く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ミヤマヨメナ(深山嫁菜)> 野菊では珍しく春~初夏に開花

2019年06月02日 | 花の四季

【別名「野春菊」、その園芸品種が「ミヤコワスレ」】

 本州から四国、九州にかけて分布する日本特産のキク科の多年草。名前は花姿がヨメナに似て、山地の落葉樹林の下などに生えることから。ヨメナやノコンギク、ヤマシロギクなど野菊はほとんどが秋に開花するが、このミヤマヨメナは野菊としては珍しく5~6月頃に盛りを迎える。このため「ノシュンギク(野春菊)」の別名を持ち、「六月菊」と呼ばれることもある。

 草丈は20~50cm。直立した茎の先に径3~4cmほどの花を一輪付ける。舌状花は白~薄紫色、真ん中の管状花は黄色。若芽は他の野菊同様食用とされ、和え物や汁の実などに用いられてきた。「ミヤコワスレ(都忘れ)」という優雅な名前で呼ばれる植物は、山野に自生するこのミヤマヨメナを改良した栽培品種。その名は鎌倉時代に承久の乱(1221年)で敗れ京の都から遠く佐渡島に流された順徳天皇の故事に由来するそうだ。ただミヤコワスとして栽培されるようになったのは江戸時代以降ともいわれる。

 牧野富太郎博士は大正時代、ミヤマヨメナの学名を「Aster Savatieri」と命名した。種小名「サヴァティエリ」は1860~70年代に2度来日し計6年間滞在した医師で植物研究家のフランス人、リュドヴィク・サヴァティエ(1830~91)の名前に因む。サヴァティエは日本の植物分類学に貢献し、帰国後『日本植物目録』(共著)を出版した。学名はその功績を称えた彼への献名。現在ではアスター属(シオン属)から独立してミヤマヨメナ属に分類され、学名も「Miyamayomena savatieri」とされることが多い。「人恋し都忘れが庭に咲き」(高橋淡路女)


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