医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

分離は新たなチャンス

2022-01-24 05:06:18 | 薬局

分けると業務も分けて考えられる。

 

2022年度の調剤報酬改定はかなり大きな変化が想定できる。

なかでも「調剤料」は対物業務がやり玉に挙がっている。

その「調剤料」に関しては、先日の中医協から出された「議論の整理」に、「これまで調剤料として評価されていた薬剤調製や取り揃え監査業務の評価を新設する」。

さらに「処方内容の薬学的分析、調剤設計等と、これまで薬剤服用歴管理指導料として評価されていた薬歴の管理等に係る業務の評価を新設する」とある。

これをどう見るかのは、もうじき出てくる短冊を見ればわかるが、要は「調剤料」の手技の部分が分離されるということだ。

分離されると、その部分だけのビジネスが成り立つ。

そのビジネスが調剤業務の外部委託につながるような気がする。

 

ご存じのように規制改革推進会議から始まった調剤業務の外部委託は経団連に感染した。

さらには、先日の「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」でも、対物業務から対人業務への議論にもつながっている。

 

調剤業務の外部委託に関して中小薬局の業務軽減みたいな理由が上がっているが、本当に中小薬局が望んでいるのだろうか。

中小薬局から調剤手技部分の報酬が無くなったら成り立たなくなるのではないだろうか。

1日に30枚前後の処方箋を応需する薬局にとって、一包化などの時間がかかる調剤が出来ないほど時間的余裕がないわけがない。

いつも書くが「人の為と書いて偽り」を思い出す。

 

調剤業務の外部委託には2つのケースが示されていた。

1つは「部分委託」である。

処方箋を受け取った薬局が調剤業務を外部に委託する。

委託された薬局は出来上がった薬を何らかの形で応需した薬局に薬を届ける。

従って、服薬指導は処方箋を受け取った薬局が行う。

この時の薬のデリバリーコストはどうなるのか。

 

もう1つは「完全委託」である。

ここは処方箋を受け取る窓口薬局と調剤して患者に薬を渡す薬局が異なる。

完全なる分業スタイルとなる。

こうなると調剤を可とした判断と調剤完了の責任の所在が分かれてしまう。

これらの外部委託案はあくまでも狭間案である。

 

完全委託が認められると処方箋受付窓口が多い方がいい。

さらにオンライン服薬指導や電子処方箋が普及すると、調剤を主体とする薬局がより効率化が求められる。

大量の処方箋を扱うことによる機械化が進みコストダウンにつながる。

このコストダウンが調剤手技料の引き下げにつながる。

さらにお届けする仕組みにも大きな変化が起きてくる。

届けてもらう時間の調整である。

いつ来るのか待つよりは好きな時間に自分で取りに行く。

それがロッカー渡しにつながる。

さらに好都合なのが普段働く職場に届くじゃないだろうか。

 

こんなことが身近になって来た。

 

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2 コメント

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Unknown (駒形ファン)
2022-01-24 09:14:07
英雄と兄貴

 全国30万の駒形ファンの皆様。
本日、わたくし駒形ファンは駒形ブログにおける
下記①②に注目しております。
① ご存じのように規制改革推進会議から始まった調剤業務の外部委託は経団連に感染した。
②調剤業務の外部委託に関して中小薬局の業務軽減みたいな理由が上がっているが、本当に中小薬局が望んでいるのだろうか。
中小薬局から調剤手技部分の報酬が無くなったら成り立たなくなるのではないだろうか。

 HZM先生のお立場を考えますと、これしかなかったのかな?
実際、薬局パートナーってどうなるんでしょうか。意味はわかりますが、え、それって外部委託するなら結局調剤ロボットでよくね?な気がとってもします。中小薬局への身入りは中長期的にみて激減確定でしょう。というか、電子処方箋になった時点で、システム上中小門前を選択する患者さんが激減でしょう?調剤ポイントすらつかず、大企業薬局に比べて薬の在庫もサービスも低い零細薬局を選ぶ理由がないではありませんか。
 HZM先生は大変に頭の良い方です。けれどもなんというか、1人っていう雰囲気が漂うのです。薬剤師のパートナーも大切な気もしますが、HZM先生の政治的活動、ビジネスにおけるHZM先生と釣り合う能力のパートナーも必要な気もしますね。

心配性というより余計なお世話な駒形ファンはソワソワしております。変革の時、困難な時代に大衆から求められるのは英雄。果たして、HZM先生は英雄になられるおつもりなのか。その場合、誰のための英雄になるのかな。経団連?
いずれにせよ、中小薬局業界には、経営判断に悩んだ時に英雄or兄貴の選択肢があるわけですね。

しかしながら、もはや外部委託の流れはとまりません。
この後、次世代小売の最重要ファクターである物流業界、最強の小売であるコンビニ業界が要処方箋薬、医療用医薬品(零売)を狙っていて準備はほぼ整っています。
控えめに言って、中小薬局生き残り作戦はベリーハード。
まずはここから認識ですね。
生き残るための方法?
まずは駒形ブログを復習ですよ。

仕事があるってありがたいですね。
明日も楽しみです。
狙われている! (駒形SAN)
2022-01-25 02:29:58
調剤ビジネスを小売業としてみると他業種から狙われています。
その狙われているビジネスに参入できる隙間を与えることは、何らかの忖度を感じさせます。
参入したい企業側からの恩恵があると思われると嫌ですね。

私は純粋に薬剤師が好きなだけです。

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