黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『14f症候群』壁井ユカコ(角川書店)

2009-06-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
同じ学年で仲の良かった男友だち・竹田に告白され、恋人同士になったちほ。
ところがある日目覚めると、彼女の身体は男子のそれになってしまっていた。竹田をゲイにするわけにはいかないと、別れを告げようとするのだが……『性』、
恋する相手・櫛田愛を密かに見守っているつもりの大学生の鈴木一。しかしそれを彼女の妹・咲に見つかってしまい、姉にばらされたくなければ、処女喪失の相手になれと迫られる。
明後日、ひとまず要求通りに待ち合わせ場所のマックに出かけた彼がみたのは、愛そっくりだが微妙に違う女性。曰く彼女は、突然大人になってしまった咲らしい。家に帰れない彼女は、彼のアパートに来ることに……『欲情』、
世間ではここ3カ月ほど、女子中学生を標的にした連続殺人事件が横行。
原因不明の貧血と関節痛に悩まされていた志乃は、朝起きると犬になっていた。
家政婦のクボタさんに追い出され、家に帰れなくなった彼女を拾ってくれたのは、数日前に自分たちがキモオタだと嘲笑した大学生・智春だった。そんな彼に可愛がられ、夢中になるが……『従順』、
12月初旬の夜、美少女の友人・青山美憂が橘七美になった。そして翌日、七美が美憂に。止むを得ず、入れ替わってそれぞれの家でくらすことになった2人。
憧れ続けた“美憂”になり有頂天になった七美は、周囲に反感をもたれる言動を繰り返し……『独占』、
異形が生まれた場所は、千野智紗子の左手。生後3日目に彼女と会話するようになった異形は、交流するようになり“ひーちゃん”と呼ばれる。そんな中、臨月を迎えていた継母が、入院することに。心臓に病を抱えているらしい赤ちゃんの誕生に対して複雑な思いを抱く彼女だったが……『死命』の5編収録の連作短編集。

同じ中学に通う、6人の仲良しだった14歳の少女たちの、9日間の“変態”のお話(fは“fimale”のf)。
その肉体的変化によって、精神的にも変化がもたらされる(というか、別のものの見方を知る?)…という感じ。展開は結構ダークになったりもしますが、『死命』のラストはうるうるします。

<09/6/26>