ヒーローになりたいと願うゲームの悪役キャラクターが、これも嫌われ者の
少女と、ゲームの世界を救うため活躍する姿を描いたディズニーの3DCG
アニメーションです。
また今年のアカデミー賞短編実写映画賞を獲得した「紙ひこうき」(七分)が
同時上映なので期待して出掛けました。
アメリカで長年親しまれているアーケードゲーム「Fix-It Felix」の悪役キャ
ラクター・ラルフは、ヒーローに憬れる悪役キャラです。
ラルフは悪役を演じ続けることに嫌気がさし、ゲーム界の掟を破って自分
のゲームから飛び出してしまいます。
ラルフが迷い込んだ先は、お菓子の国で繰り広げられるレースゲーム「シ
ュガー・ラッシュ」でした。
そこでヴァネロペという変わった少女と出会い、孤独な二人は友情を深め
て行きます。
そんな二人にさまざまな困難が襲いかかりますが、今までは自分のことし
か考えていなかったラルフに、初めて"誰かを守りたい"という感情が芽生
えるのでした・・・。
映画の中には、「スーパーマリオ」のクッパや「ストリートファイター」のベガ、
ザンギエフ、「ソニック」シリーズのドクター・エッグマンら、日本の人気ゲー
ムの悪役も多数登場しますし、日本のポップカルチャーの影響を受けた美
術や、AKB48の楽曲が全世界共通で使用されていて、中々カラフルで興
味を引きます。
監督はこれが長編アニメーション監督デビューとなるリッチ・ムーアで合格
点でしょう。
ただ私を含めて、アーケードゲームを知らない人とか、興味が薄い者には
正直言って、もう一つ乗り切れないモノがあり、これが減点になる心配が
あります。
せっかく質的にも優れた映像化に成功しているのですから、ゲームを知ら
なくても、もっと楽しめる撮り方があったように思います。
それと同時上映される、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作
の7分間の短編「紙ひこうき」が素晴らしい短編です。今年のアカデミー賞
短編映画賞を獲得したジョン・カースの初監督作品ですが、これを見れた
ので、人によっては「シュガー・ラッシュ」の不満分を取り戻せた気にさせ
てくれる程です。