黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『Missing 神隠しの物語 2』睦月れい/甲田学人(メディアワークス)

2005-09-30 | 読了本(漫画)
謎の少女・あやめと共に姿を消した空目恭一。空目がかつて『神隠し』に遭遇していた事を知り、事態を重く見た仲間達は、二手に分かれ、空目を探すため行動を開始する。
自らを『魔女』と名乗り奇妙な噂の絶えない少女、十叶詠子の元を訪れた村神と近藤。あやめの存在に気づいていた彼女は、二人に『空目を取り戻す方法』を知るという人物を紹介する。
一方、『憑き物』の相談として近くの寺院を訪ねた木戸野と日下部。だが、二人の前に現れた人物は……。
『魔女』『霊能者』『精神科医』……空目失踪の手がかりを知る者達が語る、事件の裏側に隠された驚愕の真相、そして少女あやめと神隠しの関係とは…。

どうやら小説1冊分のお話を、コミックス3冊で……ということらしいのですが、もう少しコミックスを厚くして2冊で出したほうが良いような気が;(1冊がすごく薄いし…)

<05/9/30>

『シンジケート』穂村弘(沖積舎)

2005-09-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
瑞々しい感性で紡がれる言葉たち。等身大の青年を、そしてその恋を短歌で詠う、穂村弘の処女歌集。

連作『シンジケート』の、十二ヶ月の歌とか、
”「猫投げるくらいがなによ本気だして怒りゃハミガキしぼりきるわよ」”
”「酔ってるの?あたしが誰かわかってる?」「ブーフーウーのウーじゃないかな?」”
……あたりが好きです(笑)。

<05/9/30>

『Missing 神隠しの物語 1』睦月れい/甲田学人(メディアワークス)

2005-09-29 | 読了本(漫画)
常に黒づくめの格好で、超常現象に関する圧倒的な知識量を持つ事から『魔王陛下』と呼ばれる少年、空目恭一。
そんな空目が、ある日『あやめ』という名の少女を仲間たちに紹介する。「恋愛など完全な錯覚」と言っていた空目が、突然彼女を連れてきた事に驚く周囲。
ところが程なくして二人が失踪。文芸部員の仲間たちは事件の真相を調べ始めるのだが――。

小説『Missing』のコミック版です。
1巻が出たときに買おうと思っていたのですが、うっかり忘れてしまい、昨日2巻が出ているのを見て思い出しました(笑)。
……個人的に、どうにも空目がナルに見えて仕方がないのですが(笑)。

<05/9/29>

『空獏』北野勇作(早川書房)

2005-09-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
昔々のこと。えらい人たちは、古くなった世界を作り直すかわりに『獏』をつくり、新しい世界を夢見てもらうことにした……そして人々はその中で眠りにつき、悪い夢は獏が食べることに。
やがて長い年月の中で獏は不安に囚われてしまう。人々は自分の中ですでに死んでしまっているのではないか、と。
そんな獏の中で、僕が見るのは、『戦争』と『西瓜』のイメージを漂わせつつ、めまぐるしく入れ代わる夢と現実。

9つの短篇と10の掌篇で構成された物語。
以前から気になる作家さんだったのですが、表紙の獏の可愛さに釣られて、思わず読んでみたり(笑)。
もっとメルヘンチックなお話かと思ったら(笑)、結構シュール(かつグロい)で、不条理な感じ。
実際に夢を見ているような感覚に近いような印象かも。

<05/9/29>

『本当はちがうんだ日記』穂村弘(集英社)

2005-09-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
今ここにいる私は『私のリハーサル』……まだ本番じゃない。
いつか芋虫が蝶へと羽化するように、素敵な『本当の自分』になれるはず。
『現実』から逃げつつ、不器用に、臆病に生きる歌人・穂村さんのエッセイ。

……牛乳パックの話での衝撃の告白(笑)、あまりにさりげなく書かれ過ぎてて、思わず3、4回読み直してしまいました(笑)。

<05/9/28>

『孤宿の人 下』宮部みゆき(新人物往来社)

2005-09-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
加賀殿が幽閉されている涸滝の屋敷で下女として働くことになった、少女・ほう。
思いがけず屋敷内で顔を合わせた加賀殿から、手習いや算術を教わることになり、彼と心を通わせる日々。
一方、嘉介親分が亡くなり、引手をやめさせられた宇佐は、ほうの身を心配しつつも、役人・渡部一馬より紹介された、英心和尚の中円寺で働いていた。
そして加賀殿の怨霊を隠れ蓑に、密かに起こる丸海藩の内紛、そして丸海の領民を相次いで災いが襲い……。

決して絶対的な悪ではないけれど、欲望、虚栄……そういったものに支配されてしまう、人の心の弱さ。ちょっとしたきっかけさえすれば、それを押し込めている箍は容易くはずれてしまう恐ろしさ……そんな、社会の歪の中で狂っていく人々の心、そしてあまりにも軽んじられ、理不尽なまでに簡単に失われる人の命を思うと、やりきれなく、切ないです(T_T)
悲しいお話ですが、それだけではない何かを残してくれるのは、やはり『ほう』という存在感の大きさでしょう。
加賀殿がほうに遺した文字は、わたしが読みながら感じていたのと同じ字だったので、思わずうんうんと頷いていたり。
泣き所が多いので、人前で読まない方が良いかも(笑)。

<05/9/26,27>

『アルファメリック』宏橋昌水(幻冬舎)

2005-09-27 | 読了本(漫画)
紅茶店・アルファメリック……その表の商売とは別に、物への『想い』の深さにより、損害額を決める『想い損害保険』の代理店を営んでいる。
『想い』を判定するのは、従業員の匡……彼は物に触れると、それに残った感情を読み取ることのできる能力を持っている。店には今日も依頼人が訪れて……。
損害保険に入っていた、世界的に有名な舞台女優、マリアンヌ・ユナールの帽子が盗まれた後、ぼろぼろになって帰ってきたという。不幸中の幸いで、その帽子の中からローズクォーツが発見されるが……第1、2話、
町で匡が見かけた、シルクハットにタキシード姿の謎の男。そして、同様に歩き回る少女の姿。
一方、店に出入りの職人から、修理を頼まれたドールハウスの玄関ホールの絨毯が何故かどうやってもくっつかないという不思議な現象が起きていると聞く……第3、4話、
保険に入っていた七星曜変天目茶碗が盗まれた。大口の顧客であるその持ち主が離れるのを恐れる店長・有一。その頃、川名が木の中に置かれている、問題の茶碗を発見するが……第5話、
アルファメリックの損害保険会社の親会社・赤須保険に加入している大型船2隻が相次いで座礁。
その頃、予知能力のあった元判定人が遺した「アルファメリックの紅茶店の茶葉の袋に、アルファベットをかたどった何かが入っているかもしれない」という予言の通り、『SIREN』と書かれたプレートが発見される。そこから匡が読み取った思念は、「セイレーンのオルゴール。この2つを重ねれば破壊の音楽に」というものだった。どうやら座礁した船には、そのオルゴールが積まれていたらしく……第6、7話

個人的にちょっと物足りない感が残ります(どこ、と具体的には挙げられないのですが、ちょっと話が荒いような)。
特に最後のフリートークが、ちょっとあっさりし過ぎな印象が(手書きだったらまた違うのかもしれませんが、活字のみでメモ程度だったので);

<05/9/27>

『孤宿の人 上』宮部みゆき(新人物往来社)

2005-09-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
江戸の大店・萬屋の若旦那が、外に産ませた子として虐待されながら育った少女・ほう。
店に災いが続き、祟っているのは彼女の亡くなった母であると決め付けられたことから、彼女自身にそれを祓わせる為、金毘羅詣でを命じられる。ところが、金毘羅を目前にした丸海の宿で、一緒に行った女中は路銀を盗み、彼女を置き去りに。
運良く、讃岐国丸海藩の匙家(藩医)の井上家に引き取られ、そこで働くことになったほう。息女・琴江らにも可愛がられ、ようやく環境にも慣れ始めた矢先、井上家で悲劇が。その犯人を目撃したことから渦中へと巻き込まれてゆく……。その頃、丸海藩では、幕府の要職にありながら大罪を犯し、鬼、悪霊と怖れられているという、加賀殿の身を預かることに。そんな彼を迎え入れる為の屋敷の整備の最中に、不可解な中毒死や、怪異が起き……。

感想は下巻でまとめて。

<05/9/25,26>

『すべてのものをひとつの夜が待つ』篠田真由美(光文社)

2005-09-25 | 読了本(小説、エッセイ等)
本州最南端の半島沖の小島に建つ、巨大な西洋館。所有者である富豪・満喜寿一郎により、その後継者を選ぶべく、5組10人の男女が集められた。
大学生・佐伯杜夫は、わがままな又従弟・草薙冬樹の元に届いた、その誘いのお供として、そこに参加することに……。
期限は10日。その間に館の中にあるという巨大なダイヤを見つけ出した者が、その莫大な遺産を継ぐことができるという。外部との接触を絶たれた極限状態の中、謎に満ちた宝探しが始まる。
次々起こる殺人、そして消失する人々……果たして巨大な『牢獄』から生きて脱出することはできるのか?

いささか、中途半端に終わってしまったというか、ちょっと足りない感がありますね~;
個人的には、冬樹の杜夫への屈折した想いや、そして何だかんだいいつつ、そんな彼の言動を許してる杜夫の想い等は、裏話とかをこっそり考えて、ひそかに楽しんでみたい感じです(腐女子的に/笑)。
……そういえば、カッパノベルスの装丁が、また変わってしまったようでちょっと残念(前の太い帯状のやつが結構好きだったんですけど、世間的には評判が悪かったらしい;)。

<05/9/24,25>

『伯爵と妖精 呪いのダイヤに愛をこめて』谷瑞恵(集英社)

2005-09-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
妖精博士のリディアは、妖精ケルピーの目を欺く為に、雇い主の伯爵エドガーと形だけの婚約をしている。お得意の甘い言葉で迫ってくるエドガーにいつも振り回されるリディア。婚約指輪の管理人だという妖精・コブラナイにまで伯爵の花嫁として扱われてしまう。
一方、怪しげなブラックダイヤを手に入れたエドガーの周囲では、不吉なことばかり起こるが、彼はこのダイヤを使って宿敵プリンスへの復讐を企んでいるようで……。

ちょっとずつ進展してるっぽい2人の関係にも注目なのですが、個人的にリディアのコスプレ(違)が楽しかったり(笑)。

<05/9/24>