黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『最終目的地』ピーター・キャメロン(新潮社)

2009-06-08 | 読了本(小説、エッセイ等)
ナチスの迫害を逃れて、ドイツからウルグアイの小さな村<オチョス・リオス>に移り住んだ作家ユルス・グント。
発表された作品は1作のみであるその作家は、その後自殺を遂げていた。
カンザスの大学の博士課程に籍を置く、学生オマーは、そのグントの伝記を書く事で奨励金を受け取っていたが、その伝記の出版には、遺言執行者として指定されている3人…ユルスの妻・キャロライン、ユルスの愛人・アーデン、ユルスの兄・アベルに“公認”してもらうことが条件だった。
手紙でその旨を書き送ったのだが、思いもかけず公認を拒否されたオマー。そんな彼に、恋人のディアドラはウルグアイに行き、説得するようにと後押しする。
そんな成り行きで、ウルグアイへとやって来たオマーの存在は、そこで静かに暮らしていた人々の心に波紋をもたらす……

アメリカからウルグアイにやって来た青年の存在が、本人も含め関係する人々を思いがけない“目的地”へと導く、といったお話。
人々の微妙な関係が繊細に描かれていますが、それ故に、気弱なオマーの態度に若干イライラします(笑)。
この作品は映画化され、既に完成しているそうですが、アベルの同性の年若い恋人・ピート(※タイ人)役が真田広之って一体……。

<09/6/7,8>