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「舟を編む」は、2012年に本屋大賞を受賞した三浦しをん作のベストセラー
小説の映画化です。
「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」という
意味でこの書名が付いているのだそうです。
物語は1995年から始まります十数年を経過します。
玄武書房の営業部に勤務する馬締光也(松田龍平)は超がつく真面目人間
です。
営業力はサッパリですが、真面目を買われて新しい辞書「大渡海(だいとか
い)」の編集部に迎えられます。
監修者の松本(加藤剛)と編集者の荒木(小林薫)は間もなく定年を迎えること
になっていて、残るのは西岡(オダギリジョー)と佐々木(伊佐山ひろ子)のみ。
辞書づくりに没頭する馬締ですが、彼が暮らす下宿の女主人・タケ(渡辺美佐
子)の孫娘・香具矢(宮崎あおい)に出会い、一目惚れします。
彼女は板前の修業中の身ですが、馬締は言葉を扱う仕事をしているのに、彼
女に自分の気持ちを伝える言葉が見つからず、うろうろするばかり・・・。
主人公の真面目さ不器用さ野暮ったさが実に上手く描かれていますが、演出
もある時には実に野暮ったく見えるところがあるものの、途中からそれは計算
された演出だと気が付いてくるくらい石井裕也監督の力量を買います。
それに脚本がいい出来ですね。人と人の出会いや、辞書編纂という特殊な仕
事場のくだりなど、原作のポイントを上手く掴んでいるし、省略も実によく、人の
死の場面の省略などを含めて脚本・演出の勝利でしょう。
二枚目を封印した松田龍平は素晴らしい出来だし、宮崎あおいも久し振り好演
だし、ほかに出てくる人出てくる人がみんな味があってキャストも大絶賛です。
あまりごたごた述べませんので、是非ともこの映画をご覧くださいと申し上げた
いです。