黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

† 新刊情報(14/05) †

2014-05-31 | 新刊情報
<5月>
5/16
石川緑『常夜』KADOKAWA(メディアファクトリー) 

5/25
西澤保彦『下戸は勘定に入れません』中央公論新社 

5/26
北村薫『八月の六日間』KADOKAWA 

5/27
坂木司『ホリデー・イン』文藝春秋 

『海うそ』梨木香歩(岩波書店)

2014-05-15 | 読了本(小説、エッセイ等)
昭和のはじめ。両親と許嫁、恩師をなくし喪失感を抱えていた若き人文地理学の研究者である秋野は、恩師の未完の研究を引き継ぐべく、南九州の小島・遅島へとフィールドワークにやってきた。かつて修験道の霊山があったその島は、平家の落人伝説も残る自然豊かな島。恩師の地図に記されていた「海うそ」という言葉。
島唯一の西洋風の建物に暮らす山根氏をはじめとした、島のひとびとと親しくなる。廃仏毀釈以前に、島にかつて存在したらしい宗教の存在、神秘にみちた風土などについて体験をしてゆくが……

概ねは昭和初期の南の島(モデルは甑島?)を舞台としたお話。
基本は風土記っぽい感じではあるのですが、最後でいきなり時代がぽーんと跳び、五十年後思わぬ形でふたたび島と関わることになったり。喪失感とその昇華、がテーマかな。いろいろ痛いです……(>_<)
ここでの『海うそ』は、蜃気楼の意。

<14/5/14,15>