く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<フタリシズカ(二人静)> 静御前と菜摘女の舞い姿になぞらえて

2019年05月31日 | 花の四季

【ヒトリシズカの仲間、万葉集に登場する「つぎね」?】

 沖縄を除く全国の山地や林野の半日陰地などに自生する多年草。ヒトリシズカと同じセンリョウ科の野草で、草丈は30~60cm。4~6月頃、直立した茎の上部に対生する大きな葉の間から2本の穂状花穂を立て、米粒状の小さい花をたくさん付ける。ヒトリシズカ同様、花弁や萼(がく)はなく、白い小花は3個の雄しべの花糸が基部で合着し内側にくるりと丸まったもの。

 花穂はふつう2本だが、3~5本と多いものもあり、たまに1本しかないものもある。学名は「Chloranthus serratus(クロランツス・セラツス)」。属名の語源はギリシャ語の「黄緑」と「花」の合弁語から。種小名は「鋸歯のある」を意味する。葉はその種小名通り、細かい鋸歯で縁取られる。野趣に富む花姿から、茶花に用いられることもあるそうだ。

 フタリシズカの名は謡曲『二人静』に由来する。2本の花穂が並んで風に揺れる様を、悲劇の武将源義経が寵愛した静御前の霊とその霊に取りつかれた菜摘女の舞う姿になぞらえた。万葉集に「山背(やましろ)」の枕詞として登場する「つぎねふ」のつぎねを、このフタリシズカまたはヒトリシズカとする説もある。「二人静しづかにかげをまとひけり」(角川春樹)


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