「相棒」シリーズのスピンオフ映画ですが、思ったよりよく出来ていて面白い
です。
ある朝、燃え残った札束と一緒に男の変死体が発見されます。その男は東
京の某銀行本店システム部の中山で、かねてからネットに不正アクセス、機
密情報を流していた疑いでサイバー犯罪対策課にマークされていた人物だっ
たのです。
警視庁捜査一課刑事・伊丹憲一(川原和久)と、サイバー犯罪対策課専門捜
査官・岩月彬(田中圭)は世代も捜査方針も違う二人ですが、いがみ合いなが
らもコンビで捜査に当たることになります。
ところが、目に見えない圧力が2人の捜査を難航させ、やがて事件の裏でう
ごめく政官財の権力構造と、金融封鎖計画「X DAY」の存在が明らかになっ
て行くのでした・・・。
伊丹役はシリーズでいつもいや味たっぷりの憎まれ刑事役川原和久と、岩月
役に田中圭の二人。パリに出張中の水谷豊演じる杉下右京や、シリーズの主
要キャラクターも一寸だけど登場しますし、加えて木村佳乃・国仲涼子・別所哲
也らが共演。監督は「探偵はBARにいる」「臨場 劇場版」で腕を磨いている橋
本一です。
冒頭にも書きましたが、監督の手腕で中々面白いドラマ作りがされていて、少
し甘いかも知れませんが拾い物の一本です。
成功の一因は、いつもは嫌味たっぷりで憎まれ刑事役の川原和久が上手く生
かされて実にいいのです。「X DAY」なんて現実には起こる筈は無いと思いなが
らも、お話に引きずり込まれてしまう展開の上手さもあります。
少し辛口も加えるのなら、ラストの紙幣の乱舞はやり過ぎだし、もっと具体的に
ケジメをつけた方が良かったと思います。それと政治家役の木村佳乃はミスキ
ャストです。