黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『QED 河童伝説』高田崇史(講談社)

2007-04-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
成田山近くの病院に勤務するようになった薬剤師・神山禮子。そんな彼女に一目惚れし、ストーカー行為をしていた男・安岡昭二が、左手首が切断された死体となって、強羅川から発見された。
昭二の兄・良一が勤務する小高製薬では、新薬の販売をめぐり、他の製薬会社に打ち勝つべく、禮子が勤務する病院にもプッシュしていた。
一方、棚旗奈々と妹の沙織、桑原崇や小松崎良平らと共に、相馬野馬追祭を見に行く旅行を計画。しかし当日、崇は寝坊した挙げ句、さらに岩手で知人を訪ねた後に彼らと合流。
そんな中、第二・第三の事件が起き……

河童に関する解釈が、興味深かったです~。

<07/4/30>

『吉原手引草』松井今朝子(幻冬舎)

2007-04-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
吉原で、その美貌と人気を誇った舞鶴屋の花魁・葛城が、突然姿を消した。
引手茶屋の内儀、舞鶴屋の店の者たち、幇間やひいきの客、女芸者、女衒…等々、彼女を知る17人の人々から話を聞いて回る、謎の男。
その証言から見えてくる“真実”とは……

中心である葛城自身が語ることはなく、その周囲の人々から聞き取った話で、葛城の姿を垣間見る趣向になっているのがおもしろいです♪

<07/4/29>

『朝日のようにさわやかに』恩田陸(新潮社)

2007-04-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
ヨハンが通う学園の中で、おかしなゲーム『笑いカワセミ』が流行。そんな中、童謡に見立てた事件が起き……『水晶の夜、翡翠の朝』、
それはどこへの案内なのか……『ご案内』、
ラジオ番組“あなたと夜と音楽と”のパーソナリティ、マサトとミナ。最近放送局のあるビルの入り口に不思議なものが置かれるようになり……『あなたと夜と音楽と』、
何十年も前に、老人から“冷凍みかん”を託された彼ら。そのみかんを溶かすと、大変なことに……『冷凍みかん』、
自分が生まれる前になくなったはずの、母方の祖母にあったことがある……『赤い毬』、
深夜。性悪なワゴン“ヘイスティングス”を押して料理を運ぶホテルのボーイ。その行く先には……『深夜の食欲』、
彼がそのボタンを押した訳とは……『いいわけ』、
バケモノ屋敷と呼ばれる家にやってきたA君とT君。そこで彼らが見たものとは……『一千一秒殺人事件』、
病院に入院している“ユウくん”に、白雪姫のおはなしを語る父親だったが……『おはなしのつづき』、
冬の晩。ノートに“ある作品”への思いを綴る少女……『邂逅について』、
淋しい王様の住む淋しいお城。王様の家来である“みどりおとこ”が淋しい子供を攫ってつれてくるという……『淋しいお城』、
高校時代の友人、幸弘が亡くなった。彼は、友人4人に自筆の原稿を遺していた……『楽園を追われて』、
16歳までになる午前0時まで逃げれば生き延びることが生き残ることができる少女たち……『卒業』、
子供時代に預けられていた親戚の家で聞いた男女の声は……『朝日のようにさわやかに』の14編収録の掌編&短編集。

ホラーからSF、ミステリと幅広い作品を集めた、バラエティに富んだ作品集。あとがきを読んで気づきましたが、確かに恩田さんの短編集ってあまりなかったですね~(笑)。
『水晶の夜~』は理瀬シリーズの番外編・ヨハンの話。ラストの彼の黒ーいところが楽しいです(笑)。

<07/4/28>

『少年舞妓・千代菊がゆく! 恋ごころふたたび』奈波はるか(集英社)

2007-04-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
聖ジョージ学院の囲碁部に入っている美希也は、たまたま学校を訪れた高校生プロ棋士・紫堂薫と再会。
紫堂は、美希也のもう一つの姿、舞妓・千代菊が恋する相手だ。男として紫堂と親しくなり、複雑な心境ながらも嬉しく思う美希也。
そんな中、芸舞妓たちが通う囲碁講座の講師が怪我をし、急遽代役として紫堂を引き受けることに。結局、講師の怪我は重く、正式に代わりの人間を立てることになったが、すっかり紫堂のファンになった芸舞妓たちは、彼を推す。
しかし、もう一人立候補した青年・稲森亘は、最近囲碁・将棋に親しんでもらう為にできた“和みサロン”を開くなど、祇園町が世話になっている、百貨店のオーナーの息子で、そちらの顔も立てねばならず、板ばさみになる千代菊だったが……

今回は千代菊としてよりも、美希也としての動きが割と多めかも。
千代菊も可愛くて好きですが、将来彼がどんな風に成長していくのかも、楽しみですね(笑)。

<07/4/27>

『鹿男あをによし』万城目学(幻冬舎)

2007-04-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
神経衰弱を疑われ、研究室の教授から、2学期のみの期間限定で奈良の女子高の教師を勧められた“おれ”。
しかたなく赴任したものの、何故か初日から自分を敵視する女生徒・堀田イトがいて、戸惑うことばかり。
そんな9月の終わり、「さあ、神無月だ……出番だよ、先生」と告げる鹿が目の前に現れる。
鹿曰く、“運び番”に選ばれたという彼に“目”と呼ばれる宝を、狐の“使い番”から受け取ってこいという。
訳も分からぬまま、いうとおりにした彼だったが、件の品は受け取れず仕舞。
大阪・京都にある姉妹校と3校で行われる“大和杯”の優勝プレートが、“サンカク”と呼ばれており、どうやらその“目”であるらしいのだが、それを手に入れるためには、彼が顧問を引き受けることになった弱小剣道部が優勝しなくてはならず……

今回も楽しい作品でした……そして今回も印象的なタイトル(笑)。
ラストのイトちゃんが可愛いです♪

<07/4/26>