く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ネオベンサミア・グラキリス> 1属1種のランの仲間

2018年12月13日 | 花の四季

【タンザニア原産、白い小花を毬状に】

 ラン科ネオベンサミア属の地生蘭。1属1種の植物で、世界自然遺産のセレンゲティ国立公園など大自然に恵まれたアフリカ中東部のタンザニアに自生する。草姿はアシ(葦)によく似て、直立した細長い茎にササのような線状披針形の葉を付ける。草丈は1mほどになる。

 主な花期は冬~春で、径2~3cmの白花が密集してオオデマリのような手毬(てまり)状の集合花を付ける。花は筒状で平開しない。ランの仲間は多くが美しく彩られた唇弁(リップ=中央下側の花弁)を持つが、このランにも赤紫色の斑点模様が入る。唇弁は蜜標(ネクターガイド)として昆虫に蜜の在りかを知らせるとともに昆虫の着地点の役割を果たす。

 学名「Neobenthamia gracilis」の属名ネオベンサミアのネオは「新しい」の意、ベンサミアは19世紀の英国の植物学者ジョージ・ベンサム(1800~84)への献名。ベンサムは10万点を超える植物標本を収集し、長年ロンドン・リンネ協会の会長も務めた(叔父のジェレミー・ベンサムは功利主義で有名な哲学者・経済学者)。ベンサムの名は同じラン科のベンサミア属にも献名されている。種小名グラキリスはラテン語で「細い・薄い」を意味する。


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