く~にゃん雑記帳

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<橿原市昆虫館> 南西諸島の蝶が飛び交う癒しの空間「放蝶温室」

2014年07月12日 | メモ

【オオゴマダラやオオムラサキなど10余種、今秋で開館から丸25年】

 橿原市昆虫館が香久山公園内にオープンして今年10月で25周年を迎える。来館者は2010年に200万人を突破した。中でも人気を集めているのが「放蝶温室」。主に沖縄・八重山地方に分布するオオゴマダラなど十数種、500~1000匹の蝶が年中飛び交う。子ども連れの家族客のほか、癒しを求めて繰り返し来館する若者や熟年の方も多いそうだ。(下の写真上段㊧オオゴマダラ、㊨リュウキュウアサギマダラ、下段㊧ジャコウアゲハ、㊨ツマベニチョウ)

 

 

 温室は広さが約500㎡。ランタナなど蜜源植物のほかハイビスカスなどカラフルな亜熱帯性の植物も多い。その間を様々な蝶が舞い、花に止まっては蜜を吸う。白地に黒の斑点が入ったオオゴマダラは開張(羽根を広げた横幅)が15cm近くもある。中には海を越えて〝渡り〟をするアサギマダラの仲間も。ジャコウアゲハやシロオビアゲハなどは独特な匂いを出すことで知られる。日本の〝国蝶〟オオムラサキはずっしりした胴体で存在感十分。紫色に輝く羽根も美しい。(下の写真㊧オオムラサキ、㊨シロオビアゲハ)

 

 ここの蝶は野外で採集したものではなく、原則として昆虫館生まれの蝶ばかり。母蝶は幼虫が好む植物(食草)に卵を産み付ける。卵は毎日夕方に回収して別の飼育室で育てる。食草は別棟の温室で栽培しているが、それだけでは間に合わないため沖縄の石垣島にも食草栽培圃場を設けている。食草の葉が少なくなる冬期には代用食として人工飼料も作っているそうだ。食草を乾燥させた粉末に栄養素を混ぜて作る。(下の写真上段㊧カバマダラ、㊨スジグロカバマダラ、下段㊧ツマムラサキマダラ、㊨?)

 

  

 南西諸島にすむ蝶は寒さに弱いため、飼育室の室温は冬期でも25度前後を保っている。放蝶温室に放つ蝶の数を調整するため、種類によっては低温下で飼育して幼虫や蛹の生育速度を遅らせることもあるという。怖いのは病気の発生。そのため飼育容器や器具は特に入念に消毒する。温室内の植物にハダニやアブラムシなど害虫が発生することも。そんな場合、農薬を使えないため、枝を切り取ったり強く放水したりテントウムシなどの天敵を使ったりしているそうだ。優雅な蝶の舞の裏側では担当者の様々なご苦労があった。


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