く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<スズムシバナ(鈴虫花)> 秋の訪れを告げる青紫色の一日花

2013年09月16日 | 花の四季

【近畿以西の林地に自生、滋賀や京都、兵庫などでは絶滅危惧種に】

 日本から朝鮮半島、中国にかけて分布し、国内では近畿以西の林地の樹陰に自生する。キツネノマゴ科イセハナビ属の多年草。スズムシが鳴く頃に花が咲くことから、この名が付いたといわれる。同じように秋の虫にちなんで名づけられたものにマツムシソウ(松虫草)があるが、このスズムシバナは分布が西日本に偏っていることもあって、マツムシソウほど広く知られていない。

 草丈は30~60cmほどで、四角形の茎が直立する。9~10月頃、茎の先に直径3cmぐらいの青紫色の花を横向きに付ける。花の先は5つに分かれラッパ状に開く。朝開いて夕方までに散ってしまう一日花。葉は幅の広い卵形で縁にはギザギザ。虫には軟らかくておいしいのか、虫食い状態の葉っぱが目立つ。滋賀や徳島、京都、兵庫など西日本8府県では絶滅危惧種に指定されている。

 スズムシバナはかつてスズムシソウと呼ばれていた。だが、ラン科に同じ名前の植物があることから、混同を避けるためにスズムシバナに改められたという。ラン科のスズムシソウは5~6月頃、暗い紫色がかった褐色の花を付ける。名前はその花姿がスズムシの羽根のように見えることに由来し、スズムシランとも呼ばれる。

 このスズムシソウの学名は植物学者・牧野富太郎博士にちなむ「リパリス・マキノアナ」。和名スズムシソウの名付け親も牧野博士といわれるが、スズムシバナもあって紛らわしい。そこでラン科のスズムシソウは別称のスズムシランを一般の呼び名とし、スズムシバナはマツムシソウとの連想から元のスズムシソウに戻したほうがすっきりすると思うのだが……。


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