く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ヤマコウバシ(山香ばし)> 「落ちない葉っぱ」受験生に人気

2019年02月20日 | 花の四季

【「山にある香ばしい木」、枯葉を付けたまま越冬】

 クスノキ科クロモジ属の落葉小低木で、本州、四国、九州の山地や丘陵地の樹林内に生える。樹高は3~7m。朝鮮半島や中国にも分布する。葉を揉んだり枝を折ったりすると、爽やかな香りがすることから風流な和名が付いた。別名に「モチギ」や「ヤマコショウ」。モチギは救荒時などに乾燥した葉を粉末状にして餅に混ぜたことから、ヤマコショウは実の辛味から。

 ヤマコウバシの特徴の一つはリンゴやナシのように冬芽が〝混芽〟であること。赤褐色の冬芽の中に花芽と葉芽を併せ持つ。春4月頃に新芽とともに淡黄色の小花を付け、秋になると鮮やかなオレンジ色に黄葉する。果実は直径7~8cmほどの黒褐色の球状。葉は冬を迎えても枯れたまま枝からほとんど落ちない。落葉するのは春の芽吹き時。これがヤマコウバシのもう一つの大きな特徴。冬枯れの雑木林の中で枯葉を付けたままのヤマコウバシはひときわ目を引く。

 このヤマコウバシの葉がいま受験生たちの合格祈願のお守りとして人気を集めている。〝発案者〟は広島市植物公園の園長さんらしい。同園の顛末記によると、落ちない葉っぱに着目して2008年1月、入園者に葉っぱを挟んだラミネート加工のカードを無料配布した。それが人気を集め希望者が殺到。そして同年12月からカードとしおりをそれぞれ1枚100円で発売すると、翌年春までに3500枚を超える売り上げがあったそうだ。

  それが新聞やテレビで取り上げられると、ヤマコウバシの葉は各地でモテモテに。今では広島県三原市の市民グループ「水辺環境みなおし隊」や佐賀市の「古湯温泉湯守り女将会」などが毎年手作りのカードやしおりを作製し、受験生への無料配布などに取り組んでいる。植物園や各団体には合格発表後「合格しました」と感謝の声も寄せられているそうだ。

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