く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ノゲシ(野芥子)> ヨーロッパ原産のキク科の〝史前帰化植物〟

2019年04月10日 | 花の四季

【「ケシアザミ」や「チチグサ」「ウマゴヤシ」などの別名も】

 キク科ノゲシ属(ソンクス属)の越年草で、日当たりのいい道端や空き地などでごく普通に目にできる。秋に芽生えてロゼット状で冬を越し、春になると高さ50~100cmの茎を立ち上げ、径2cmほどのタンポポに似た黄色い花をいくつも付ける。茎は中空。花は朝開き夕方にはしぼむ。原産地はヨーロッパといわれ、古い時代に中国経由で渡来した〝史前帰化植物〟と考えられている。

 ノゲシの名は葉がケシに似て、葉や茎を傷つけるとケシ同様に白い乳液が出ることから。別名「ケシアザミ」。これは葉がアザミのように羽状に裂け、縁に鋸歯があることによる。乳液から「チチグサ」や「チチナ」と呼ばれることもある。若い葉は古くからサラダや和え物など食用とされてきた。学名の「オレラセウス」(種小名)も「食用蔬菜の」を意味する。また家畜の飼料として利用されたことから方言で「ウマゴヤシ」や「ウサギグサ」などと呼ぶ地方もある。

 ノゲシは草姿がよく似て秋に花が咲く「アキノノゲシ」と区別するため「ハルノノゲシ」とも呼ばれる。ただアキノノゲシは同じキク科でも全く別属で、野菜のレタスと同じアキノノゲシ属(ルクシカ属)。草丈も1~1.5mとやや大きい。この植物もかつて家畜の飼料とされ、ニワトリの餌として広く栽培されたこともあるという。ノゲシと同属の仲間に「オニノゲシ」がある。明治時代に渡来した帰化植物で、ノゲシの葉が軟らかいのに対し厚くて鋸歯が刺になっていて触ると痛い。その荒々しい葉の姿から「オニ(鬼)」と冠された。

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