く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ハゴロモ(羽衣)ジャスミン> 清楚な花から甘~い芳香

2020年05月13日 | 花の四季

【ジャスミンの仲間、原産地は中国雲南省】

 モクセイ科ソケイ属の常緑つる性低木。中国南西部の雲南省の原産で、オーストラリアやニュージーランドでは帰化植物として各地にはびこっているそうだ。日本への渡来時期は不明だが、広く流通し始めたのは40年ほど前の昭和50年代に入ってから。高さが1.5~3mで、行灯仕立ての鉢植えにしたり、垣根やラティスにつるを絡ませたりして栽培されることが多い。

 花期は4~6月頃。針金のような細い茎の先に径2cmほどの五芒星のような形の白い花をたくさん付ける。開花とともに辺りは甘い香りに包まれる。学名は「Jasminum polyanthum(ヤスミヌム・ポリアンツム)」。属名の語源は「神様からの贈り物」を意味する「yasmin(ヤースミーン)」というペルシャ語が語源。種小名は「多花の」を意味する。その名の通り、最盛期には無数の白花が株全体を覆うように咲き乱れる。和名の「ハゴロモ」も一説に天女が身にまとう羽衣のような美しい花姿から名付けられた。別名に「ハゴロモソケイ(素馨)」や「ツルジャスミン」。

 ジャスミンは〝香りの女王〟と呼ばれ、古代エジプトのクレオパトラも愛したといわれる。甘い香り成分は主に酢酸ベンジルや安息香酸ベンジルなど。ただジャスミンの仲間のうち香料となる精油が採れるのはソケイやオオバナソケイ、マツリカ(アラビアンジャスミン)。ハゴロモジャスミンは香りが強いものの精油は採れない。なおジャスミンと名が付いた植物にカロライナジャスミンとマダガスカルジャスミンがあるが、これらはそれぞれマチン科、ガガイモ科に属し、分類上ジャスミンとは全く無関係。いずれもアルカロイド系成分を含む有毒植物で、かつて群馬県でカロライナの花をお茶にして飲んだ2人が中毒症状を起こしたこともあった。ジャスミンの名前に騙されてはいけない。

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