うちには娘はいないが、先月末の27日、一応、秋田高松家伝来の七段飾りを組み立てた。ぼくには男兄弟しかいないので、実家でひな人形を飾った覚えはないが、月参りをしていると、2~3月には多くの檀家さんの家でひな飾りを観ることになる。しかし、三鷹へ越してきてからはそれも叶わなくなったため、自宅で眺められるというのはそれなりに趣があってよい。「箱から外に出さないと、夜中に騒ぎ立てる」との伝承?(亡くなった義理の祖母がいっていたらしい)があるだけあって、なかなか精巧な作りである。ワインや煎餅を供えてみたが、翌朝唇の回りが紫色に…なっているようなことはなく、少々残念であった。
ちなみに、とうぜんひな人形を組み立てたのは初めての経験であったが、その装束・小道具類から調度品まで、やはり家父長制イデオロギーにおける女性の位置を強化し、それを喜びとするよう喧伝する装置なのだなあとあらためて感じた。恐るべし。