「天使の分け前」はケン・ローチ監督作品であり、カンヌ国際映画祭の審査員
賞を獲った作品であること。もう1本の「HK変態仮面」は沢山の人が映画館に
足を運んでいる話題作というので、重い腰を上げて見た作品です。
果たしてその結果は・・・。
まず「天使の分け前」はスコットランドが舞台の物語です。
主人公ロビー(ポール・ブラにガン)は、少年刑務所を出たばかり。恋人レオニー
(シヴォーン・ライリー)と生まれてくる子どものために人生を立て直したいと思う
のですが、仕事も住む場所さえない状態で、またもやトラブルを起こしてしまい
ます。
服役の代わりに社会奉仕活動を命じられ、そこで3人の仲間ができ、奉仕活動
指導者でウイスキー愛好家のハリー(ジョン・ヘンショー)に出会います。
ハリーからスコッチウイスキーの奥深さを教わり、テイスティングの才能が開花。
ウイスキーが熟成する途中で少しづつ蒸発して量が減ることを"天使の分け前"
と教えられ、仲間たちと途方もない計画を思いつくのでした・・・。
この1樽100万ポンド以上する高級ウイスキーに人生の大逆転をかける仲間たち
の話は、ポール・ラバーティの脚本です。
滑り出しから面白そうで、軽快に描かれるのですが、段々面白くなくなり、特に
このラストで良かったのかと、見てて納得出来ない気持ちになりました。
主人公が仲間たちと一緒に、本当に更生して行くお話ならいいのですが、見て
てあれでは幸せな家庭を持てないと思ってしまうのです。
監督がケンめローチですから、随所にいい場面もあるのですが、結果はその場
しのぎの連続に終わり、明るく感動させるという強い力に欠ける作品だと思わざ
るを得ません。
「HK/変態仮面」は、1992~93年に「週刊少年ジャンプ」で連載されたあんど
慶周の人気漫画「究極!!変態仮面」を実写映画化したものです。
原作の大ファンを公言する俳優の小栗旬が脚本協力として参加とていますが、
彼の熱意が映画化を促したと伝わっています。
ドMの刑事とSM女王を両親に持つ紅游高校拳法部員の色丞狂介(しきじょう
きょうすけ・鈴木亮平)は、転校してきた姫野愛子(清水富美加)に一目ぼれして
しまいます。
ある日、愛子が銀行強盗事件に巻き込まれ人質にとられる事件が発生。覆面
を被り変装して強盗を倒そうとした狂介は、間違って女性用パンティを被ってし
まいます。しかしその瞬間、狂介の奥底に眠っていた変態の血が覚醒し、人間
の潜在能力を極限まで引き出した超人「変態仮面」に変身するのでした・・・。
監督は「コドモ警察」の福田雄一です。
映画の感想は百人百様が当り前だと私はいつも言っています。この作品とて同
様なのですが、周囲の好評と観客動員に、あまりにも水を差すような発言で悪い
とは思いますが、率直に言って出来の悪さに驚いています。
なにが面白いのか、いいのかさっぱり判りませんし、笑うより苦笑の連続です。
あのようにくだらない役を主演者たちが一生懸命やっているのが素晴らしいとも
聞きますが、いくら熱心に演じても肝心の映画の内容や出来ばえが駄目なら、そ
れは気の毒にしか見えません。
続編なんて全く期待しないし、こんな映画を作っていたら邦画の滅亡につながり
ますよ。
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