く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<パボニア> 鮮やかな赤花が印象的な熱帯植物

2018年12月12日 | 花の四季

【中南米を中心に約250種、仲間に白花や黄花も】

 パボニアはアオイ科パボニア属(ヤノネボンテンカ属)の植物の総称。パボニア属は中南米の熱帯地域を中心に世界に約250種分布する。日本でパボニアとして多く流通し栽培されているのは「グレドヒリイ」や「インテルメディア」と呼ばれる赤花で、原産地と花姿から「ブラジリアン・キャンドル」とも呼ばれる。パボニア属の仲間には白花の「ハスタータ」や黄花の「スピニフェクス」などもある。

 グレドヒリイはブラジル原産の「ムルチフローラ」と英国の植物学者デービッド・グレッドヒル(1929~)によって作られた「マコヤナ」の交雑種といわれる。赤い花びらのように見えるのは苞(副萼片)で、その苞の内側に濃い紫色の花弁と萼があり、筒状の雄しべと雌しべの花柱が突き出す。花期は通常初夏~秋だが、温室や暖かい地域では冬まで咲き続ける。高さは50~150cm。「ケルメシナ」と呼ばれる矮性品種もよく栽培される。

 属名パボニアはスペインの植物学者ホセ・アントニオ・パボン(1754~1840)の名前に因む。パボンはルイス・ロペス(1754~1816)が隊長を務めた南米の植物調査隊に参加し多くの新種を発見、帰国後ルイスと2人で『ペルーとチリの植物』(全10巻)を出版した。南米原産の植物の中には、学名にこの2人が共同命名者であることを示す「Ruiz & Pav.」と記されたものも少なくない。属名になっているヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)はハスタータ種の和名。葉が矢じりのような形で花がフヨウに似ることから、別名「タカサゴフヨウ(高砂芙蓉)」や「ミニフヨウ」とも呼ばれている。


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