く~にゃん雑記帳

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<京都文化博物館> 「京都・美のタイムカプセル」展 府のコレクション一堂に

2013年09月17日 | 美術

【開館25周年記念、絵画・工芸品・郷土玩具・楽器・振袖……】

 京都文化博物館(京都市中京区)で「京都・美のタイムカプセル」展が始まった。同博物館開館25周年と京都府立総合資料館の開館50周年を記念した催し。絵画から全国の郷土玩具まで幅広い京都府のコレクションを一堂に展示している。会期は12月1日まで。

 

 府所蔵作品の主なものは京都ゆかりの著名画家による絵画シリーズや観方コレクション、池大雅美術館コレクション、佐竹コレクション、朏(みかづき)コレクションなど。これらを通期、または1~3期に分けて展示する。絵画シリーズは「京の百景」「京の四季」「いのち賛歌」といったテーマに沿って多くの日本画家に描いてもらったもの。

 絵画ではいま小野竹喬「曇り日の海」、堂本印象「時の秘鍵」、池田遥邨「山の灯」、須田国太郎「戸外(の)静物」、向井潤吉「残雪の村」、上村淳之「長旅のはざまで」などが展示されている。動物画を得意とした山口華楊の「白鷺」(上の写真㊧)は「黒豹」や「虎」などの作品同様、生命の輝きにあふれ画面全体に品格が漂う。

 秋野不矩の「深山の春」(上の写真㊨=部分)はツツジの花の間からイタチ(それともテン?)がこちらをじっと見つめる構図。その表情はどこかユーモラスで、つい見入ってしまう。月岡雪鼎の「衣通姫図」(下の写真㊧=部分)は柳の下に佇む衣通姫(そとおりひめ)を描いたもので、禁断の愛を育んだという古事記の中の伝説による。月岡は美人画師として18世紀後半、大坂を中心に上方で活躍した。

   

 観方コレクションは日本画家・吉川観方氏から寄贈されたもので、日本画のほか染織、人形、調度品など約1万5000点に上る。展示中の「妓女図」(上の写真㊨=部分)は江戸末期~明治初期に活躍した日本画家・幸野楳嶺の代表作の1つ。幸野は竹内栖鳳や菊池芳文など多くの画家を育てた。円山応挙の高弟だった源の「富貴佳境・貴妃文楽図」、山口素絢の「太夫雪見図」、森徹山の「蘇武図」も出品されている。森徹山の養父・森祖仙は森派の祖。猿の絵を得意とし「猿祖仙」とも呼ばれた。

 池大雅コレクションは1995年に池大雅美術館から寄贈されたもので、今展では9作品を3期に分け3点ずつ展示する。朏コレクションは郷土玩具収集家・朏健之助氏が全国各地を回って集めたもので、1万点を超える府立総合資料館収蔵の郷土玩具の大半を占める。現在、全47都道府県の玩具が数点ずつ展示されている。

 佐竹コレクションは佐竹藤三郎氏が集めた古典楽器で、楽琵琶、龍笛、笙、鉦鼓などが並ぶ。このほか、江戸時代の小袖や振袖などの丸紅コレクションも展示されている。丸紅商店時代に京都支店が呉服デザインの研究目的のために収集したもので、2011年に約300点が府に寄託された。


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