仮 定 さ れ た 有 機 交 流 電 燈

歴史・文化・環境をめぐる学術的話題から、映画やゲームについての無節操な評論まで、心象スケッチを連ねてゆきます。

事務仕事:帰国するなり忙しない

2008-08-28 18:41:27 | 生きる犬韜
22日(金)に帰国するなり予定が立て込んでおり、疲れが十分にとれないままあちこち動いている。おかげで集中力がとぎれがちで、どうも能率が上がらない。

23日(土)は、お昼から服藤早苗さん宅で勉強会。来年度、大妻の倉田実さんの還暦記念論集を出すための準備である。今回は倉田さんのお弟子さんのFさんの報告で、陰陽道が関わってくることからちょうど帰国中の水口幹記君にも来てもらった。五行が院政期前後の慣習や物語構成とどのような関わりを持っていたのか、難しい問題だが刺激を受けた。水口君とはもう10年くらいの付き合いだが、久しぶりに話ができてよかった。12月にはまた仕事をすることになるかも知れない。
24・25日(日・月)は小休止。自坊の定例法話会に久しぶりに参加したほか、『歴史評論』のサブカルチャーの連載(中国でほとんど書いてあった)を推敲して編集委員会へ送信。今回は8月に書いたせいか、〈喪の仕事〉がテーマとなった。半分以上は「守り人シリーズ」の話題。

26日(火)は出勤して帰国届を提出し、東巴経関係の文献を調査・渉猟。いずれ岡部さん・遠藤さんと祭署の研究会を開くことになっているのだが、東巴の卜占に関しては、現在執筆中の「祟り」に関する論考でも触れておきたい(こうしてハードルをどんどん高く上げてしまうためになかなか脱稿できないでいるのだが...)。卜書の分析においては、雲南民族出版社から刊行されている『納西東巴古籍訳注全集』の閲覧が不可欠だが、これを所蔵している大学がなかなかない。関東では筑波大と文教大が持っているようなので、近日中にチェックにいかなくてはならないだろう。
夕方、下北沢で妻と合流し、小林賢太郎プロデュースの舞台『トライアンフ』を観劇。コバケンはラーメンズだとあんなに前衛的なのに、なぜK.K.P.公演では常に青臭い道徳を語ろうとするのかね。わざとだろうか。ま、そこがいいという人もいるんだろうけど。そういえば、何ヶ月か前のフジテレビ『爆笑レッドカーペット』で、カナリアという若手芸人が、ラーメンズの日本語学校のネタをパクっていた。志が高いのか低いのか不明だが、「よく考えてあるね」などとコメントしている審査員はどうしようもない。

27・28日(水・木)は、上智史学会・環境/文化研究会、および来年度カリキュラムの事務処理。調査で記録した写真・音声も、整理してDVDに焼き、岡部さんと遠藤さんに送った。帰国後すぐに愛機MacのOSをLeopardにアップグレードし、Windowsも動くようにしたので、ICレコーダーで記録した音声も同一機上で編集できた。思ったより時間がかかってしまい、PCの作業中にPS3でDVDを斜め視聴。ずっと積んであった『バットマン・ビギンズ』『親切なクムジャさん』『秒速5センチメートル』、まったく統一性のないラインナップだが、それぞれに特徴があって面白かった。新海誠はオリジナリティの問題から論じてはいけない作家なのだろうが、彼の創り出す世界は好きである(でもなんとなく、岩井俊二が監督した東京少年のPVを想い出してしまう)。それにしても、こうした細々した作業をこなしていると、まとまった論文を書く時間がとれないな。いただいた抜刷や著書への礼状も書けていない。皆さん、申し訳ありません。

さて、明日からは宗教史懇話会のサマーセミナーである。もろもろあって2年間欠席してしまっていたので、久しぶりの参加になる。第2期ももうじき終了のはず。おこがましい限りだが、なんとなく「後輩の指導」という責任を感じる今日この頃だ。

※ 写真上は、麗江の木氏居館で購入してきた東巴経の複製。かなり高価だった。写真下は、現地で東巴の和国偉さんにみせていただいた肉筆の東巴経。
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