医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

そこじゃない!

2018-09-20 06:26:06 | 薬局

確執なのか確実なのか?

 

どうも雲行きがあやしい。

このままでは日本薬剤師会と他の団体とが分裂しそうな気配を感じている。

気のせいかもしれないが日本薬剤師会は日本保険薬局協会や日本チェーンドラッグストア協会を敵視しているように感じる。

職能団体と言うより業界団体としてパイの奪い合いをしているようだ。

 

厚生科学審議会では来年の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」改定にむけて審議が始まっている。

その主な項目として4つあり、その1つに「薬局の組織ガバナンスの確保」がある。

これは簡単に言うと、個々の薬局で起きた不祥事であっても、それを管理する中間部門(エリアマネジャーの様の部門)や、さらに薬局開設者にまで責任を追及すると言うものだと私は理解している。

こうなると多店舗展開している大手調剤チェーンとしては、店舗の数だけリスクを背負うことになる。

従って簡単に「良いですよ」とはいかない。

日本薬剤師会はこれに賛成の姿勢を示している。

何と言っても幹部の運営する店舗数は少ないので目が届く範囲である。

 

次に浮上してきたのが、先日北海道を震撼させた「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」の時の薬局の休局問題である。

日薬幹部が「チェーン薬局の多くが停電などの理由で店舗を閉めていたため、他の近隣の開局している薬局に患者が集中して苦慮している」と指摘があった。

当然のことであるがチェーン薬局で構成されている日本保険薬局協会は反論している。

日薬の幹部の発言なので、日薬の会員である中小薬局は頑張ったってことが言いたかったんだろうが、どう考えても大手調剤チェーンは儲かることだけしかやらないって聞こえてくる。

 

この他にも以前に書いたが厚生科学審議会のテーマの1つである「地域における医薬品提供体制を確保するための薬局の体制整備」に対して、日薬は「地域医薬品供給体制確保計画(仮称)」を提唱している。

これはうがった見方をすると薬局版の地域医療計画のように誤解される。

要は薬局の数量規制である。

今、ドラッグストアは処方箋を扱う店舗を増やしている。

この日薬が提唱する「地域医薬品供給体制確保計画(仮称)」は、ドラッグストアの店舗展開にストップをかける恐れがある。

中小薬局にとっては市場を守ることになる。

 

いろいろ物議を醸しだしているが本当に大事な部分が置き忘れられている。

それは厚生科学審議会での「薬剤師の対人業務を推進するための方策」についてである。

薬剤師の対人業務を充実させるために、業務の見直しをするという事である。

何を見直すのかと言うと対物業務である。

対物業務の軽減が対人業務の充実につながる。

対物業務の何を見直すのかと言うと、薬剤師以外でも出来る調剤業務の解禁となる。

既に、パートナーとして認めさせる動きも出始めている。

ここが最も危険で「調剤料」の低減につながりかねない。

 

確執の問題は尾を引きそうな気がする。

気が付かない内に本丸が襲われそうだ。

 

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続いちゃった!

2018-09-19 06:06:44 | 薬局

その「地域フォーミュラリー」であるが…。

 

アメリカでフォーミュラリーが発展した背景には、後発医薬品の使用促進があったと思われる。

保険会社は効果が高く安い医薬品を使用したい。

そんな医薬品をPBMにお任せする。

PBMは製薬メーカーと少なからず関係があり、推奨医薬品の売上はPBMに採用されるかどうかで決まる。

PBMが推奨すると使用量が大幅に伸びる。

中には後発医薬品メーカーが子会社としてPBMを運営する場合もあった。

 

日本ではある大学病院からフォーミュラリーの導入が始まったようだ。

あまり興味がないのでサラッとしか調べていないが、その背景には大学病院の薬剤部としてのプライドみたいなものがあったような気がする。

フォーミュラリーの定義は「医療機関における患者に対して最も有効で経済的な医薬品の使用における指針」となっている。

要は、当院では患者のために最適で経済的な後発医薬品を指定させてもらいますってことになる。

こうなると、そこからの処方箋を受ける薬局は指定された後発医薬品を使わざるを得なくなる。

その指定された後発医薬品は地域においてかなり優位になる。

私が後発医薬品メーカーだったら地域フォーミュラリーへの取り込みを仕掛けるだろう。

え、どうするって。

本家本元を取り込んじゃえとなるかもしれない。

 

さて、この地域フォーミュラリーを利用すると、例えばある程度コントロール可能な医療機関があると、後発医薬品の使用促進が可能になる。

大学病院や公的な病院などは行政からの指導で動かせることが可能である

この他にも協会けんぽなども地域ごとに後発医薬品の推奨なども始まる。

協会けんぽの静岡支部では「協会レセプトの分析による地域フォーミュラリー策定に向けたデータ作成および医薬品実績データ作成業」を外部に委託した。

この業務を受託した会社が後発医薬品メーカーである。

 

都道府県では平成30~35年度に実施する「医療費適正化計画」を作成している。

その適正化の取組目標として、従来の「特定健診等の実施率の向上」に加え、新たに「糖尿病の重症化予防の取組」、「後発医薬品の使用促進」、「医薬品の適正使用(重複投薬、多剤投与の適正化)」を盛り込むことになっている。

この中の「後発医薬品の使用促進」があり、そこに「地域フォーミュラリー」が活躍しそうだ。

その時の推奨後発医薬品は何になるのか?

 

大学病院や公的病院のお墨付き後発医薬品は地域で推奨となるかもしれない。

 

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新車登場か?

2018-09-18 05:11:05 | 薬局

新型の自動車か…?

 

聞き慣れない新車の様な言葉に「フォーミュラリー」がある。

知る人ぞ知る薬剤使用管理指針である。

この言葉の訳自体が合っているのかどうかもわからない。

因みに、フォーミュラリーとは、「医療機関における患者に対して最も有効で経済的な医薬品の使用における指針」となっている。

私が知っているのはアメリカの仕組みとしてのフォーミュラリーである。

そのアメリカに私が行ったのは、かれこれ30年くらい前になるだろうか。

 

アメリカには公的保険制度は2つしかない。

高齢者を対象にした「メディケア」と貧困者への「メディケイド」である。

30数年前の知識だからあてにはならない。

上記以外は民間保険への加入となる。

これがまた複雑で支払う保険料によっていろいろな種類があり、その保険の種類によって給付されるサービス内容も異なる。

ここで保険制度について説明するつもりはないが、薬局の支払いシステムを簡単に解説したい。

 

極めて単純化しているのでプロが見たら怒られるかもしれない。

詳しく知りたい人は自分で調べるなり、アメリカへの訪問が欠かせない。

アメリカまで行ってドラッグストや大型流通店舗ばかり見ていてはいけない。

州によって異なるがマネジドケアは、今後の動きの参考になる。

因みに、マネジドケアとは管理医療で有名なのはHMOなどがある。

 

先ず、患者はクリニックを受診する。

そのクリニックも保険会社によって指定されることが多い。

診察の結果、処方箋が発行される。

その処方箋を薬局に持参する。

薬局では薬剤師が処方箋を受け取り、保険会社に問い合わせて、その保険に合った薬を調剤して渡す。

この時に、保険会社があまりに多過ぎて整理がつかないので、日本的に言うと支払基金の様な組織があり、そこに問い合わせる。

この組織をPBM(Pharmacy Benefit Manager: 薬剤給付管理)と言う。

ここでは保険内容に合った薬の提案がされる。

その時の医薬品リストが「フォーミュラリー」である。

間違っていたらごめんなさい。

何と言っても30数年前の知識である。

 

PBMが指定した薬を患者が了承したら保険でカバーされるが、本人が先発薬を希望すると保険給付から外れる。

薬は日本とは異なりかなり高額だそうだ。

そうなると指定された薬でいいとなる。

そんな事もあってアメリカの後発医薬品使用割合は90%を超えている。

 

で、日本ではそれにあやかり日本型フォーミュラリーを提唱する動きがある。

これが地域を巻き込んだ「地域フォーミュラリー」のようだ。

車の名前ではない。

 

話は続く…。

 

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天から雨が降る

2018-09-17 05:44:14 | 薬局

いつまでも仲間っていいなあぁ。

 

昨日から一泊二日で大学時代の同窓会みたいな集まりがあった。

学生時代に所属していた部活は「薬物部」である。

ここでは薬理学を楽しんでいた。

迷惑な話かもしれないが犬やラット、マウスなどを使って薬理作用を確かめる実習が主な活動である。

極めて薬学部らしい活動だ。

そこで私は部長を務めていた。

 

その時の先輩や後輩、同級が集まった。

集まったメンバーは還暦を過ぎたおじさん、おばさんである。

でも不思議なもので話をしているうちに、何故かしら昔の顔に見えてくる。

話題は病気と定年になった話が多い。

定年自慢から何となく哀愁を感じさせられる。

そんな歳になった。

 

ふと、今の薬学生は我々が体験したような思い出が作れるだろうか。

今の薬学生の夢ってなんだろうか。

何のために薬剤師になりたいのだろうか。

そんなことが頭をよぎる。

 

いつのまにか評価されていない「医薬分業」がある。

医薬分業自体は必要だとしながらも、今の状況は患者のメリットが感じられないと指摘されている。

「骨太の方針」でも「患者本位の医薬分業に向けて」と、どこが患者本位ではないのか。

そんな事情から薬剤師自身が検証して、ダメな部分を改めるための行動が求められている。

 

還暦を超えた薬剤師は人生の余暇を楽しんでいる。

集まれることの幸せを実感している。

今更ではあるが、素晴らしい学生生活に感謝する。

そんな機会をくれた両親に改めて“ありがとうございます”と天を仰ぐ。

 

 

 

 

 

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夢ちがい

2018-09-16 05:14:14 | 薬局

職場は自分の人生を築く大事な”修行の場”である。

 

古い話ではあるが2011年4月の「日経DI」のインタビュー記事に掲載してもらったことがある。

タイトルは「40歳までに何をするかで薬剤師人生が決まります」である。

20代、30代は自分の人生を決める大事な時だと信じている。

そんな話を昨夜はした。

 

1日の時間を考えると、寝ている時間が6~8時間、食事や日常生活に費やする時間が8時間ほどある。

ただ私の場合は寝ている時間は4~5時間しかない。

通常は残った約8~10時間が仕事に使っているのではないだろうか。

実は、この仕事での時間こそが自分自身を磨くために必要な時間である。

この大切な時間をだらだら過ごす人には人生の積み重ねなどあり得ない。

今を大切にする人だけが、将来の自分を作り上げていく権利が生まれる。

そのためには気持ちがワクワク、ドキドキする仕事が大切になる。

 

「原因と結果の法則」がある。

今の自分の状態(結果)は、過去の自分がやってきたこと(原因)に基づいている。

もし将来を素晴らしい自分にしたいと思ったら、今の自分を磨くことが近道になる。

そのためには将来の”夢“を確りと持つ事だ。

”夢“はその人が持つ底知れない潜在能力を引き出す根源になる。

その潜在能力がワクワク、ドキドキ感を生む。

 

古いUSBを整理していたら、10年前に、なりたい自分に付いて書かれている内容を発見した。

久しぶりに読んでみる。

そこには東京にオフィスを構えて全国で講演とあった。

TVに出演ともあったが…それでも北海道のローカル放送に2度登場している。

さすがに目標年収にはほど遠いが、10年前にはまさかと思う事が今少し実現している。

このブログでも紹介したがナポレオン・ヒルが書いた「思考は現実化する」は本当だ。

 

脳は勘違いしやすいそうだ。

自分は凄いと思い込むと凄いが現実になる。

逆に自分はダメだと思うとどんどん奈落の底に突き落とされてしまう。

 

などと石巻の若者にゲキを飛ばす。

人に言いながら自分に言い聞かせている。

 

そして、もう少し勘違いさせてもらおう。

やりたいことはまだある。

 

“忘れないでほしい”から“思い出してほしい”をいま思う。

 

 

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計画行動

2018-09-15 06:12:27 | 薬局

コスト意識を持った方がいいのでは。

 

当社ではいろいろな提案や企画を用意している。

その柱となるのが毎月東京で行われているHSEセミナーである。

ここでの情報が「薬局経営研究会」の資料の基になっている。

HSEセミナーのスケジュールは半年前からお知らせしている。

にもかかわらずギリギリで申し込む参加者が意外に多い。

しかも飛行機での移動である。

ギリギリでの飛行機は航空運賃が高くなるので気になって仕方がない。

 

私の移動も飛行機を利用することが多い。

ただ私の場合は貧乏な会社なので予約は2カ月以上前からにしている。

片道が2万円を超えると高いと倦厭してしまう。

大体が1万5千円程度のチケットを用意する。

鹿児島から東京に戻る便などは1万円を切ることがある。

さすがに東京から鹿児島行は1万5千円程度になる。

航空運賃が安いと変更になってもキャンセル料も安い。

 

上記のように2カ月以上の予約を可能にするのがスケジュール管理である。

常に、スケジュールとのにらめっこだ。

出来るだけ効率がよく移動できるように連続したコースを作っている。

そのせいか活動は西日本が多くなる。

西日本だと、どこに飛んでも新幹線などでの移動が簡単になる。

東北は太平洋側と日本海側の横断は出来ない。

大宮経由のV字移動になる。

飛行機は既に3月分までが予約されている。

ホテルも3月までの確保はしている。

 

常にドタバタと移動ばかりで間違ってしまう事もある。

ホテルの日付間違いや飛行機の逆便の予約もある。

どこまでコストが下がっているのか見えていないところがドジ臭い。

 

水曜日から大阪、広島、博多と「薬局経営研究会」が終了した。

自己満足であるが、なかなかの内容ではなかったかと思っている。

今日は福岡空港から仙台空港に飛ぶ。

そこから石巻に移動して勉強会がある。

中小薬局の生き残り策を具体的に提案したいと思う。

何を話そうか真剣に悩んでいる。

でも、頭の中は終わった後の懇親会の料理かもしれない。

 

 

 

 

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アウトカモン

2018-09-14 06:10:54 | 薬局

報酬はアウトカムが大事になる。

 

厚生労働省を辞めた元大物官僚が講演で「医療従事者の評価はアウトカムベースに」と訴えていたそうだ。

この言葉は重い。

アウトカムとは成果や結果を表している。

その成果や結果とは患者が治ることや薬が減ることが目安となる。

そこで考えて欲しいのは調剤報酬から患者が治るや薬が減るとは何かである。

 

いつもブログに書いているが調剤技術料で、患者が治ることに貢献できる報酬を考えると、「調剤料」は難しい存在になる。

「調剤基本料」も処方箋の受取時に薬剤師が効果の発現や副作用の有無、重複・相互作用の防止、残薬の調整などの処方提案があって患者が治ることへの貢献が感じられる。

 

「かかりつけ薬剤師指導料」の算定があまり進んでいないようだ。

確かに、仕組みの悪さは感じられる。

3年以上の経験や1年以上の勤務実績など要件のハードルが高過ぎる。

管理薬剤師になるには、さらに2年(合わせて5年)の経験が必要になる。

何のために国家試験をくぐり抜けてきたのだろうか。

学生時代にしっかり管理薬剤師としての知識や自覚を植え付けておけばいい。

この要件がおかしいと誰も声に出していない。

容認しているとおかしなことも正当化されてしまう。

 

「かかりつけ薬剤師指導料」の役割は薬の適正化と効率化にある。

それがエビデンスで示されないと、何かに包括されてもおかしくない。

例えば「調剤基本料」と「服用薬剤管理指導料」が包括される。

その算定要件には「かかりつけ薬剤師指導料」も含まれるってことも無きにしも非ず。

 

ご存知のように国は後発医薬品の使用割合を2020年9月までに80%とする目標を掲げた。

この目標は閣議決定されている。

現内閣が崩壊しない限り粛々と進められていく。

という事は2020年の診療報酬改定では80%に満たない場合の対処が出てくる。

また、不合理な「後発医薬品調剤体制加算」な無くなる。

誰が考えてもおかしな仕組みである。

本来なら後発医薬品に切り替えると安くなるはずが、逆に「後発医薬品体制加算」で高くなることもある。

本人の希望の有無に関わらず全員算定される。

こんな仕組みが残るとは思えない。

 

何ごとも「結果」が全てである。

「やっています」「出来ています」と口で言うのは簡単だが、それを「結果」として表すのは難しい。

 

経営の結果は利益を出す事かもしれない。

 

 

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消費される薬価

2018-09-13 06:08:55 | 薬局

やらせ記事のようだ。

 

昨日(9/12)の日経新聞に、突然のように「薬価、2年連続下げ」の見出しが飛び込んできた。

そこには2019年10月に引き上げられる消費増税分の2%について書かれている。

その仕組みは、先ず現薬価を実勢価格から調整して新たに薬価を決める。

その新しい薬価に2%の消費増税分を上乗せる。

下げて上げるってことである。

因みに、診療報酬本体においても同様に、現状の報酬から消費税分を除いた部分に2%を上乗せて、引き上げ分を算定しやすい報酬に上乗せさせて補填する。

こちらは全ての報酬ではなくて初再診料などがプラスになる。

薬局だと調剤基本料などに上乗せられる。

報酬自体が複雑になるのを勘案しての配慮である。

ただ、前回の5%から8%に引き上げ時の計算には誤差があり損税になっていた。

と、医師会は主張している。

 

先ず、なぜこの時期に薬価引き下げの話が出て来るのか。

社会保障費の削減のほとんどは薬価引き下げに依存していた。

何と言っても金額が大きい。

本来ならアンタッチャブルの医師の技術料の引き下げが最も効果的だが、そんな勇気ある政治家などいない。

そこで次なる狙いが薬価引き下げである。

何と言って1%が約1,000億円の負担軽減になる。

 

過去を遡ると3%から5%に引き上げられた1997年4月はマイナス0.87%だった。

西暦が奇数なので改定時期ではない。

今回に似たケースとなる。

消費税分の2%が上乗せになったにもかかわらずマイナス0.87%になっている。

ここから見えてくるのは実勢価格から見て約3%相当の引き下げがあったと考えられる。

2014年は8%に引き上げだった。

この年は改定と重なり通常改定の後に3%引き上げとなった。

それでもマイナス0.63%だったから3%がなければ大変なことになっていた。

 

問題となっているのはいつの段階で薬価改定を行うかである。

財務省的には今年の9月の薬価調査に基づき来年4月からを主張している。

その理由は10月からだと薬価引き下げ率が大きくなるとしている。

今年の9月の結果を来年度の薬価に反映させるため、10月からのなると4月からの倍になる。

厚生労働省は多少の激変があっても、消費税増税に合わせて10月としている。

どちらにしても薬価引き下げは確実である。

 

さて、先ほども書いたがなぜこの時期に浮上してきたのか。

どうも今年は災害が多過ぎる。

災害には補正予算が必要になってくる。

そこで、早くもその補填を考えてのことではないだろうか。

そう考えると4月説が有力になってくる。

それだけではない。

2020年の診療報酬改定にも大きく反映されてくる。

被災された人の補償は大事である。

必要ならそれなりに対応したいものである。

 

でも、正直に言って欲しい。

こそくな手段なら迷惑である。

こんな時こそ法人税率の緊急引き上げくらい考えて欲しい。

 

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酷使に負けるな

2018-09-12 06:04:51 | 薬局

薬剤師国家試験から見えて来るもの。

 

国が求める薬局の姿とは何だろうか。

唐突に出てきた「患者のための薬局ビジョン」から始まって「健康情報拠点薬局」として議論が始まった。

実は、ここに国が求める原点を見出すことができる。

要は、薬局には健康情報を発信できる機能が求められている。

 

先日のHSEセミナーで薬剤師国家試験に関する話があった。

その中に改訂コアカリの基盤に「薬剤師として求められる基本的な資質」の項目があった。

そこに「患者・生活者本位の視点」とある。

注目して欲しいのは患者だけではなく「生活者」にも及んでいるってことである。

ここに「健康情報拠点」の意義を見出せる。

生活者は患者ではない。

生活者に必要なのは健康を維持する予防や未病の管理ではないだろうか。

これが広い意味で「地域包括ケア」に結びついていく。

 

また、薬学実務実習に関するガイドラインでは、代表的な疾患として以下の8つを上げている。

「がん、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患、免疫・アレルギー疾患、感染症」

ここから見えてくるのは、これから増えるから対応できる薬剤師を育てたいを感じる。

先ず、がんは在宅療養として増やしたい。

自宅での終末医療の在り方に対応できる準備が始まっている。

また、生活習慣病に対する重症化予防にも重きを感じる。

その他もこれから増える可能性を秘めている。

これらは国が重要視している疾患として、薬局は何ができるのかを今から考えておく必要を示している。

 

この他にも第103回の実際の国家試験問題からの解説があった。

問題を見ていて思ったのは、かなり実践的で実際的な内容だってことである。

私ならこの問題を教材に自社内の研修を行うだろう。

ただ単に、答えを出すのではなく、何が間違いで、どう対処すべきだったのかなどを考えさせるのに最適である。

その設問で危惧しているのは「かかりつけ薬剤師指導料」に関する回答率の悪さである。

これは現場の薬剤師が”かかりつけ薬剤師”に対してアレルギーがあるかではないだろうかと心配になる。

後でブログにも書くが「かかりつけ薬剤師指導料」が進まないと報酬がなくなる。

自分の判断でやらなくてもいいって問題じゃないってことを思い知らされることになるだろう。

 

薬剤師国家試験では薬学実務実習から答えを見いだせる設問が増えている。

実習先が一部の薬局の独占になっているとの声も聞く。

本来なら、それ相当の対応ができる薬局での実習が望ましいと思う。

実務実習を受けるなら、それなりの時間の確保と覚悟も欲しい。

学生から聞こえてくる声に「歯車のように調剤ばかりさせられている」と聞こえてくるのは、先輩としていかがなものか。

 

学生には嫌がられるかもしれないが、私なら実習で毎日10個の質問を考えさせたい。

それを一緒に話し合う時間を持ちたいと思う。

また、先ほどの8疾患に関する添付文書をセットで揃えてあげたい。

私には考えられないが添付文書からの設問もかなりあるらしい。

 

今どきの国家試験は恐ろしい。

 

 

 

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本命狙い

2018-09-11 05:17:11 | 薬局

医療費の中から削減できるものとは…。

 

2017年4月の財政制度等審議会に提出された資料に「薬価改定・診療報酬本体改定の対象範囲(イメージ)」が示されている。

それによるとなぜかしら「薬剤費等」が赤枠で囲われている。

医科の医療費は30.6兆円あり、その内の約20%が「薬剤費等」となっている。

単純に計算すると約6.12兆円となる。

次に歯科の医療費は2.8兆円で「薬剤費等」は約10%となっており、0.28兆円になる。

調剤医療費は7.8兆円あり「薬剤費等」は約70%で5.53兆円となる。

そこで、先ほどの赤枠(薬剤費等)の合計は11.93兆円になる。

 

ここで医科の医療費における技術料(本体)は24.48兆円もあり、ここの削減が医療費抑制に最も効果が有る。

ところが残念ながらいろいろな力が働いて、なぜかしらアンタッチャブルとなっている。

ただ、さすがに入院医療については、医療が必要な人への効率化は図られている。

それが地域医療構想による病床数の適正化である。

本体が8割を占める歯科の医療費は約2.52兆円しかなく、ここを削減しても意味がない。歯科の医療費はわずかながら技術の進歩に合わせて、自由診療へのサポート分の引き上げを行っている。

残る調剤医療費であるが、ここも本体部分は約2.37兆円にしかならないことになる。

これを削減しても医療費抑制には何ら影響がないが、ここからの財源搾取が診療所の本体に回される。

「妊婦加算」の財源は大型門前対策から引っ張って行ったのか。

醜いパイの奪い合いでしかない。

 

実は、医療費抑制の本命は「薬剤費等」にある。

何と言っても11.93兆円もある。

調剤報酬などの比ではない。

ただ、この「薬剤費等」にはDPC採用の病院や療養型入院患者の分は含まれていないはずだ。

ここは薬価として分離できないからである。

薬価が引き下げになると、定額医療の医療機関は報酬が下がるわけではないので、その分の利益は増えることになる。

これは実質上の報酬引き上げになりそうだ。

 

話が逸れたが国は「流通改善ガイドライン」などと言っているが、本音では薬価の引き下げを願っているのではないだろうか。

いよいよもって未妥結減算に向けた期限が近付いている。

前回と同じ値引率など夢のまた夢だ。

どこも前回から1~2%アップの値引率対応である。

これって今までの値引率が適正ではなかったってことなのか。

それとも大手調剤チェーンなどの影響が中小薬局に及んでいるのか。

医薬品卸が中小薬局に提示した価格が適正だとするなら、大手調剤チェーンにも同じ価格で対応して欲しい。

 

本当に薬価を維持したいと国が望むなら。

強い者いじめをして欲しい。

 

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