CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【映画】嘘八百

2018-01-11 21:05:33 | ドラマ映画テレビ感想
邦画であります
中井貴一と佐々木蔵之助が出ている
いかにもな邦画ながら、コメディで楽しく
和やかな気分になれる一作でありました

うだつのあがらない骨董商が、
これまたうだつのあがらない陶芸家と組んで
一発、博打をというような内容で
ほどよい笑いをまぶしながら、まったく
肩肘張る必要のない物語でありました
いやー、正月から力抜けて、実に素晴らしい

そんなわけで、堪能してきたのでありますけども、
当然というか、個人的に骨董商、しかも、陶器を扱うというところに
俄然興味を引かれてみていたわけでありますが、
残念ながら、本当の名品が出てきてどうしたと
そういうお話ではありませんでして、
よくできた、利休にまつわる贋作物語といったところで、
だけども、これが本当によくできているというか
骨董の基本でもあり、胡散臭いところでもある
「歴史に値段がつく」というのを逆手に取るではないが、
贋物をこしらえる甲斐のある部分について、
面白おかしく見せてくれて、まったく説明されていないのに
なるほどなぁなんて、思わされたりして
嘘を堪能できたのでありました

実際の骨董世界がどうであるか、
このあたりは深淵でありまして、この映画を見てどうこう語るのは
いけないということはわかっているところであります
でも、この物語というか、歴史を語る部分の楽しさというのは
騙すとか、贋物とかはおいといて、
骨董の面白さの真髄だなと身に沁みたところ
こうこうこうなので、これが出てきて、今こうなのだと
うそ臭い事実だけども、いくつも並ぶことによって
価値が輝いてくるかのようになる
物語に騙されて金を払ってしまう
自分のようなものには、たまらんものだなと思い知った次第なのであります

結局、物の良し悪しというものは
さほど、価格に影響を及ぼさないのであるともいえる
美醜もそうだが、歴史についたって、
なんだか形ではないものについて
あれこれと説明と解説がついて、価値めいたものが創造されているんだと
改めて思い知るよい機会にもなったなんて
思ったりしたのでありました

ラストが、個人的にはちょっと納得いかなかったのでありますが
それでも、なんだか楽しい気分で終わる一本で
映画じゃなくて、ドラマでもよかったんじゃないかと
そう思わなくもないところであったけど
邦画っぽいといったらいいか、地味な題材で
面白おかしい日本的正月映画というのを堪能できたと
思ったりしたので、メモっておくのでありました

まずまず楽しめたので、よかったと思うのである
今年は何本見られるだろうか