CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】スパイスの歴史

2018-01-30 21:28:20 | 読書感想文とか読み物レビウー
スパイスの歴史  著:フレッド・ツァラ

以前に読んだ、胡椒の歴史と似た感じの
スパイスがどういう歴史を歩んできたか
それを紐解いていくと、西洋の大航海時代に行き着くという
そんな西洋史、あるいは、グローバルな経済史を見るような
そういう内容になっていました

胡椒をはじめとして、シナモン、クローブ、トウガラシ、ナツメグ、そして胡椒と
5つの主要なスパイスについて、その来歴を解説しながら、
それぞれをどのように誰が獲得していったか、
このスパイスの魅力に取り付かれた人たちが
ネットワークを築いていったという話が
興味深く記されているのでありました

特にイスラム教のネットワークが強力だったようで、
その交易範囲で、ぐるぐるとスパイスが取引を拡大していき、
やがて十字軍だとか、西欧とアジアの衝突が発生し、
このネットワークや、物流というものが
流れを大きく変えて、世界中にスパイスが知れ渡るようになり、
海路で、様々な山師たちがこれを手に入れにきたと
まぁ、そういうお話でありました

マルコポーロ、バスコダガマ、コロンブスといった
冒険家たちの名前の出てきて、彼らが何を求めていったか
マルコポーロだけはちょと違うように思いますが、
新天地で、スパイスという黄金とも見まがうものを
見つけて、国へと持って帰りということを繰り返しながら
その覇権というか、やがて、産地を征服するという
列強の植民地政策を促していくところに繋がってと
なかなか、考えさせられるのでありました

実際に中世から近代にかけて、スパイスを手に入れるというのは
強い動機だったようにも思えて、人間の欲望の恐ろしさみたいなのを
見たようにも思うのでありました
現代のように、ありふれた中に暮らしていると
この良さというか、スパイスの魅力というのが
いまひとつわからないな、というか、クローブとかナツメグなんて
食べたことあるかどうかすらわからんと
思ったりもするのでありますが、
個人的に台湾にいって、八角だとか、あんな匂いに魅力を感じたりするあたり
やっぱり、スパイスは食に強い影響を与えて
魅惑的なそれなんだなと思い知らされたりしたのでありましたとさ

もっと、世界中の変わった香辛料とか
そういう話も読みたいんだが、まずはこれまでといった
ところでありました