ったんですけどね~/笑)。
帯に『最初の事件』とありますし、続編が楽しみです♪
GENさんの正体とかも気になりますし……。

<05/7/30>

『風味絶佳』山田詠美(文藝春秋)

2005-07-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
鳶職の青年・雄太を隅から隅まで慈しみ、彼の為なら何でもする年上の女・加世。そんな彼女がいながらも、タイプの違う恋人・花とも付き合いを続ける彼……『間食』、清掃作業員の紘に出逢い、家を出た元主婦・美々は、彼に食べさせる為の料理に心血を注ぐ『夕餉』、真っ赤なカマロの助手席にボーフレンドを乗せ、ガソリンスタンドで働く志郎の元を訪れる祖母・不二子。やがて彼の恋人と不二子も親しくなるが……『風味絶佳』、離婚してマンションを出る母子。その時に引越し業者として訪れたのは、母・小夜子の幼馴染・作並だった。『海の庭』、排水溝掃除の専門業者・裕二は、性格の暗い女性・麻子と知り合い、彼女を妻に迎えるが……『アトリエ』、思いを寄せていた大学の同級生・弥生が、葬祭業者の自分の父・梅太郎と再婚し……『春眠』。偏執的な愛を描く6編。

『夕餉』で出てくる食べ物がとても美味しそうでした。自分の作ったもののが好きな人の血肉になる、というのは多分に官能的な感じがしますね~。

<05/7/28,29>

『SILVER DIAMOND 6』杉浦志保(冬水社)

2005-07-28 | 読了本(漫画)
主匪たちとうち解け、一緒に異世界を緑に変えるたびをすることにした羅貫。異世界の地図も手に入れ風呂も頂いたその夜、また新たな事件が。
「……大地は壊れ、世界はこまかな破片となる」
皇子の下した滅びの予言が異世界を襲う時、羅貫たちの取った行動とは……。

しりとりバトル(笑)を繰り広げる、番外編の「それは舌戦。」が爆笑でした。

<05/7/28>

『お縫い子テルミー』栗田有起(集英社)

2005-07-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
昔から居候暮しで、自分の枕を持たずに育った照美。15歳になった年、それまで住んでいた南の島を離れ、東京の歌舞伎町で働き始める。そこで知り合った女装の麗人・シナイちゃんに報われない恋をし、彼との出逢いにより流しの仕立て屋、お縫い子テルミーとして歩き始める……『お縫い子テルミー』、
親が離婚し、母に引き取られたコマこと小松誠二。ある時、体操着をなくしてしまい、その代金を工面する為、ひそかに留守番のバイトを始めた彼だったが、思わぬトラブルに巻き込まれてしまい……『ABARE・DAICO』の2編。

印象的なタイトルが多い栗田さんの作品……前作『ハミザベス』と、この本の背表紙を図書館の書架で見かけるたびに気になっていたのを、ようやく読みました(笑)。
……内容もとても印象的です♪

<05/7/27>

『クラッシュ・ブレイズ ヴェロニカの嵐』茅田砂胡(中央公論社)

2005-07-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
体験学習で惑星ヴェロニカへと降り立った総勢12人の少年少女……そこにはリィとシェラも含まれていた。
ところが、そこは彼等が目指していた星ではなく、別の無人の星であることが明らかになる。電気も水道もない環境で彼等はサバイバル生活を余儀なくされるが……。
何故彼等は違う星に連れてこられたのか。その意図とは?

今回はいつもとちょっと趣きが変わり、サバイバルものの小説のようですが、2人はやはりいつもの如く…(笑)。

<05/7/26>

『比類なきジーヴス』P・G・ウッドハウス(国書刊行会)

2005-07-25 | 読了本(小説、エッセイ等)
育ちの良さか、頭は悪くないはずなのにちょっと抜けている高等遊民、バーティー・ウースター。そんな彼に仕える執事・ジーヴスは、とっても有能。
日常生活に関わることはもちろんのこと、すぐにバーティーを頼ってくる恋多き友人、ビンゴ・リトルをはじめ、従兄弟でいたずら好きの双子のクロードとユースタス、世話好きのアガサ伯母さんらが持ち込む諸問題をたちどころに解決!

バーティーが、自分が気に入らない趣味の服を買おうものなら、さりげなく排除しちゃったりするジーヴス(笑)。
バーティーが主人のはずなのにジーヴスに頭が上がらないあたりが、ちょっと笑いを誘います(笑)。

<05/7/25>

『トリニティ・ブラッド Canon 神学大全』吉田直(角川書店/スニーカー文庫)

2005-07-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
第一部『正典』では、神父トレスの外伝『ガンメタル・ハウンド』『ヒューマン・ファクター』の短編2編と、書き始められていた『R.O.M.Ⅶ 極光(オーロラ)の牙』の序章を収録。
第二部『神学』では、構想メモや設定資料を基に、ついに書かれることのなかった物語の<始まり>と<終わり>を解説。
そして第三部は、用語集『大聖典』……の三部構成からなるトリ・ブラ世界の補完本。

吉田さんが亡くなられて早いものでもう一年が経ちました。
構想等を読むにつけ、この世界が最後まで描かれずに終わったことが、本当に残念でなりません(一番無念なのは、ご本人でしょうけれど/涙)。

<05/7/24>