く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<春日若宮おん祭> 古式ゆかしい伝統の「お渡り式」華やかに

2013年12月18日 | 祭り

【今年で878回目、総勢1000人余がお旅所まで】

 古くから大和の国で祭りといえば「春日若宮おん祭」(国指定の重要無形民俗文化財)を指した。平安時代の1136年(保延2年)に始まり1年も中断することなく今年で878回目。そのメーン行事の1つ「お渡り式」が17日、奈良市内中心部で繰り広げられた。華やかな時代装束を身にまとった総勢1000人余の大行列が目抜き通りを奈良公園内のお旅所まで練り歩いた。

 おん祭は春日大社の摂社・春日若宮神社の祭礼。若宮様はこの日未明の「遷幸の儀」で神社からお旅所の行宮(あんぐう)に遷られており、お渡りは芸能を奉納する人々がお旅所まで列をなして社参するもの。行列は正午、県庁前の登大路園地を出発し、近鉄とJRの奈良駅前を経て三条通りを東進した。その列は日使(ひのつかい)、猿楽、田楽、競馬、流鏑馬(やぶさめ)、野太刀、大和士(やまとざむらい)など、さらに郡山藩や南都奉行の大名行列など延々と続いた。

 

 

 三条通りを抜け春日大社の一の鳥居をくぐると「影向(ようごう)の松」。その前を通る際には「松の下式」といって、猿楽などさまざまな芸能を披露するのがしきたりになっている。参道では馬が2頭ずつ速さを競う「競馬」や馬上の稚児が3カ所の的に向かって矢を射る「稚児流鏑馬」も行われた。競馬は馬出橋からお旅所前までの参道を疾走し、流鏑馬では矢が命中するたびに参道を埋め尽くした観客から拍手と歓声が起きた。

 

 午後2時半からは「お旅所祭」が繰り広げられた。奏楽の中で神事が行われた後、社伝神楽や東遊(あずまあそび)、田楽、細男(せいのう)、和舞(やまとまい)など古くから伝わる芸能が次々と奉納された。おん祭が〝日本最古の伝統芸能の祭典〟といわれる所以もここにある。若宮様は午前零時までに神社にお戻りになるのが決まりで、深夜には「還幸の儀」が執り行われた。18日にはお旅所そばで「奉納相撲」と「後宴能(ごえんのう)」が行われ、15日の「大宿所詣」から丸4日間にわたったおん祭も諸神事全てが終了する。

  


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