種山ヶ原の夜ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントこのDVDの詳細を見る |
早稲田の学芸員講習も、ようやく半ばを過ぎました。来週からは朝は2限からなので、少し楽になります。
今週は、実習の方では、複製品の作成・拓本・刀剣の取り扱いなどを学びました。刀剣についてはやはり恐れと緊張がありましたが(他人が扱っているのをみるのが余計に怖い)、作法を集中してこなせばとりあえず安全。刃の複雑な表情(みる角度、光のあたり方などによって、まったく異なる世界が生じる)に魅せられているうちに、もっとたくさんの刀剣をみてみたくなりました。「剣相書」なる卜書が存在するのも納得(こいつは亀甲にも匹敵しますよ。亀の次はこっちにゆくか)。
金曜の夜には、「博物館資料論」の岡部央先生、TAの田辺さん、京都造形芸術大の飯田さんらと中じめの飲み会。普段は交錯することのないような背景を持った人間の会話に、いろいろモチベーションが高まりました。7月に、猪股さん・武田さん・三品さんとの飲み会で、「ふつうの本じゃない形で、古代の夢が表現できないか」と話し合っていたのですが、それに何か繋げられるかも知れません。飯田さんの専門は現代アートですが、ドゥルーズ・ガタリ、デリダなどのフランス現代思想、歴史学や人類学にも造詣が深く、中沢新一とも昔なじみらしい(ああ、『ルプレザンタシオン』!)。「夢」の話には、情報歴史学の師さんも興味を示してくださっているので、将来的に面白いことができるかも。
上の写真は、男鹿和雄が紙芝居的手法で撮った『種山ヶ原の夜』。アニメーション表現としては面白みに欠けますが、移り変わる山の景観を描いた画は美しい(樹霊はグリーンマンか葉っぱのフレディといったイメージ。あまり宮澤賢治的ではないかも)。樹霊が人間に、「山の木を伐らないでくれ。伐ったとしても大事に使ってくれ」と呼びかける物語ですが、〈伐採抵抗〉を前提に読むと深さが違ってきます。後期の一般教養「日本史」で課題に出そうかなあ。