CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】アリガト謝謝

2018-01-10 22:02:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
アリガト謝謝  作:木下 諄一

泣いてしまった
台湾が好きだというだけではなく、
こういう人同士のつながりというか、
優しさといったらいいのか、無私の愛だとか、
無為の友情だとか、ともかく、差し伸べるばかりの手というものに
物凄く弱いのでありまして、この物語では、
3.11の震災で交わされたものが描かれていて、
なんといったらいいのか、タイトルの通り、感謝しかないと
そんな風に思えてならなかったのであります

物語はフィクションなんだそうですが、
おおよその流れは本当の話に基づいているようで、
200億円の義捐金が集まった話と、
政府がお礼を台湾にしなかったから、
民間有志が台湾の新聞に広告を出した話と
このやりとりがメインになっていまして、
いずれも事実であるようで、200億円の話は知っていたけども
返事をしていたとは、まったく知らずと
恥ずかしい限りでありました
その頃に知ってたら、絶対乗ってたなぁ
いまさらである

と、そういうわけで、物語としては
台湾でどうしてそこまで日本への義捐金が集まったか
そのドラマチックともいえるある種の熱狂が、
ルポのように描かれていて、
そこに日本に対する想いのいくつかが語られて、
なんというか、暖かいというか、熱いものを覚えるのでありました
昔日本にはお世話になったという話が
一等きくなぁと想うんだけども、
かつて、台湾で地震があったときに、日本から救援がすぐいったというのも
いい話でよかったと、これまた、この物語で知ったんだが
そういうやりとりが日台の間にあるというのが
たまらなく嬉しいようで楽しいのでありました

個人的に、本当にあったかわかりませんけども、
台湾のお爺さんが、被災した福島の人たちが
じっと並んで配給を待っているという姿、その冷静さに
涙しているという情景が描かれているんだが、
この懐かしい日本がそこにあるんだと
そういう気持ちになったんだろうという描写がこれまた
凄く好きで、いいなぁと思いつつも、
これもまた、物語であって、
実際は、もう、そんな人も多くないようにもなぁと
ちょっと自分を含めて、残念に想ってしまったりもしたのでありました

ともかく、台湾との友情、あのとき何がなされて、
何を返したのだろうかというお話が読めて
物凄く満足なのでありました
ちょっと、肩入れがすぎるから、感想として
偏向はなはだしいけども、よかったと私は思うのである
読んでよかった