黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『オババの森の木登り探偵』平野肇(小学館)

2006-07-31 | 読了本(小説、エッセイ等)
都心に奇跡のように存在する二千坪の雑木林、通称“オババの森”に忍び込む悪ガキたちと、それを追いかけるオババとの攻防が繰り広げられた遠い昔。
そんな少年時代から20数年。旅行代理店でサラリーマンとして働いていた中里翔平は、ある日、不動産屋を営む友人・大倉から、彼等が昔遊んだ“オババの森”の管理人をしないかと持ち掛けられる。持ち主である“オババ”こと、川上ツネが病に倒れて後、ゴミの不法投棄などで荒れてしまった、その地所の管理を任せたいというのだ。
その提案を受け入れた中里は、木の上にツリーハウスを作り、早速そこで生活を開始。それとともに“中里探偵事務所”を設立した。
森に出入りするオババの甥の娘である少女・奈々の力を借りつつ、実質便利屋である探偵事務所に依頼される奇妙な事柄をこなす日々。
やがて、森の存続を危うくする事柄が次々と起き……。

タイトルに“探偵”とかついてますが、あまりミステリ色前面な話ではなく、どちらかというと森を通しての自然との接し方関わり方、そしてそんな森を開発の手から守ろうとする話の方に重きをおいた内容になってます。
軽くサクサク読める感じは良いですね。

<06/7/31>

『乱鴉の島』有栖川有栖(新潮社)

2006-07-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
大学入試の採点やフィールドワークに追われ、疲弊していた英都大学助教授で臨床犯罪学者の火村英生は、“北白川の下宿の婆ちゃん”こと篠宮時絵に勧められ、友人の推理小説家・有栖川有栖と共に、彼女の下宿の“卒業生”が営む民宿のある三重県沖に浮かぶ島へ行くことに。
ところが、思わぬ勘違い・手違いから、本来渡るはずだった島ではなく、通称・烏島と呼ばれる黒根島へとやって来てしまった2人はやむをえず、島唯一の人家に厄介になることに。
その家は、伝説的な象徴詩人であり、作家であり、翻訳家でもある海老原瞬の別荘であり、折しも彼の信奉者である人々の集まりが催されていた。
しかし彼等には他に何か隠し事がある様子。
そんな中へ、ヘリコプターより突如として降り立った客……それはハッシーの愛称を持つ、マスコミの寵児である若き起業家・初芝真路の姿だった。
彼は、海老原の元を訪れていた客の一人・藤井医師に用事があるというのだが……。

4年ぶりの作家編の長編新作♪しかも孤島ものですv周りに味方がおらず、ピーンチ!な2人の状況にちょっとハラハラしました(笑)。

<06/7/30>

『クラッシュ・ブレイズ オンタロスの剣』茅田砂胡(中央公論新社)

2006-07-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
一度死んだ身を、ルウの能力により生かされたケリー。その事実を知った不老不死を望む者たちは、ルウを取り込む為、リィへの接触を画策していた。
その頃、そんなこととは知らないリィとシェラのクラスに、トップモデルの美少女・セラフィナが短期受講生としてやってきた。ところがそのマネージャーであるワトキンス氏にモデルにスカウトされてしまい、彼のしつこさに僻易。
何とかしてもらえないものかと友人である大女優・ジンジャーに頼んだところ、代わりに舞台女優の卵・ベティに会って欲しいという。彼女は、自分が演じることになっている無敵の戦士である少女“フレイア”の役柄を掴む為、武道の達人に話を聞きたいのだという。
一方、ルウの元には奇妙な客が訪れていた。妊婦であるその女性は、亡くなった夫に会わせて欲しいのだという。どうやら彼女の信仰する新興宗教の教祖が、彼の名前を出したらしい。その背後にいる存在を知ったルウは彼等の元に赴くが……。

ルウの話がかなりハラハラだったので大分そちらに気を取られてしまいましたが、ベティのエピソードも良かったですね。せっかくだから1冊にまとめず、分けた方が良かったのでは?と思ったり(笑)。
それにしても本文に“オンタロスの剣”が……(笑)。

<06/7/29>

『黒ねこサンゴロウ旅のつづき2 青いジョーカー』竹下文子(偕成社)

2006-07-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
中古ながらようやく念願であった自分の船・イルカ号を手にしたイカマル。
そんな中、航海に出たまま戻らないサンゴロウを訪ねて、真珠島のシーナがうみねこ島に現れた。彼女の目的は、サンゴロウが持っている危険な薬草にあるらしいのだが……。

『黒い海賊船』の続き的なお話。サンゴロウと白ねこのシーナとの対決が見物ですね。
そして何といってもイカマルの成長が著しく、微笑ましいです(笑)。

<06/7/29>

『海紡ぐ螺旋 空の回廊 薬屋探偵妖綺談』高里椎奈(講談社)

2006-07-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
花花へのお遣いを任されたリベザルが、風邪を引き体調のすぐれないイエンリイと共に何者かによって誘拐されてしまう。
一方、深山木薬店の出資者であり、座木の義父である垣谷青伊が不審な死を遂げたという知らせと共に、以前知り合った椚空音の祖父・北瀬智充が訪れた。彼と青伊は高校時代の友人であり、遺言状には、彼と座木ともうひとり……“ハル”という人物に財産を渡すと記されていたという。
かくして、垣谷家を訪れることになった座木は、智充から60年前に3人が知り合い、そして関わった女子高生失踪事件について聞かされるが……。

薬屋シリーズ第一部完結。さまざまな衝撃の事実があきらかになったり(個人的に座木の下の名前が/笑)。最後のリベザルのシーンがちょっと切なかったです;

<06/7/27,28>

『黒ねこサンゴロウ旅のつづき1 ケンとミリ』竹下文子(偕成社)

2006-07-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
いとこの少女・ミリの家庭教師を頼まれ、5年ぶりにハナミサキを訪れた少年・ケン。
しかしサンゴロウと宝探しの冒険をした場所は、既にホテルが建ち、様子は当時とすっかり変わっていた。
両親の離婚問題に揺れているミリは、勘がよく、ちょっと変わった女の子。小学校での勉強を嫌う彼女に勉強を教えようとするものの、うまくいかない苛立ちからつい怒鳴ってしまったケンに、ミリはホテルを飛び出して……。

ちょっと大人になったケンの物語。そしてミリちゃんも再登場です。
サンゴロウはちょっとしか出てこなくて残念でしたね~;

<06/7/27>

『お振るいあそばせ!』鈴木有布子(新書館)

2006-07-26 | 読了本(漫画)
恋が日々の原動力、と断言するさくら。可愛いけれど、厳格な家柄のお嬢様である彼女は敬遠され気味で、告白してもフラれてばかり。
そんなある日、親友である空の兄・大地が古文の代用教員としてやってくることに。校内の好みの男子すべてにフラれてしまった彼女に、空は兄を勧めるが……『お振るいあそばせ!』、
死期の迫った人間の元に訪れる天使。彼の今回の仕事は、もうすぐ死を迎える少女・キリエを導くことだったのだが……『キリエの場合』、
交通事故で死んでしまった少女・ゆうな。天国と地獄、そのどちらに行くか決まっていないという稀なケースである彼女を担当することになった死神は……『ゆうなの場合』、
ある事件を起こし、長い間、老いる事無く投獄生活を送っていた青年・獏。恩赦により釈放された彼は、居場所もなく公園で過ごしていた。そこで少女・あかねと出逢うが……『夜明けまえ』の4編の他、表題作のおまけマンガ『ごめんあそばせ!』2編を収録。

女の子メインな1冊。
お振るい~の2人のノリがとても楽しいですね♪そしてカバー下の“カマキリを持った男”に大爆笑(笑)。
『夜明けまえ』はあとがきによると、同タイトルの作品が存在するようですが、たしか鈴木さんが“にいがたマンガ大賞”で、最優勝作品賞&水島新司賞を受賞されたのがそのタイトルだったような……。

<06/7/26>

『近江戸かわら版 異界より落ち来る者あり 下』香月日輪(理論社)

2006-07-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
怪我を負い、妖怪たちの棲む大江戸へと異界から落ちてきた少年は、黒眼鏡に着流し姿の謎の男・鬼火の旦那に助けられた。
元の世界ですさんだ生活を送っていた彼は、この世界で昔の自分を見つめなおした末、元の世界ではなくここで生活していくことを選択。雀と名づけられる。
やがて彼は、人間としての視点を通しての大江戸を観察した文章を見こまれ、かわら版屋として働くことに……。
そんなある日、狼男の同心・百雷が、当代一の役者・蘭秋太夫の困りごとの相談にのっているのを知り、興味を持つ。しかし、事は同じ一座の役者の死という意外な方向へ……。

上下巻ですが、この下巻の前半分は時間的には上巻よりの前、雀がこの世界にやってきて、かわら版屋として働くまでの顛末が描かれています。
大江戸に来て、物事にちゃんと向きあえるようになった雀は、本当に可愛く、愛しいです。

<06/7/26>

COLLECTION SIMPLE PLUS

2006-07-26 | 音楽
 ビクターから過去に発売された、主にアニメ系作品のCD(『Wish』『CLAMP学園探偵団』『NOIR』『AVENGER』※初回限定盤)からのALI PROJECTのベスト盤。
 清浄な雰囲気漂う『WISH』に始まり、退廃的な『地獄の季節』に至る、白アリ→黒アリへのアリプロ音楽の変遷を見ることの出来る1枚になっています。……というか“依頼されるお仕事”の変遷な気もしますが(笑)。
 個人的に、『エンジェル・エッグの作り方』とか『少女殉血』あたりも入っていると嬉しかったのですが;
 ちなみに通常盤には、DVDの代わりに『亡國覚醒カタルシス』のorchestral crowd ver.が収録。男声コーラスとオーケストラサウンドがまた違った趣きで楽しいです♪
 
 初回限定盤についてくるDVDには、(『薔薇色翠星歌劇団』以来の)待望のPV『亡國覚醒カタルシス』と、『月蝕グランギニョル』のライブ映像が収録。
『亡國~』のPVでは、お着物姿で刀を手に歌う和ゴスなアリカさんと、全身白塗りで踊る謎の男(アリカさんのお好きな、大駱駝艦の若林さん)、磔刑の青年を前に怪しげな男たちやドラァグクイーンを従えつつ、軍服で歌う(一人で歌われてる場面もありますが)アリカさん、の主に3つの場面からなる構成です。前2つに関しては、あまり変化はありませんが、3つ目は何か物語がある雰囲気……磔刑されている青年が気になります(笑)。
『月蝕~』のライブ映像は、2003年11月23日の『AVENGER LIVE』でのもの。
 アリカさんの衣装が2種類なのは、アンコールで衣装替えされた後にも、歌われているからですね。
 会場がスタパ(吉祥寺のライブハウス・スターパインズカフェ)でちょっと懐かしかったり(笑)。
 昔のアリプロライブは、たいてい椅子があって座れたのですが、この頃くらいにはオールスタンディングになっていたような気が(この会場は、オールスタンディングになっても、2F最前列のみ椅子があったのですが、この時はその辺で見ていた記憶が……)。
 演奏中、片倉さんがカメラ目線で合図するところが、お茶目で素敵です(笑)。

『大江戸かわら版 異界より落ち来る者あり 上』香月日輪(理論社)

2006-07-25 | 読了本(小説、エッセイ等)
昼空を龍が飛び、夜空には大蝙蝠が飛び、隅田川には大みずち。飛鳥山には化け狐。大江戸城には巨大な骸骨が棲む、妖怪都市・大江戸。
そんな大江戸のかわら版屋で記者として活躍する少年・雀は、その世界でただひとりの人間。
しかしある日、人間界から少女・小枝が落ちて来た。
鬼火の旦那から、彼女の面倒をみてやるようにいわれた雀は、鬼人の桜丸や銀色猫のポーたちと共に、彼女をキャフェーや吉原を案内してやったりして、楽しい時を過ごすが……。

やはり香月さんの作品は、食事の描写が巧みというか、実に美味しそうに書かれてますね~(笑)。
それはさておき、新シリーズ♪
これから先も楽しみです~v

<06/7/25>