確執なのか確実なのか?
どうも雲行きがあやしい。
このままでは日本薬剤師会と他の団体とが分裂しそうな気配を感じている。
気のせいかもしれないが日本薬剤師会は日本保険薬局協会や日本チェーンドラッグストア協会を敵視しているように感じる。
職能団体と言うより業界団体としてパイの奪い合いをしているようだ。
厚生科学審議会では来年の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」改定にむけて審議が始まっている。
その主な項目として4つあり、その1つに「薬局の組織ガバナンスの確保」がある。
これは簡単に言うと、個々の薬局で起きた不祥事であっても、それを管理する中間部門(エリアマネジャーの様の部門)や、さらに薬局開設者にまで責任を追及すると言うものだと私は理解している。
こうなると多店舗展開している大手調剤チェーンとしては、店舗の数だけリスクを背負うことになる。
従って簡単に「良いですよ」とはいかない。
日本薬剤師会はこれに賛成の姿勢を示している。
何と言っても幹部の運営する店舗数は少ないので目が届く範囲である。
次に浮上してきたのが、先日北海道を震撼させた「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」の時の薬局の休局問題である。
日薬幹部が「チェーン薬局の多くが停電などの理由で店舗を閉めていたため、他の近隣の開局している薬局に患者が集中して苦慮している」と指摘があった。
当然のことであるがチェーン薬局で構成されている日本保険薬局協会は反論している。
日薬の幹部の発言なので、日薬の会員である中小薬局は頑張ったってことが言いたかったんだろうが、どう考えても大手調剤チェーンは儲かることだけしかやらないって聞こえてくる。
この他にも以前に書いたが厚生科学審議会のテーマの1つである「地域における医薬品提供体制を確保するための薬局の体制整備」に対して、日薬は「地域医薬品供給体制確保計画(仮称)」を提唱している。
これはうがった見方をすると薬局版の地域医療計画のように誤解される。
要は薬局の数量規制である。
今、ドラッグストアは処方箋を扱う店舗を増やしている。
この日薬が提唱する「地域医薬品供給体制確保計画(仮称)」は、ドラッグストアの店舗展開にストップをかける恐れがある。
中小薬局にとっては市場を守ることになる。
いろいろ物議を醸しだしているが本当に大事な部分が置き忘れられている。
それは厚生科学審議会での「薬剤師の対人業務を推進するための方策」についてである。
薬剤師の対人業務を充実させるために、業務の見直しをするという事である。
何を見直すのかと言うと対物業務である。
対物業務の軽減が対人業務の充実につながる。
対物業務の何を見直すのかと言うと、薬剤師以外でも出来る調剤業務の解禁となる。
既に、パートナーとして認めさせる動きも出始めている。
ここが最も危険で「調剤料」の低減につながりかねない。
確執の問題は尾を引きそうな気がする。
気が付かない内に本丸が襲われそうだ。