く~にゃん雑記帳

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<橿考研付属博物館> 3年ぶりリニューアルオープン

2021年11月15日 | 考古・歴史

【黒塚古墳の鏡34面一堂に、〝飛鳥美人〟複製陶板も新登場】

 国内有数の考古学資料の展示施設「奈良県立橿原考古学研究所付属博物館」(橿原市畝傍町)が改修工事を終え、約3年ぶりにリニューアルオープンした。空調施設や展示ケースの改修、耐震対策などで2018年12月末から閉館。この間、横浜ユーラシア文化館、九州国立博物館(福岡県太宰府市)など各地で「しきしまの大和へ―奈良大発掘」と題して巡回展を開いてきた。

 エントランスホールで最初に出迎えてくれるのは飛鳥京跡苑池(明日香村)から出土した2つの巨大な石造物。上部に横穴が貫通した噴水状の流水施設は高さが165㎝、最大幅が125㎝もある。水を貯める石槽は幅270×206㎝、深さ41㎝。苑池は7世紀半ばの女帝斉明天皇の時代に築かれたもので、日本最古の本格的な庭園といわれる。有料展示スペースは特別展示室と第1(旧石器~弥生時代)、第2(古墳時代)、第3(飛鳥・奈良~室町時代)の3つの展示室に分かれる。

 特別展示室ではリニューアルオープン特別陳列として、黒塚古墳(天理市)から出土した銅鏡34面全てを一挙に公開中。「画文帯(がもんたい)神獣鏡」1面は木棺内で刀や剣などの副葬品とともに出土し、「三角縁神獣鏡」33面は棺の周りから見つかった。来館者にとりわけ人気なのが第2展示室の県内各地の古墳から出土した埴輪群と藤ノ木古墳(斑鳩町)で見つかった国宝の金銅製馬具類。メスリ山古墳(桜井市)から出土した国内最大の大型円筒埴輪群には地震対策として今回新たに免震装置が設置された。このほかにも人物や動物、家、武具など様々な形の埴輪が所狭しと並ぶ。中には椅子にちょこんと男子が座ったユニークな埴輪も。この埴輪コーナーだけでも一見の価値がありそうだ。藤ノ木古墳の鞍金具や飾り金具などは発見当時の輝きを今も放って、相変わらず来館者を引き付けていた。

 第3展示室の目玉は高松塚古墳(明日香村)の壁画「西壁女子群像」(通称〝飛鳥美人〟)の複製陶板。発見当時の鮮やかな色彩や質感をそっくり再現したもので自由に触ることができる。来館者の中には去りがたいように何度も繰り返し触る方もいた。この壁画が見つかったのは1972年3月。来年でちょうど半世紀を迎える。この展示室の一角には奈良市郊外の茶畑から出土した太安万侶(古事記の編者)の墓誌や、興福寺旧境内から見つかった平安時代の将棋の駒(日本最古)なども展示中。同館ではリピーターの期待に応えるため今後定期的に展示品の一部を入れ替えていくそうだ。

 


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