く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<奈良国立博物館> 特別陳列「おん祭と春日信仰の美術―特集大宿所」

2018年12月14日 | 祭り

【絵巻物や古い文献、工芸品など35点を展示】

 今年も奈良最大のお祭り「春日若宮おん祭」(12月15~18日)の季節がやってきた。春日大社の摂社若宮社の祭礼で、平安時代の1136年(保延元年)に天下泰平や五穀豊穣を願って始まった。これまで一度も途切れたことがなく今回で883回目。最大の見どころは17日の華やかなお渡り式で、馬約50頭と約1000人の行列が目抜き通りを練り歩く。御旅所祭では田楽、猿楽、舞楽など古くから伝わる神事芸能が深夜遅くまで次々と奉納される。(写真は「春日若宮御祭礼絵巻」(上巻=部分)

 奈良国立博物館では毎年この時期に、おん祭に関する絵画や史料を展示し、その歴史や祭礼の様子などを紹介してきた。今回はお渡り式を描いた絵巻物などに加え、おん祭に奉仕する大和士(やまとざむらい)が精進潔斎する大宿所(おおしゅくしょ)を取り上げて、お渡り2日前の15日に開かれる大宿所祭の様子を描いた絵巻や古文書、飾り物なども展示している。

 3章構成のうち第2章「大宿所―潔斎の場と町のにぎわい」で展示しているのは、江戸時代の「春日若宮御祭礼絵巻」や「春日御祭次第」「懸物(かけもの)請状」「大宿所日記」「随兵(ずいひょう)甲冑」など。絵巻には大宿所での巫女による御湯立(みゆたて)神事の様子なども細かく描かれている。「懸物請状」の懸物は各地から寄進される雉(きじ)などの供物で、大宿所前にずらりと吊り下げられる。「随兵甲冑」は大宿所伝来品で、警護役の大和士が身に付けていた朱漆し塗りの具足。

 第1章「春日若宮のおん祭」では南北朝~室町時代の「春日文殊曼荼羅」や江戸時代の「春日若宮祭典式古図」「春日祭礼之図」など、第3章「春日信仰のひろがり」では春日社を俯瞰的に描いた「春日宮曼荼羅」や地蔵菩薩が雲に乗って飛来する「春日地蔵曼荼羅」、神鹿を描いた「春日鹿曼荼羅」など鎌倉~室町時代の図絵を中心に展示している。特別陳列の会期は1月20日まで。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« <ネオベンサミア・グラキリ... | トップ | <おん祭御湯立神事> 春日... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿