く~にゃん雑記帳

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<京都国立近代美術館> 「皇室の名品」展、11日から後期入り

2013年12月11日 | 美術

【代々引き継がれてきた近代日本美術の〝粋〟一堂に】

 京都国立近代美術館(京都・岡崎公園内)で11月から約2カ月間の会期で開催中の「皇室の名品」展(1月13日まで)は一部展示替えして11日から後期に入る。本展は京都だけの開催で、展示作品は宮内庁三の丸尚蔵館の所蔵品を中心に前後期合わせ約180点。明治宮殿に調度として飾られたもの、皇室の慶祝行事に合わせ献上されたものなど、選りすぐりの美術・工芸品が一堂に展示されている。

 

 会場は明治・大正・昭和の作品を皇室コレクションに加わった経緯から6つのコーナーで構成されている。最初の第1章「宮殿装飾」の豪華な雰囲気と華やかな作品群は息をのむほど。1888年(明治21年)に完成した明治宮殿(1945年に焼失)の広間を再現しており、優美な大型花器など実際に宮殿を彩っていた作品が並ぶ。前期壁面に飾られた二代川島甚兵衛作の綴錦壁掛け「百花百鳥之図」(上の写真)や十二代西村總左衛門作「嵐図天鷲絨友禅壁掛」は、後期に入って三代川島甚兵衛作「春郊鷹狩・秋庭観楓図」、十三代西村治兵衛作「平等院鳳凰堂図綴織壁掛」に切り替わる。

 

 第2章「明治期の美術工芸と博覧会」は1900年のパリ万博に合わせ、天皇の御下命によって帝室技芸員の手で制作された作品が中心。並河靖之「七宝四季花鳥図花瓶」、荒木寛畝「孔雀之図」、下村観山「光明皇后」、橋本雅邦「龍虎図」、高村光雲「矮鶏置物」……。第3章「皇室と官展」には1907年に始まった文展と改組した帝展に出品され、皇室お買い上げとなった作品が並ぶ。前期には西村五雲の「秋茄子」(上の写真㊧)や木島桜谷の「月夜帰牧之図」などが出品されていたが、後期にも上村松園の「雪月花」(上の写真㊨=部分)や川合玉堂の「雨後」などの逸品が展示される。

 

 第4章「慶祝の美」は大礼(即位)や立太子礼(成年式)、ご成婚などで献上された作品群。ここにも富岡鉄斎、竹内栖鳳、川端龍子、鏑木清方、前田青邨、堂本印象、河井寛次郎ら著名な画家、工芸家、陶芸家の作品がずらりと並ぶ。第5章「皇室と日本美術院」は横山大観の作品(上の写真は「朝陽霊峰」)が中心、最終の第6章「御肖像と大礼」には明治~昭和の各天皇や皇后の肖像、天皇即位の「大饗の儀」で使われた「悠紀・主基地方風俗歌屏風」なども展示されている。


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