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映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「アウトレイジ ビヨンド」

2012年10月17日 | 日記

   

     前作「アウトレイジ」(2000年)の5年後の世界が描かれる、北野武監督・主
     演映画の続編です。

     関東最大の暴力団組織・山王会の抗争から5年の月日が流れます。
     関東の頂点を極め、政治の世界に進出するなど過剰に勢力拡大を進める
     山王会。対して組織の壊滅を図る警察が動いて、関西の雄ともいえる花菱
     会と、表向きは友好関係を保っている東西の巨大暴力団組織を対立させよ
     うと画策します。

     そんな時に、前回の抗争中に獄中で死んだ筈の大友(北野武)が生きていて、
     突然出所を告げられます。
     出所する大友を出迎える刑事の片岡(小日向文世)の目論みとは・・・。

     ビートたけし、三浦友和、加瀬亮、松重豊、中野英雄、小日向文世らに加え、関
     西ヤクザ役で西田敏行、塩見三省、高橋克典、桐谷健太、新井浩文らが新たに
     加わり、前作に増して罵声のオンパレードです。

     私的には前作もあまり買っていません。更に最近のたけしをテレビで見ていて
     思うのですが、彼のギャグやジョークのピント外れに笑うに笑えない状態です。
     しかも彼自身は得意満面で、周囲の人たちに同調するよう仕向けたりしている
     姿は自己満足もいいところの世界です。

     この映画も同じです。汚い言葉で怒鳴りあい、殺し殺されて行く・・・。こんなムダ
     死に男の美学を見ることが出来るなどと言っている方もいますが、美学とはこん
     な場合に使う言葉ではないと思います。
     更に困ったことに興行は大ヒットだそうです。当たれば当たるほど、娯楽的にも
     質的にも優れた作品を出して欲しかったと、心の底から思う私でした。
                         (10/11 大洋映劇 6日目 13:15の回 22人)

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映画 「ソハの地下水道」

2012年10月16日 | 日記

   

     この作品は、「太陽と月に背いて」や「敬愛なるベートーベン」などで著名な
     ポーランドの女性監督アグニェシカ・ホランドの最新作であり、今年の第84回
     アカデミー外国語映画賞にノミネートされた作品でもあり、大いに期待して見
     ました。

     物語の舞台は1943年3月、第二次世界大戦中にナチス占領下のポーランド
     東部ルヴフです。
     地下水道で働くソハ(ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ)は、迷路のように入り組ん
     だ地下水道の修理と、戦争で誰もいなくなった家から物品を持ち出したりして
     妻子を養っています。

     そんなある日、ゲットーからトンネルを掘って逃げてきたユダヤ人たちを見つけた
     ソハは、最初は隠れていることの口止め料を貰い、加えて一日500ズロチを要求
     しますが、彼らの実状を知るにつれて段々と気持ちが変わって行くのでした。
     そして町に大雨が降り、彼らが隠れている地下水道が水があふれ危機に瀕する
     事態が起こり・・・。

     作品の中には残酷極まりないナチの仕打ちや、よくぞこんな場所に隠れていたと
     思うような場所での描写など、これが本当に女性監督の演出なのかと一瞬考える
     ほど生々しいしド迫力ありますし、実話の強さがまじまじと見る者に迫ります。
     そしてどんどんユダヤ人側の立場に傾き、彼らに一筋の希望の光になって行く主
     人公役の渋い演技に唸ることにもなるのです。

     この年のアカデミー賞外国映画賞はイランの「別離」が獲りましたが、私は「ソハの
     地下水道」が獲ってもおかしくなかったと思っています。
     少々長くって145分の上映時間ですが佳作です。是非ご覧ください。
                        (10/13 TOHOシネマズ天神 初日 9:45の回 25人)

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映画 「くろねこルーシー」 + 「わたしたちの宣戦布告」

2012年10月15日 | 日記

   

     本日も映画の感想2本立ですが、旅行での遅れをほぼ追いついた感じです。
     旅行の疲れも取れましたので、またしっかり書きたいと思っています。


     まず「くろねこルーシー」です。
     黒猫を飼い始めたことで事態が好転してく男の姿を描いたTVドラマ「くろねこ
     ルーシー」の劇場版最新作です。
     ドラマ版主人公・鴨志田陽の父親を主人公に、妻子に見放されたダメ占い師
     が、2匹の幼い黒猫に励まされ、前向きになっていく姿を描いて行きます。

     迷信を信じ、縁起を担いでばかりいる気の小さい占い師・鴨志田賢(塚地武雅)
     は、妻の幸子(安めぐみ)と5歳の息子と別居し、わびしい一人暮らしを送ってい
     ました。
     そんなある日、鴨志田の前にルーシーという名の黒猫が現れ、2匹の子猫を置
     き去りに。
     仕方なく子猫の世話をすることになった鴨志田でしたが、この時から不思議な
     出来事が起こり始めて……。

     監督は「ねこタクシー」の亀井享。主演は「ドランクドラゴン」の塚地武雅に安め
     ぐみ、濱田マリなどがでています。
     塚地武雅は'06に「間宮兄弟」で日本アカデミー賞新人賞を取っていますが、今
     回は特に上手いというより普通の出来でしょう。でも他の俳優さんが揃って下
     手なのが気になります。

     題材が面白いので、もうひと工夫すれば良かったのにと思いますが、演出が冴
     えないのと、低予算で製作した見本みたいな映画の出来で、これだと映画では
     なく最初からテレビでやればいいのにと感じました。
     最初と最後の挿話・シーンは不要で、こんな調子ですから全体が長過ぎてダラ
     ダラしているのです。
                          (10/10 キャナルシティ 5日目 9:30の回 9人)


   

     次はフランス映画で「わたしたちの宣戦布告」です。
     かつて実生活でパートナー関係にあった監督・脚本・主演のバレリー・ドンゼッリ
     と、共同脚本・主演のジェレミー・エルカイムが、二人とその子どもに起こった実話
     にもとづき描いたドラマです。

     出会ってすぐに恋に落ちたロメオとジュリエットの間に生まれた息子アダムは、悪
     性の脳腫瘍を患っていることが発覚します。
     2人は互いを励まし合いながら、息子の病気と闘っていくのでした・・・。

     ヴァレリー・ドンゼッリの監督作品は2作目ですが、精神的にも経済的にも最悪ま
     で追い詰められた夫婦が、その闘病生活をポジティブに描いていて好感がもてる
     演出・主演ぶりです。それにテンポがいいし、劇中で「愛と誠」のようにミュージカ
     ル仕立てになりますが、こちらの方が断然スマートです。

     更に8歳に成長した息子のアダム役にも、実際の2人の息子を起用していますが、
     なんと言ってもこれが実話だというのが凄いし、最後まで一気に見せてくれます。
     細かいことを言うのを押さえたい気持ちになる不思議な映画でした。
                            (10/4 KBCシネマ 7日目 12:00の回 12人)

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映画 「ラ・ワン」 + 「ロック・オブ・エイジス」

2012年10月12日 | 日記

   

     「ラ・ワン」はインド映画の人気スター、シャー・ルク・カーンが主演、劇中歌
     をレディ・ガガのプロデューサーが担当し、途中で派手な歌とダンスがあり、
     インド映画ならではのSFアクションです。

     デジタルデータを現実世界に物質化することが出来るという画期的な新技
     術がイギリスにあるインドの会社で開発されたころ、社員のシェカル(シャー・
     ルク・カーン)がバーチャルゲーム「ラ・ワン」を作り上げます。
     その"ラ・ワン"をゲーム途中でやめてしまった少年に怒りを感じたゲームの
     中のキャラクターが、なんと少年を抹殺しようと現実世界に現われて暴れま
     くるというストーリー。因みにラ・ワンちはボスキャラのことです。

     ひところのインド映画は書割り背景が定番でしたが、いまやハリウッドとの
     提携でCGの技術は本場にヒケを取らないし、お話が判りやすいし娯楽性に
     徹底しています。

     列車を舞台にしたシーンも痛快ですが、暴走する列車が突っ込むのは、「ス
     ラムドック$ミリオネア」にも出てくるムンバイ駅で懐かしいです。加えて、歌
     と踊りもやる主演男優・女優たちは、大変だなーと思いながら理屈抜きで楽
     しんだ始末。
     先月末にインドへ旅行したからというお義理点は一切なしでお薦めです。
                         (10/1 大洋映劇 3日目 19:30の回 24人)


   

     「ロック・オブ・エイジス」はブロードウェイでヒットしたロックミュージカルの映画
     化で、1980年代を代表するロックナンバーを中心に構成、「ヘアスプレー」の
     アダム・シャンクマンが監督です。

     物語の舞台は80年代、ハリウッドのライブハウスです。
     働きながら歌手を目指す青年ドリュー(ディエゴ・ボネータ)と少女シェリー(ジュ
     リアン・ハフ)は、互いの夢を語り合う内に惹かれあうようになります。
     あるとき、スーパー・スターのステスシー(トム・クルーズ)とシェリーが関係を持
     ったと誤解したドリューは、彼女と喧嘩別れをしてしまい、お互いへの想いを胸
     に秘めたまま別々の道を歩みますが・・・。

     映画初出演のディエゴ・ボネータ、「バーレスク」のジュリアン・ハフをはじめ、
     ラッセル・ブランド、ポール・ジアマッティ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズらが共
     演して歌ったり踊ったり・・・。
     特にトム・クルーズが“ロックの神様”ステイシー・ジャックスを大熱演です。

     ストーリー的にもミュージカル場面も、特に新味は無いのですが、最近はひと
     捻りしたミュージカル作品が多いので、このような昔ながらのスタイルも中々
     いいと思いながら見ました。
     「デフ・レパード」「ジャーニー」「ボン・ジョヴィ」「ポイズン」「ホワイトスネイク」な
     どのヒットナンバーも多数登場して楽しませてくれます。
                          (10/3 大洋映劇 12日目 12:30の回 3人)


       * 土・日曜はお休みで、次回は来週月曜です。
         話題作「アウトレイジ ビヨンド」も見ましたので、来週早々
         書かせていただきます。

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映画 「ツナグ」 と 「セブン・デイズ・イン・ハバナ」 の感想2本立

2012年10月11日 | 日記

  

     旅行でのお休みが長かったため映画の感想が溜まっています。従って本日は
     二本立てです。スルーする作品はちゃんと題名を載せてからスルーします。

     「ツナグ」は直木賞作家・辻村深月による同名小説の映画化です。
     一見すると普通の男子高校生・歩美(松坂桃李)は、祖母アイ子(樹木希林)か
     ら死者と生者を引き合わせるツナグを継ぐ見習いとして、死者との再会を望む
     さまざまな人と出会って行きます。
     しかし、死者との再会が救いになるのか、人生は変わるのか、次第に自身の
     行為に疑問を抱くようになるのでした。

     注目の若手俳優・松坂桃李が初主演し、祖母役の樹木希林のほか、佐藤隆
     太、桐谷美玲、橋本愛、八千草薫、仲代達矢、遠藤憲一、別所哲也なと錚々
     のキャストで固めています。

     監督は「ROOKIES 卒業」の平川雄一朗ですが、正直言ってあまり上手くなく、
     ほとんど荒唐無稽のまま終わってしまいます。
     更にどこでもCMを入れられるようなボッツンボッツン演出と編集で、これはテ
     レビ番組ではなく映画ですから、映画らしく撮ってほしいものです。
     結果は原作を想像しながら読む方が楽しい筈。樹木希林などベテランは無難
     ですが若手の演技はいま一つです。私的には期待を裏切られた作品でした。
                     (10/6 TOHOシネマズ天神 初日 12:30の回 81人)

   

     次はもう少しで見逃すところだった「セブン・デイズ・イン・ハバナ」です。
     "世界でもっとも美しい島"とも評されるキューバの首都ハバナを舞台に、月曜
     から日曜までの7日間を7つの挿話で、ギャスパー・ノエ、エリア・スレイマン、
     ローラン・カンテなど、個性的な7人の監督が撮ったアンソロジーです。

     旅行や仕事で訪れた外国人や現地で生きる人々など、多種多様な人物の日
     常の断片を切り取るばかりか、ハバナの街の息吹を楽しくいきいきと描き出し
     ています。
     出演はダニエル・ブリュール、エミール・クストリッツァ、ジョシュ・ハッチャーソン
     ら無名に近い人が大半です。

     この作品は内容が内容ですから総合点を付けるより、映画を見た仲間が集ま
     って七つの挿話のどれが好きだったかを語ることが楽しいように思えます。
     私は全体的に好きですが、特に2話、5話、6話が大好きでした。
                         (10/9 KBCシネマ 18日目 16:05の回 6人)

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