医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

本命狙い

2018-09-11 05:17:11 | 薬局

医療費の中から削減できるものとは…。

 

2017年4月の財政制度等審議会に提出された資料に「薬価改定・診療報酬本体改定の対象範囲(イメージ)」が示されている。

それによるとなぜかしら「薬剤費等」が赤枠で囲われている。

医科の医療費は30.6兆円あり、その内の約20%が「薬剤費等」となっている。

単純に計算すると約6.12兆円となる。

次に歯科の医療費は2.8兆円で「薬剤費等」は約10%となっており、0.28兆円になる。

調剤医療費は7.8兆円あり「薬剤費等」は約70%で5.53兆円となる。

そこで、先ほどの赤枠(薬剤費等)の合計は11.93兆円になる。

 

ここで医科の医療費における技術料(本体)は24.48兆円もあり、ここの削減が医療費抑制に最も効果が有る。

ところが残念ながらいろいろな力が働いて、なぜかしらアンタッチャブルとなっている。

ただ、さすがに入院医療については、医療が必要な人への効率化は図られている。

それが地域医療構想による病床数の適正化である。

本体が8割を占める歯科の医療費は約2.52兆円しかなく、ここを削減しても意味がない。歯科の医療費はわずかながら技術の進歩に合わせて、自由診療へのサポート分の引き上げを行っている。

残る調剤医療費であるが、ここも本体部分は約2.37兆円にしかならないことになる。

これを削減しても医療費抑制には何ら影響がないが、ここからの財源搾取が診療所の本体に回される。

「妊婦加算」の財源は大型門前対策から引っ張って行ったのか。

醜いパイの奪い合いでしかない。

 

実は、医療費抑制の本命は「薬剤費等」にある。

何と言っても11.93兆円もある。

調剤報酬などの比ではない。

ただ、この「薬剤費等」にはDPC採用の病院や療養型入院患者の分は含まれていないはずだ。

ここは薬価として分離できないからである。

薬価が引き下げになると、定額医療の医療機関は報酬が下がるわけではないので、その分の利益は増えることになる。

これは実質上の報酬引き上げになりそうだ。

 

話が逸れたが国は「流通改善ガイドライン」などと言っているが、本音では薬価の引き下げを願っているのではないだろうか。

いよいよもって未妥結減算に向けた期限が近付いている。

前回と同じ値引率など夢のまた夢だ。

どこも前回から1~2%アップの値引率対応である。

これって今までの値引率が適正ではなかったってことなのか。

それとも大手調剤チェーンなどの影響が中小薬局に及んでいるのか。

医薬品卸が中小薬局に提示した価格が適正だとするなら、大手調剤チェーンにも同じ価格で対応して欲しい。

 

本当に薬価を維持したいと国が望むなら。

強い者いじめをして欲しい。

 

コメント
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