月曜日の練習のことを。
kd先生指導で「短距離の基礎」をやることになっていました。重心移動がほぼない中での練習。タイムリーにネットニュースに「基礎的なことの徹底」の内容がありました。重心の移動がある動きをやると動きが崩れる部分があります。それをどれだけ徹底的にやれるか。
速く走ることを競う種目なのでどうしても「進む」ことが求められます。能力的に高い選手であればそれで進んでいくのだと思います。動きをあまりいじらないほうが良い選手もいるのは事実です。しかし、「普通の選手」であればやはり「効率よく走る」ために必要な動きを身に付けていく必要があります。これにはかなりの時間を要します。そして、「根気強さ」も求められる。ちょっとやってすぐに改善されるものではない。毎日毎日時間をかけて徹底的にやることで変化が生まれる。
中国大会以降は「重心移動がない」という中でひたすら基礎的な動きをやってきました。「足運び」がメインです。直線的に足を運ぶことを身に付ける。回らないようにする。膝が開かないようにする。イメージ的には「山縣選手」のような動きだと思います。もちろん選手によって「下腿」の動きが違ってきます。リラックスして膝から下が出る選手もいますが。力を加える方向は変わってはいけない。
これまでは「足の動き」のみでしたが、kbt先生の要望により「応用編」に進みたいと。重心の移動を伴うと膝が開いたり、接地がずれたりします。ここをどれだけ我慢強くできるか。崩れたらまた前段階に戻るという繰り返しだと思います。こういうスタンスなので時間がかかります。これは上述の記事にある坂井選手も同様なのではないかなと。やりたいことを丁寧にやる。正確にやり続けることで動きは変わっていく。
そういえば近畿の高校に練習見学に行ったときに「以前は100mのミニハードルをやっていた」という話を聞いたことがあります。100mをひたすら正確に走る。京都のrkn高校も長い距離でミニハードルを置いて練習をされます。正確な動きを徹底させること。ここが需要だと思います。今は「重心移動」がない状況で正確に動くというのをやっていく。数か月これができれば劇的に変化すると思っています。
この日は最初は壁に手をついての引き出し。これまでは直立した状況でやっていました。腰の移動が全くない中での足運び。この日は少し体を傾けて「膝の引き出し」と「腰の移動」を生み出します。膝が前に出ることで腰が進む。これが重心移動につながります。大きくではなく少しの移動だけ。これまでやってきた「直線的な運び」を繰り返します。少し前まで引き出すので意識が甘い選手は膝が開き始めます。更には戻すときに軌道が変わってしまう。直線的に動かして直線的に戻す。ピストン運動のような感じですね。正確にやるというのがどれだけできるか。飽きてくる選手も出てくると思います。地味ですから。それでもここでどれだけ正確にやるかは大きい。
かなりの時間やってから今度は「ハードル」を使っての練習。2台を使って少しだけ重心移動を生み出します。これまではハードル1台を使っての運びでしたが2台を背中合わせにおいて0.5足長くらい離す。それを足が越えていって接地する。ほんの少しですが重心移動が生まれます。この段階でまた崩れる。接地場所がずれたりします。空き時間に「その場での膝締め」をやらせながら何度も繰り返します。「雑」な選手はこのあたりから飽きてきます。他の練習と比べると圧倒的に地味なので。
指導としては「正確にやらせる」ことだと思っています。ポイントがどこにあってそれをどのように身に付けさせるか。崩れてしまう部分を見てまた前段階に戻す。派手な練習もありますが時間をかけて「正確な動き」を身に付けることは長い目で見たときに大きいと思っています。「この練習をやればいい」というのではなく「何が重要か」をこちら側が理解してそれを伝えていく。この作業がどれだけできるか。「徹底させる」のが私の役割だと思っているのでこの時間は選手の近くで小言を言い続けます。
かなりの時間やってから「ハードル連続歩行」を。これも前段階でやってきた「重心移動がないハードル歩行」から「少しだけ移動する」という流れの中でやっていきます。移動をすると膝が開いたり接地の方向がずれる。私も少しお手本を示しましたがkd先生に「開いている」と指摘を受けました(笑)。もう少し手本が示せるように練習しないといけないかもしれません。3種類くらいハードルを準備して段階に応じて実施。できなければ移動が少ないほうに移動してやり直し。できれば次の段階へ。とにかく繰り返します。
最後に重心移動がほぼない中での移動。半足長ずつ進んでいく感じでしょうか。5mを40歩とかになります。直線的に引き出して直線的に接地する。進むと開いたり回ったりする。これをどれだけ修正できるかです。スピードで誤魔化すのではななく丁寧にやり続ける。これが定着してくると最終的に「勝手に進む」ようになります。この日は本当にこれだけしかやりませんでした。徹底的です。これを夏休みが終わるくらいまで徹底できれば見違えるように動きが変わると思います。地味です。だからこそやり続ける必要がある。
「才能」とはなにか。何もしないでも走れるのも「才能」だと思います。が、「努力をし続ける」ことも他には負けない大きな「才能」です。大半の選手は途中であきらめてしまったり、集中力が切れてしまいます。できないのであればできるようになるまで徹底的にやる。時間があればそれを基礎の徹底に使う。それくらいの感覚がなければ「大きな逆転」はできないと思っています。
補強が強くなっていません。ここが大きな問題点かなと思います。「やっている」のは事実です。が、それが身になっていないのであればやはり考えるべきです。しつこくしつこく言い続けないとできないのであれば言い続けるしかない。結局は「その気になる」かどうかだだけです。ここができれば勝手に強くなる部分が出てくると思います
まだまだ。やっていることを信じて取り組んでいければと思いますね。