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「キング・オブ・マンハッタン」の脚本・監督ニコラス・ジャレッキーは劇映画初
監督で、この人の俊英ぶりは前から喧伝されており、楽しみにしていて見ま
した。
マネービジネスの成功者として全米に広く知られる投資家ロバート・ミラー(リ
チャード・ギア)は、投資で失敗して巨額の損失を出してしまいます。
会計監査の内容を隠すために借りた4億ドルの返済期限が迫り、内容を隠し
たまま会社を売却して資金を作ろうとしますが、思うように進みません。
そんな時、ロバートは不注意で交通事故を起こし、同乗していた愛人ジュリー
(レティシア・カスタ)が即死。この事件を自分が起こしたことが妻(スーザン・サ
ランドン)や世間が知ると全てに行き詰ることを恐れたロバートは事故現場から
逃げ去りますが、その姿は目撃されていたのです。無理で強引なアリバイ工作
を、以前世話をした黒人青年に依頼して無関係を装いますが、曲者刑事(ティム
・ロス)が急追して来ます・・・。
この新人監督は中々の曲者(褒め言葉)です。インディペンデント映画ですが内
容も奥深く、物語の進展を面白く見せてくれます。
この事件には通常作品よりも多くの関係者がからみますが、それらがとても上
手く整理されて物語を進めて行きます。
結末が少し甘いかなとは思うものの、上記のように展開が上手いし面白いし、
映像も優れていて佳作と言えましょう。
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「らくごえいが」は、古典落語「ねずみ」「死神」「猿後家」を原作・原案とし、これを
現代に置き換えたらどんなお話になるかを、オリジナルの三つの短編にしたオム
ニバス映画です。
ベテランから若手にいたる落語家へのインタビューも含まれていて、製作は東京
芸術大学大学院映像研究科所属の学生スタッフによる作品です。
第一話「ねずみ」は映画のロケ地探しに奔走する映画製作会社スタッフの林田か
るほ(田島ゆみか)は、上司の左甚六(音尾琢真)を実家に招待して戸惑うお話。
第二話「死神」は不思議な男(安田顕)とある約束を交わしたことで、死の一歩手
前だった男(山田孝之)は不思議な力を与えられるが、途中で約束を反故にして
しまうというお話。
第三話「猿後家」は、映画の撮影現場に主役がなかなか登場せず、困惑する監
督(戸次重幸)とプロデュサー(加藤貴子)のお話。
若きクリエイターたちが将来を目指してどれだけユニークにアレンジするのか楽
しみにしていたし、ご贔屓の一人・山田孝之もこの作品に出演している期待もあ
りました。
でも結論から言いますが、まるでちゃちな素人映画です。よくもこなな映画を作っ
たものだと呆れています。
何が古典落語の発展的オムニバス映画かと腹が立つくらいの出来です。
山田孝之が色々な異色作品に出る意欲は買いますが、これではもう少し選別を
すべきだったと言いたいです。