映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「ヒッチコック」

2013年04月16日 | 日記

   

     亡くなって30年以上が経ちますが、いまでもサスペンスの巨匠と言われる
     アルフレッド・ヒッチコック監督です。
     彼は数々の名作を世に送り出していますが、どうゆう訳かアカデミー賞を手
     にすることが無かったのはハリウッド不思議の一つです。
     その無冠の帝王ヒッチコックと、映画編集者であり脚本家でもあった妻アル
     マが、後にサスペンスの最高作といわれた「サイコ」の製作にまつわる物語
     で、スティヴン・レベロの原作をサーシャ・ガヴァシが監督。私的には待ち焦
     がれた一本でもありました。

     1955年に「北北西に進路を取れ」がヒットし、順調に次回作を撮るつもりだっ
     たヒッチコックですが、なぜか引退の噂が流れ、彼が撮りたい「サイコ」の内
     容がいま一つとして親会社パラマウントが乗らず、配給はしても製作資金を
     を出せないと言うのです。

     仕方なく夫婦で製作資金を捻出して完成した「サイコ」は、内覧試写でこっぴ
     どく酷評されしまいます。
     それでも妻アルマの励ましで再編集し、効果的な音楽をつけ、絶叫の代名
     詞となる歴史的名場面が誕生することになります。
     更にヒッチコックは画期的なプロモーションでファンの期待感を煽り、映画監
     督としてだけでなく宣伝マンとしても稀有な才能も発揮するのでした。

     当時ヒッチコックは60歳でしたが、感性を常に研ぎ澄ませていれば、斬新な
     アイデアのひらめきに肉体的な年齢は関係ないと、ヒッチコックはこの映画
     で説いてみせる・・・のがこの映画のストーリでもあります。

     特殊メイクまでしたヒッチコック役のアンソニー・ホプキンスですが、本物の
     ヒッチコックは彼の作品にはどこかに出てくるし、テレビでも「ヒッチコック劇
     場」は数多く放映されているので誰もが知っている顔であり、それがあまり
     似ていないので困るのです。
     それが惜しいと思うものの妻役のヘレン・ミレンとの葛藤演技は上手いその
     ものでした。

     それと、天才肌ではあるが彼の悪辣さとかが一種の狂気として感じさせる
     場面が不足しているの不満はありますが、製作秘話、製作者としての夫婦
     葛藤、編集の大切さ、映画宣伝についての挿話は面白くて喝采です。
     私には面白かった作品というか、好きな一本でありました。

コメント
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