医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

とかげの頭

2024-05-13 05:29:16 | 薬局
救いようがない事態になりつつある。

アインHDは札幌で起きた敷地内薬局の入札妨害事件を受けて、外部弁護士による調査を実施していた。
その調査報告が9日に公表されたようだ。
それによるとアインHD及ぶグループが優先交渉権を獲得した国公立病院などの公募方プロポーザルなどの40案件のうち、今回の札幌を含む3件の提案書に差し替えがあったそうだ。
調査チームによると、いずれの案件も「違法行為ないし社会的非難を浴びる」としている。
具体的にどのような差し替えがあったのかは不明であるが、今後の敷地内薬局のあり方への影響は大きい。

さらに、今回を含めた差し替えに対する社内の認識にも大きな問題があると指摘されている。
あるメディアによると敷地内の獲得に対して「営業努力」として肯定的な評価があったとしている。
こうなると会社ぐるみと言われても否定できないように思う。

さて、問題は現経営陣の責任がどうなるのかじゃないだろうか。
今回の事件は”トカゲのしっぽ切”的な決着に終わりそうだ。
それは事件としての決着である。
企業としての管理責任はどうなるのか。
先ほどあったように「営業努力」として評価されていたとしたら企業体質が問われる。

などと、憎まれ口をたたくつもりはない。
私の心配は他にある。
それはアインHDそのものがどうなるのかである。
昨今の調剤事業を取り巻く環境はごちゃごちゃしている。
ドラッグストアの統合、吸収など調剤売上の上位が入れ替わる事態が生じている。
突如、社長交代の日本調剤も気になる。
そして、アインHDの筆頭株主が投資ファンドになったことも気になる。
投資ファンドは“モノ言う株主”である。
“モノ言う株主”は今回の不祥事に対する責任の所在を厳しく追及するはずだ。
そうなるとアインHDもどうなるのか分からない。

どちらにしても調剤市場は大きな転換期を迎えている。
記憶が薄れてきているがウォールグリーンの副社長だったと思うが、薬局の個店は生き残れるのかとの質問に対し。
それは魚を捕る網目の問題だ。
我々は大きな網で大量の魚を捕るが、薬局の個店はより小さな網目を使って魚を捕る。
住み分けと、こまめなサービスによって生き残るような表現があったように思う。
まさに小さな網目の小さな網で、何度も繰り返し網を投じる努力が大事なんじゃないだろうか。

どちらにしても調剤薬局トップには威厳を示して欲しい。
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