医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

まだできる

2018-05-14 06:13:20 | 薬局
儲かる秘訣がある。

3月決算の上場大手調剤チェーンが決算発表を行っている。
概ね”増収増益”になっている。
さすがと唸らせる。
前期のポイントは何と言っても「かかりつけ薬剤師指導料」の算定状況にかかっていた。
この報酬自体も貢献しているが、「特例解除」が大きかったのではないだろうか。
「調剤基本料」が41点に復活し、尚且つ「基準調剤加算」の32点も算定可能になる。
そして、「後発医薬品調剤体制加算」も大きい。
何と言っても全患者から算定できるのがありがたい。
その努力の結果として”増益“になったと思われる。

ただ薬局はそれだけで”増益”には成らない。
薬局の最大のコストは薬剤師の人件費にある。
薬剤師が少ないと高利益となり、多いと薄利益となる。
1日に100枚の処方箋を扱う薬局に薬剤師は何人必要だろうか。
処方内容にもよるが処方箋が40枚に薬剤師1人でいいと考えると、2人の常勤と1人のパートになる。
しかし、しっかりとした服薬指導を行おうとすると、処方箋が20~25枚に薬剤師1人となるかもしれない。
さらに凄いのは調剤室に事務職員は一切入れない会社もある。
薬に関わることは全て薬剤師しか扱えないらしい。
こうなるとかなり薬剤師の確保が必要になる。

薬局経営者にすると薬剤師は処方箋40枚に1人でいいのだから、もっと効率のいい仕事をさせるとなる。
しかし現実は難しい。
私のつたない社長経験でも目標利益が与えられていた。
それを達成するためにはどうしてもギリギリの人数での運営になる。
さらに、地方に薬剤師が不足すると、いとも簡単に「薬剤師を移動させればいい」と指示が来る。
そんなやり取りで何度も言い合った経験もある。
結果として、出来ないことは出来ないと押し切った。

現場で薬剤師が不足すると「会社としては募集しているが」と言うが、本音は「だから儲かっているんだ」となっているかもしれない。
薬剤師の不足はヘルプ要員の使いまわしにもなる。
そのヘルプ要員すらいないとギブアップになる。
薬剤師が辞めだす時は一斉に動き出す。
それから焦ってももう遅い。
仕方がなく人材紹介に弱音を吐く。
足元を見られて流れ流れてさすらい薬剤師を高い報酬を払って雇うことになる。
紹介料が凄い。
年間にどれだけの紹介料を支払っているのか考えていない。
そのお金をもっとリクルートや今いる職員への還元に使うと定着率が上がるのに。

利益を出すって難しい。

コメント
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