く~にゃん雑記帳

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<国指定の天然記念物> 奈良は19件 大阪、滋賀に次いで全国で3番目に少ない!

2012年05月20日 | メモ

【奈良大学公開講座「奈良の自然と天然記念物」】

 19日。講師は教養部の岩崎敬二教授。1957年愛知県生まれで、動物生態学専攻。緑色の明石縮の和服姿で講義。まずセミを例に挙げ「日本人が虫の鳴き声を聞き分けることができることに、欧米人は『アンビリーバブル!』と驚く。日本と英国は同じ島国でも日本には英国の4倍もの種類の生物がいる。日本独自の文化は日本固有の豊かな自然があってこそ生まれた」との前置きで講義はスタート。以下その概要。

 国指定の天然記念物は現在994件。その50%以上を植物が占める。都道府県別にみると、奈良県は19件(植物16件、動物2件、地質鉱物1件)で、大阪府、滋賀県に次いで少ない。県指定の天然記念物は全国で2905件あるが、そのうち奈良県は60件で、これも大阪府、滋賀県に次いで3番目に少ない。奈良の天然記念物の特徴は①古くから保護されていた原生的な社寺林や林床植物が多い②大和の歴史・文化と関わりのあるものが多い③植物では北方植物分布の南限、または南方植物分布の北限に当たるものが多い――など。

 国指定天然記念物〔春日山原始林〕春日大社の創建(746年)以来ほとんど人の手が加わっていない。高木はツブラジイ、低木はヒサカキが多いが、最近は外来樹のナンキンハゼの侵入、シカの食害で林床植物の減少が懸念されている〔知足院ナラヤエザクラ〕県花。「いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重に匂いぬるかな」(伊勢大輔)を基に植物学者三好学が探し求め東大寺の塔頭知足院で発見〔奈良のシカ〕春日大社創建の由来にちなみ藤原氏が手厚く保護〔ルーミスシジミ生息地〕春日山原始林内に指定地があるが、1976年以降発見されていない〔宇陀市向淵(むこうじ)と奈良市吐山(はやま)のスズラン群落〕国内のスズラン分布の南限〔上北山村のシシンラン群落〕イワタバコ科の暖地性着生植物。盗採で絶滅状態だが地元の熱心な保護でかろうじて存続〔吉野町の妹山樹叢〕大名持神社創建(859年)以来、樹木の伐採を禁止。山頂付近で新種のツルマンリョウ発見。人形浄瑠璃「妹背山婦女庭訓」の妹山背山の段の舞台として有名

 そのほかの国指定は春日神社境内のナギ樹林/三ノ公川トガサワラ原始林/二見の大ムク/仏経岳原始林/八ツ房スギ/与喜山暖帯林/丹生川上中社のツルマンリョウ自生地/宇陀市のカザグルマ自生地/天川村・大塔村のオオヤマレンゲ自生地/室生山暖地性シダ群落/屏風岩・兜岩および鎧岩


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