kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

想うこと3

2014-02-22 | 陸上競技
こんな内容を書こうと思った出来事がいくつかあります。声を大にして発言すると120%叩かれる。こういう世の中ですからね。それでも少し考えたいことがあります。

今回、オリンピックが開催されています。このこと、実は「公務員叩き」に近い部分がある。「時間外労働」云々とは違うのですが。「教育のためであれば個人を犠牲にするのは当然だ」という風潮があるのは確かです。「教員」は「税金で生活しているのだから」という大義名分のようなものがあります。「自己犠牲」は当然である。まー「時間」とか「お金」のことを言い出したらきりがない部分はあるのですが。「生徒のために」という感覚は強くあります。そうでなければ今の私のスタンスで人と関わることはできないと思いますから。

それでも「税金で生活しているのだから当然だ」と言われるのは微妙です。それを言ったら「企業」も我々が働いて得たお金でそこの商品を購入して給料を得ています。税金とは異なりますが。皆それぞれの立場で誰かが働いて得たお金を別の形で得て生活をしています。公立学校がなければ小学校から高校までかなりのお金を支払って勉強をさせなければいけなくなります。全ての学校が私学だったらどれだけ経済的負担が大きくなるでしょうか?公共の施設を利用するのと同じで多くの恩恵を受けています。もちろん、私も同様です。

今回、オリンピックでメダルを取れなかった選手に対して「我々の税金を使って行っているんだから謝れ」というようなコメントが多数されていました。「楽しかった」という発言は不謹慎だ。「税金使って観光に行ったのか?!」というような批判のされ方です。うーん、どうなんでしょうか。

確かに「国」の代表として出ています。しかし、全員がメダルの獲得が可能か?と言われたら間違いなく違います。不可能です。メダルを取れるのは世界でたった3人しかいません。それ以外の人はどれだけ実力があってもメダル獲得は不可能です。ある選手が入賞しましたが、メダル獲得ができずに泣いていました。「申し訳ないので旅費は自己負担でも構わない」というニュアンスの言葉で謝っていました。本当に謝る必要があるのでしょうか?ここは本人がどう感じていたのかが分かりませんからなんとも言いにくい部分ですが。

オリンピック代表になるだけでものすごい苦労と努力をしています。何とかオリンピック代表になったというだけですごいことです。その上メダルを取るという行為は普通の人達が考えられない程のことです。メダルを取ったから景気が回復するのかといわれたらそれはないと思います。経済的に大きな効果はないかもしれません。それでも選手は必死になって努力を重ねてその場に立ったのです。

それを「税金泥棒」のような表現の仕方で叩くというのは如何なものか?勝てば官軍負ければ賊軍のようなものです。メダルが期待されていて取れなかった選手は涙ながらに謝る、それほど期待されていなくてメダルを取った選手は一躍時の人となる。周りのためにこれまで長い時間をかけて努力をしてきたのでしょうか?絶対に違うと思います。

応援してくれた多くの人達にの期待に応えられなくて申し訳ないと涙を流す。特に家族や同僚、周りの人達の支えがあったからそこまで頑張れたのだと思います。その人達の期待に応えられなかった。分かりませんが「結果を出して恩返しをしたかった」という意味があると思っています。オリンピックは国家の代表としての「代理戦争」と見る人もいるのかもしれません。他国ではその意味合いを持たせているかもしれません。イチローやダルビッシュがメジャーリーグで活躍する。「日本人は海外でも戦えるんだ」という部分を「選手」に重ねているのでそのことを喜ぶ。自分自身が活躍したのではなく、他の選手が活躍したことで「日本人は海外でも戦える」と感じる(小難しく書くとナショナリズムの話になるのですができるだけ平易な言葉を使いながら書きます)。

マスコミが取り上げるので選手を「身近な存在」として感じ始める。で、過剰な期待をする。上手くいかなければ激しく叩く。イチローやダルビッシュ、サッカーの本田選手は「自分の力だけ」で海外に進出しています。が、オリンピック代表は「税金」を使って出場することになる。自分がほんの少しだけでも関わっていると感じることができるのかもしれません。だからこそそのことに対して「税金を返せ」という攻撃対象になりやすい。選手が本当に「税金でオリンピックに出場させてもらっている」と感じるのでしょうか?そんなことを感じるような国で本当に良いのか?純粋にスポーツに打ち込む姿を見て心打たれる。そのために少しの税金が使われても十分ではないか?そう考えるのはダメなことなのでしょうか。

これがうちの選手だったらどうでしょうか。県総体を勝ち上がって中国大会に行く。県総体で6番以内に入れなければ中国へはいけません。どれほど一生懸命にやっていても7位になれば中国には進めないのです。同じく中国大会で6番以内でインターハイ。それでは7位になった選手は批判されるべきなのか?学校の教育後援会費の中から「遠征費」を負担してもらっています。「インターハイに行くために中国大会の遠征費を出した。行けなかったのだからお金を返せ。みんなの前で謝れ。」と言われる。こんなことがあり得るでしょうか?

そんなことを言い出したら全てのことが「無駄」となってしまします。 もし「金返せ」という批判になるのであれば、「選手選考」の部分からすべて考え直さなければいけないと思います。高校の陸上で言えば「県で6位以内」でもインターハイに行ける可能性が低いのであれば「無駄遣い」になるので中国大会に進めない。標準記録を設定してその記録を突破できなければ優勝してもインターハイに行けない。いや、極端なことを言えばインターハイに行っても優勝できないのだから出場を認めないという話につながっていきます。これで本当に良いのか?

陸上の世界選手権などは「標準記録」が設定されています。その標準記録を突破した者が日本選手権で3番以内に入れば世界選手権に出場可能となるようなシステムです。しかし、標準記録を突破したからと言って大会で勝てるわけではありません。何人もが記録を突破しているわけですから。参加資格を得たのですから参加する。当然だと思います。それなのに「勝てなかったから謝れ」はどうなのか?負けた選手が笑顔で「力を出し切りました」ということさえ許されないのか?

うーん、これも私の「主観」ですから「おかしい」と言われるのかもしれません。しかし、今回の「税金で出場しているのだから」という批判はどうも受け入れられません。今はほとんどの人がインターネットにアクセスしてSMSで簡単に自分の考えを出したり、人のblogやマスコミにコメントすることができます。それも「匿名」で。それぞれの立場を考えず一部分だけを抜き出して「批判」する。それを見てさらに他の人が「批判」して炎上する。よくあるパターンです。実際に前の記事で紹介したblogは炎上。一人だけの問題ではなくなっています。そこまでこの日と個人の考えを否定する必要があるのか?直接面識がないからこそ「過剰な攻撃対象」になる。恐ろしいと思いますね。

こうやって書いている私のblogもどこかで誰かに紹介されたら「攻撃対象」となるのかもしれません。賛同の意見もあれば反対の意見もある。当然の話だと思います。しかし、「攻撃対象」となり立ち直れなくなるくらいまで叩かれるというのはどうなのか?考えさせられます。

もう少し書かせてください。どんどん、泥沼に足を突っ込んでいる気がしますが(笑)。この手のことを書くのは自分の考えの整理にもなりますが、かなりダメージも大きくなります(笑)。突っ込みどころが出てきますからね。文字だけで書いているとなかなか伝わらなかったり表現できないことが出てきます。難しいですね。高校生が読むような文章ではないと思いますが(笑)。

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