く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<クロガネモチ(黒鉄黐)> 花は地味でも冬の赤い実が存在感を誇示!

2013年12月20日 | 花の四季

【縁起木・野鳥の好物、多くのまちの「市の木」に】

 モチノキ科の常緑高木。関東以西の暖地の山地に自生し、大きくなると高さが20mにもなる。滑らかで灰白色の樹皮はかつて鳥や虫捕りのためのトリモチの原料になった。「クロガネ」の名は葉柄や若い枝が濃い紫色を帯びることによる。5~6月頃、直径4ミリほどの淡紫色の小花を付ける。ただ、この木は花よりも冬季の美しい赤い実で人気を集めている。

 実は直径5~8ミリほどの球形で、この実を求めて野鳥が集まる。同じ仲間にモチノキ、ソヨゴ、ウメモドキ、タラヨウ、イヌツゲなど。これらの樹木も真っ赤あるいは黒光りする実が美しい。クロガネモチは材が堅く緻密なため、古くから櫛や印材、そろばんの玉、洋傘や農機具の柄などに利用されてきた。公害に強く病害虫も少ないことから街路樹や公園樹としてよく植栽される。縁起がいい木としても知られ庭木としての人気も高い。その名前が「金持ち」や「子持ち」に通じることによる。

 「市の木」や「町の木」としても人気が高い。岡山市では市の木クロガネモチを「アクラ」とも呼び、市内中心部にはその名を冠した「あくら通り」もある。福岡県内では福岡、大野城、古賀、中間、久留米の各市、愛知県では瀬戸、大府、江南各市がクロガネモチを市の木に選んでいる。他にも鹿児島県の霧島、薩摩川内両市、和歌山県御坊市、広島県大竹市、大分県中津市、宮崎県延岡市など。

 徳島県阿波市の「尾開(おばり)のクロガネモチ」は樹齢600年余といわれ県の天然記念物に指定されている。広島県指定の天然記念物、広島市の「正伝寺」と北広島町の「本地」のクロガネモチは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の折に苗木を持ち帰って植樹したと伝わる。この他、大阪府堺市の「方違神社」や静岡県磐田市の「甲塚(かぶとづか)」、愛知県武豊町の「白山社」、鳥取県南部町の「佐伯家」などのクロガネモチも府県指定の天然記念物になっている。


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