黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『チョコレートビースト インディゴの夜』加藤実秋(東京創元社)

2006-04-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
産婦人科で取材中の晶を、新宿〈エルドラド〉の№1ホスト・空也が訪ねてきた。新宿歌舞伎町、六本木の人気ホストが連続で襲撃された事件を調べて欲しいという。もっとも疑わしい人物は、空也のヘルプを務める新人ホスト・樹だという。晶とindigoのホストたちは樹の周囲を探りつつ、事件の調査に乗り出すが……『返報者』、
ラーメン屋の行列に並んでいた晶とホストたち。そこで、indigoの共同経営者・塩谷が美女と一緒にいるところを目撃。彼女は、塩谷の後輩の編集者・原島の妻で、原島が沖縄ロケでスタッフと別れて以降、行方不明になっているのだという……『マイノリティ/マジョリティ』、
なぎさママに連れられ、南平台の店を訪ねた晶は、強盗団に遭遇。絶体絶命の危機を、なぎさママの柔道技で乗り切るも、晶の失態でママの愛犬・まりん(通称・43万円)が連れ去られてしまう。犯人の背中にかすかに見えた龍の刺青を手掛かりに捜索を開始するホストたちだったが……『チョコレートビースト』、
取材中の晶にindigoの新人ホスト・吉田吉男が倒れたとの連絡が。皆には隠していたが、心臓の持病があるらしい。そんな彼が、ホスト選手権大会に出たいといいだし……『真夜中のダーリン』の4編収録の連作短編集。

タイトルの『チョコレートビースト』が何を指しているのか、ちょっと気になっていたのですが(発売予定の段階では『龍の文身』だったし)、まさかそれだったとは(笑)。

<06/4/30>

『よつばと!5』あずまきよひこ(メディアワークス)

2006-04-29 | 読了本(漫画)
よつばが隣宅の三女・恵那の部屋に遊びにゆくと、そこには“ロボット”が……『ダンボ!』、
普段お世話になっている隣宅でお手伝いをすることになったよつばだったが……『てつだい』、
コンビニに買物に行ったとーちゃんから留守番を頼まれたよつば。その間に、とーちゃんの後輩“やんだ”がやってきて……『やんだ』、
星の観察をしていた恵那とよつば。そこへジャンボが現れ、みんなで星のよく見える山へ出かけることに……『ほし』、
雨の日。ビデオを返却にでかけたとーちゃんとよつば…… 『あめ』、
夏も終わりに近づいた、ある晴れた日。海に出かけたいというよつばに……『はれ』、
海にでかけたよつばたちの一日……『うみ』を収録。

前巻に引き続き、夏の物語。
ほのぼのですね~。

<06/4/29>

『べっぴんぢごく』岩井志麻子(新潮社)

2006-04-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
母を亡くし、天涯孤独になった乞食の少女・シヲ。村一番の分限者の気違いの娘・とみ子に気に入られ、竹井家で働いていたが、彼女が亡くなって後、養女として迎え入れられることに。「ぼっけえべっぴん」と賞されたシヲだが、シヲの娘・ふみ枝は似ても似つかぬ醜女で、さらにその娘・小夜子は男を狂わす妖艶な美少女、そして初潮をむかえたばかりの小夜子が産んだのは、もはや“人とは呼べぬ”ものだった。
美醜を交互に繰り返しながら、女たちに受け継がれていく血は……。

何と言うか形容し難い、すごいお話でした。
シヲに始まる(正確にはその前の代から)血族が表の主役とするならば、“乞食隠れ”が裏の主役な気がします。

<06/4/29>

『紙魚家崩壊 九つの謎』北村薫(講談社)

2006-04-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
コンビニでたまたま見かけた漫画雑誌。そこに会社の店長とそっくりな中年男が描かれているのを見た美咲は……『溶けていく』、
両手が恋をしている女と探偵との第37番目の事件。紙魚家で起こった密室事件とは……『紙魚家崩壊』、
両手が恋している女と探偵の第37番目の事件。引退したミステリ作家たちの住む“幻の園”で起きた密室事件とは……『死と密室』、
もうすぐ孫が生まれる“あたし”。ふと昔を振り返り、思い出すことは……『白い朝』、
キノコ雑誌編集者の千春さん。ある日、十面のサイコロを持っているおじさんに出会う。そのサイコロは何に使うものなのか?……『サイコロ、コロコロ』、
植物のフィールド・ワークに参加した千春さん。そこで握られたおにぎりをみた稲村先生は……『おにぎり、ぎりぎり』、
話す男女の間を渡るように飛ぶ、菜の花色の蝶……『蝶』、
たまたま乗った電車で座った席。ところがそこは自分の席だと主張する男が現れ……『俺の席』、
昔話“カチカチ山”に新たな視点から迫る『新釈おとぎばなし』の9編収録。

幻想あり、ブラックありな短編集。
ミステリテイストな“カチカチ山”がおもしろかったです(笑)。

<06/4/28>

『卵と小麦粉それからマドレーヌ』石井睦美(BL出版)

2006-04-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
中学に進学したばかり菜穂は、川原亜矢という少女に話しかけられたことをきっかけに親友に。
読書家の彼女から贈られた本を読み、12歳最後の日を過ごした翌日の誕生日。
専業主婦で、料理上手の菜穂のママが爆弾発言を……料理を勉強する為に、パリへ半年間の留学したいのだという。不安や不満から、ついつい反抗的な態度をとってしまう菜穂だったが……。

素敵なお話でした♪
子供目線からいえば、突然母親がいなくなってしまうのは衝撃でしょうが、それを許容できることで、ひとつ大人に近づく感じが微笑ましいですね。

<06/4/27>

『恋のドレスは開幕のベルを鳴らして』青木祐子(集英社)

2006-04-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
恋を叶えるドレスを作ると評判の仕立屋・薔薇色(ローズカラー)……けれどその店主であるクリスは、男性が苦手ないたって内気な少女。
ある日、買い付けの為に訪れた街で、ひょんなことから、再起を賭ける女優マーガレット・ベルの相手役を務めて欲しいと頼まれるパメラ。その申し出を断るも、その舞台『楽園』でのマーガレットの衣装を、薔薇色が手がけることになる。
しかしその準備の為、舞台に出かけたクリスは、そこで彼女の心を脅かす“闇のドレス”の気配を感じ……。

“ヴィクトリアン・ローズ・テーラー”シリーズの第2弾。
タイトルがだんだん長くなってる気が……(笑)。

<06/4/27>

『Daddy Long Legs』勝田文(集英社)

2006-04-26 | 読了本(漫画)
12年もの同棲生活を経て、結婚した元子と吾郎。出雲へ新婚旅行に出かけた彼等が出会ったのは……『天馬』、
リストラされたのを機に、一人暮しをやめ実家へ戻った歩。以前バイトで知り合った大山くんの饅頭屋に手伝いに行く彼女は……『パーラー』、
中華街で美人と評判のれいこ。店の常連で、金持ちの半太郎と結婚した彼女だったが、新婚1ヵ月、彼は海外出張で留守。しかもその豪邸には半太郎の友人・麻田
たちが住んでいて……『シンガポールの月』、
時は昭和初期。身寄りのなく施設で育った少女・井出樹は、月に一度、“平井太郎”氏に手紙を書くことを条件に援助を受け、女学校に通えることに。そこで待ち受けていた日々は……『Daddy Long Legs』の4編収録。

表題作『Daddy~』は、ウェブスターの『あしながおじさん』の昭和初期の日本ヴァージョン。この組み合わせ(“あしながおじさん”と昭和初期)はかなりツボでした♪
絵柄もほんわかとして、話の雰囲気にあってて、良かったです(笑)。

<06/4/26>

『犬のしっぽを撫でながら』小川洋子(集英社)

2006-04-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
数の不思議について、またその魅力を語る“数の不思議に魅せられて”、
本について、また著作について語る“「書く」ということ”、
作家として多大な影響を受けたユダヤ人の少女、アンネ・フランクについて語る“アンネ・フランクへの旅”、
飼い犬や、タイガースについて熱く語る“犬や野球に振り回されて”、
家族やその思い出について語る“家族と思い出”…の5部構成で綴るエッセイ集。

いろんなところで発表されたエッセイですが、うまく分類されてますね~。
アンネのお話のところだけ、緑色の紙なのには何か意味が……?

<06/4/26>

『Op.(オペレーション)ローズダスト 下』福井晴敏(文藝春秋)

2006-04-25 | 読了本(小説、エッセイ等)
事件の合間、並河の娘・恵理と心を通わせるようになっていく朋希。しかし巻き込まれ怪我をした彼女を見舞いに病院に出かけた朋希に、一功が接触。
一方、並河は“マル六の作業玉”から、情報を流している存在が身内にいると聞かされる。
そして臨海副都心を襲う高性能爆薬TPexの恐怖。壮絶な戦いの果てに目指す、ローズダストの最終目的とは?

ローズダスト、一功以外のメンバーちょっと影が薄い(…というか、作品における扱いが;)ような気がしますが、作品後半の怒涛のような勢いはさすがですね~。
来週出かける予定の某所(笑)で読むと、より臨場感が楽しめるかも……とか思ったり(でも旅に向かない厚さですが/笑)。
個人的に、桔梗さんが気になります~(笑)。

<06/4/25>

『Op.(オペレーション)ローズダスト 上』福井晴敏(文藝春秋)

2006-04-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
2006年秋、ネット財閥・アクトグループの役員を狙った連続テロが発生。
実行犯は入江一功をリーダーとする“ローズダスト”と名乗る5人グループ。警視庁公安部の並河警部補は、防衛庁情報本部の丹原朋希と捜査にあたるうちに、朋希と一功の因縁を知る。かつて2人は防衛庁の非公開組織・ダイスに所属し、従事した作戦“オペレーションLP”が失敗、2人が思いを寄せていた少女・三佳を失った。朋希を除く生き残った工作員たちはテロリストとなり、アクトグループ役員となった元上官に復讐しようとしているのだった……。

うーん;それなりにおもしろいのですが、どうも福井さんの他の作品との類似点が多く(性格・背景設定とか)、異口同音な感じが否めませんね~。下巻に期待(笑)。

<06/4/23,24>