報酬はアウトカムが大事になる。
厚生労働省を辞めた元大物官僚が講演で「医療従事者の評価はアウトカムベースに」と訴えていたそうだ。
この言葉は重い。
アウトカムとは成果や結果を表している。
その成果や結果とは患者が治ることや薬が減ることが目安となる。
そこで考えて欲しいのは調剤報酬から患者が治るや薬が減るとは何かである。
いつもブログに書いているが調剤技術料で、患者が治ることに貢献できる報酬を考えると、「調剤料」は難しい存在になる。
「調剤基本料」も処方箋の受取時に薬剤師が効果の発現や副作用の有無、重複・相互作用の防止、残薬の調整などの処方提案があって患者が治ることへの貢献が感じられる。
「かかりつけ薬剤師指導料」の算定があまり進んでいないようだ。
確かに、仕組みの悪さは感じられる。
3年以上の経験や1年以上の勤務実績など要件のハードルが高過ぎる。
管理薬剤師になるには、さらに2年(合わせて5年)の経験が必要になる。
何のために国家試験をくぐり抜けてきたのだろうか。
学生時代にしっかり管理薬剤師としての知識や自覚を植え付けておけばいい。
この要件がおかしいと誰も声に出していない。
容認しているとおかしなことも正当化されてしまう。
「かかりつけ薬剤師指導料」の役割は薬の適正化と効率化にある。
それがエビデンスで示されないと、何かに包括されてもおかしくない。
例えば「調剤基本料」と「服用薬剤管理指導料」が包括される。
その算定要件には「かかりつけ薬剤師指導料」も含まれるってことも無きにしも非ず。
ご存知のように国は後発医薬品の使用割合を2020年9月までに80%とする目標を掲げた。
この目標は閣議決定されている。
現内閣が崩壊しない限り粛々と進められていく。
という事は2020年の診療報酬改定では80%に満たない場合の対処が出てくる。
また、不合理な「後発医薬品調剤体制加算」な無くなる。
誰が考えてもおかしな仕組みである。
本来なら後発医薬品に切り替えると安くなるはずが、逆に「後発医薬品体制加算」で高くなることもある。
本人の希望の有無に関わらず全員算定される。
こんな仕組みが残るとは思えない。
何ごとも「結果」が全てである。
「やっています」「出来ています」と口で言うのは簡単だが、それを「結果」として表すのは難しい。
経営の結果は利益を出す事かもしれない。