沈む船から逃げ場を見つけられないねずみは不安ばかりが募る。
何となく変化が見えない不安を感じさせる。
薬剤師の“らしさ”が崩されつつあるような気がする。
本来は薬剤師だけが販売できた一般用医薬品が、いつの間にか登録販売者でも一部可能となった。
しかも登録販売者の受験資格には学歴や年齢の制限がない。
合格率は約40~50%と難易度は比較的高くはない。
それでいいのだろうか。
来年の薬機法改正に向けての動きがある。
既に紹介しているが、中小薬局にとって、改正内容がどうかと言うとかなり危うい。
それを見込んでアマゾンが、守られていた静かな川にピラニアを放った。
ピラニアは在来種を食い荒らす。
その大きなきっかけになりうるのが調剤業務の一部外部委託だ。
どう考えても一部委託では意味がない。
その不備さを訴えて全面委託になるのは時間の問題だ。
そんな”ありの一穴“は既に受託薬局の要件として上がっていたISO9001までにも及んでいる。
その時に、最も恩恵を受けるのは大手調剤チェーンとドラッグストアとなる。
そして外部委託なんかじゃない。
全面的な企業内の内部分業が始まる。
既に、地域におけるドミナント化への在宅対応として”ハブ薬局化“も始まっている。
そして、川に放っておいたピラニアを網で囲って自分のいけすに戻す。
いけすは自社の調剤センターと化し、薬剤師は工場長となる。
もちろん配送も自前となる。
そんなことが迫っているのを感じる不安がある。
初めに戻るが登録販売者はなぜ必要だったのか。
何のことはない、ドラッグストアでの薬剤師不足からドラッグが売れるドラッグストアにしたかったからじゃないだろうか。
薬剤師がいなくて売ることが出来なきゃ売らなきゃいいだけだった。
そうすると調剤主体の薬局でも一般用医薬品が売れる可能性があった。
そんな状況で「地域支援体制加算」の要件に48薬効の販売条件を入れるべきじゃなかったのでは。
終わってしまったことは仕方がない。
何か薬剤師の存在感が見失われているように思う。
ここ10年間の薬剤師を取り巻く環境は大きく変化した。
”失われた10年”などと大げさかもしれないが、”このままではいけない“と言う警鐘を鳴らしてこなかった損失は大きい。
失ったものは戻らない。
これからは自らが主張して、長年培ってきた本来の薬剤師の職能が発揮できる場に進めることに期待したい。
誰に期待したらいいのかは…もちろん!
薬屋なのに薬剤師の居場所を無くそうとしている運動の様に思い怒りを感じました。色々な事情はあると思いますが、そこで雇われている薬剤師は何を考えてるんだとよく顔を眺めてました。最近薬剤師になった人はそんなポスターを見た事もないでしょう。
調剤は工場で行われ、本物か偽物かわからない人から画面を通じて服薬指導を受けて薬がもらえる。
画面を通じてなので何事も簡略化されそうです。
私が心配することでもないですが。